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異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー  作者: 紫電のチュウニー
第三章 舞踏会と武闘会

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第三百三十一話 初めての舞踏会

 セーナは片足をつま先で、もう片方の足を内また気味にしてくるくると回り出す。

 どんどん早くなりクルクルと回転してみせた。

 目が回ったりしないのか? あんな速さで回転して。


「マァ君らがミィんなこんなことムゥずかしくてメェまわしちゃうよね。モォ一回やるから

ヤァってみてね。ユゥっくりでいいからヨォそ見しないでよく見ててネ」

「俺様、気持ち悪くなってきたぞ……」

「ふふん。これくらい私は楽勝かな」

「あら、私だって」

「難しいっしょ! 何で二人共簡単にできるの?」

「人魚には難しいかな。僕やサラはふわりと浮くのが得意だからね」

「すごーいリルさん。私、全然できないわ」

「俺が神魔化すれば全員影響うけるんだっけか? そしたらメルザ以外はできそうだな。俺は前職が舞踏剣士だからこれくらいは……はっ!」


 クルクルと高速で回転してみせる。ふふふ、これならばっちりだろう! 


「まだなーんも説明していないヤ、ユ、ヨ! ただ回るだけが舞踏じゃないのはわかるよね。

さぁあなたは剣を出して。手に入れたティソーナとコラーダを披露する時だよ」

「コラーダはともかくティソーナ……出てくれるか? か剣戒! ……封剣! お、出た」

「何でごじゃろ……わわ、セーナちゃんでごじゃろ。可愛いでごじゃろ!」

「ティソーナ、この形態? あなたは全然使いこなせていないね。まぁ今はそれでもいいから

さぁ舞うよ舞踏剣を奏でて。歌いながら踊ろう、あなたの舞を見せてね」


 既に喋り方が歌のようにリズムをとっている。俺はタキシード戦士。両手に剣を持ち、先ほどのように

クルクルと回って見せる。ついでにタップを加えて音楽に合わせてみた。


「すごい……かっこいい……」

「ほえー、俺様もあんな風にやってみたい」

「さすがだね。サラ、邪術釣り糸を僕に向かって投げて」

「お兄ちゃんもやるのね。わかった、いくよ! はい!」


 リルが俺のすぐ近くで釣り糸を回避しながら踊り出した。すげぇ! 息ぴったりだ。さすが兄妹だ。


「うふふ。ベルディア、私たちも」

「変身するっしょ。私、人魚になって歌うから」

「楽器になるわ。私を奏でて!」


 ファナが楽器に変身し、ベルディアがそれを引きながら歌い始めた! 


「私も、こんな素敵なのに混ざりたい! メルザちゃん、幻術をお願い。クインとニーナに音楽に合わせて

放ってみて!」

「ああ! いくぜ、カノン!」

 

 メルザが空中にいるクインとニーナに次々と幻術を放っていく。

 リズムに合わせて燃斗が美しくひかり、クイン、ニーナの幻影を映し出す。


「いいね。ルイン。剣をこのイネービュと重ねて」

「ああ! こうか?」

「連なる神の導き。演武剣」


 激しい音楽へと切り替わり、押しては引かれの剣技を見せる。

 これぞ舞踏の極。俺は完全に引き立て役だが、イネービュの美しさは実に恐ろしい。

 見る者すべてを魅了し、かなり長い時間舞踏を重ねた。


「第一幕は終わり。説明が楽で助かる。第二幕は空中も交えよう。飛べるものだけおいでヨ」

「そうか。セーレ。お前を出してやらないとな」

「ヒヒン! ちょっと気乗りしないなぁ。イネービュの前なんでしょ」

「っていってもほら、みんなにお前を紹介しないと」

「ヒヒン!」


 空中をペガサスが舞う。これだけで実に美しい。それに続いてレウスさんの骨が舞う。

 一瞬で奇妙な光景に早変わりした。

 それに続いてリルとサラ、カノンも続く。みんな飛べていいな……。


「さ、地上では舞踏を続けるよ。ルイン、君ともっと踊りたい。話をしながら」

「そうだな。多くの事を語ってもらいたい」

「そのために、頑張っていい舞踏をしてね。君ならきっとできる」

「それも神が喜ぶ努力の範疇なんだな」


 俺は必死に踊った。そして語り掛けた。世界の事、転生の事、星の事、そして災厄となる神の事。

 ブレディーの事、今後の未来の事、ティソーナやコラーダの事。他の神話級アイテムの事。そして……

未だ見た事が無い紫電級の事も。

 沢山踊ったと思う。時を忘れて。

 多くを語ってくれたイネービュ。そして俺は感じてしまった。神とは明らかに人と違う存在である事を。

 いつしか俺は涙を流しながら、踊っていた。

 多くを聞いてしまい、感情があふれていた。

 

「人が人の形にこだわる事もまた、神にとっては不思議なことだ。

そして悲しみに溢れ涙を流すのもまた人。さぁルインよ。

ここにいる全ての神の遣いと舞い踊りなさい。それもまた君の成長へと、つながるはずだから」


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