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異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー  作者: 紫電のチュウニー
第二章 神と人

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間話 イビンの街中巡回

 僕はイビン。いまや立派なルーンの町の兵士だよ。

 今日も帰ってこないルインの代わりに街中を巡回中なんだ。


「あれ? エッジマール王子? こんな所でなにを……?」

「やあイビン君じゃないかねぇ。ちょっとニンファ王女を探しにねぇ」

「そーいえばずーっと探してるけど、王子様、円陣の都の方はいいの?」

「ぎくっ、いやー、連絡がまだつかなくてねぇ……いや、君は元あちらの兵士だったねぇ……ならいか。

こちらは影のほうだ。わからないだろう?」

「影? 影武者ってこと? どう見ても王子様そのものだけど」

「そりゃそうだよねぇ。影ってそうじゃないと意味ないよねぇ」

「喋り方もそのまんま!?」

「影は全部で三人いるからねぇ。ところで……エッジマール様が消息を絶って随分となる。

最後のご命令通り私はニンファ王女を探していてねぇ……」

「王女様は妖魔国方面にいるから、王子ならともかく影さんの方なら会いに行けないと思うよ?」

「エッジマール様は一度その場所へは?」

「連れていってないかなぁ? それに行ってもペシュメルガ城ってとこにいるから、会えないよ」

「居場所までわかってるなら問題ないねぇ。ありがとう兵士君」


 ささーっといなくなるジオ。イビンは小首をかしげて考える。

 まるで区別つけられるような場所が見当たらなかったことに。


「やっぱ王子様ともなると、色々大変なんだなぁ……さて、続き続き。リル君たちのとこにいこう!」


 ルーンの安息所に歩いていくイビン。現在は町の東側にある商業エリア。お店が賑わい繁盛している。

 特に洋服の発注が大量にあったので、ルーンの町地底増設された闇の住人エリアも手伝っているようだ。

 町に入れなかったジャンカ村にも地下に住むエリアが増設されて、多くの者が生活している。

 

「食料を確保するのが大変だから、そこもルインに報告しないとなぁ。早く帰ってこないかなぁ」

「おやイビン。どこにいくんだい? ちょいと頼まれごとをしてくれないかい?」

「マァヤお婆ちゃん。巡回中だったけど、どうしたの?」

「この服飾品を、フォニーの許へ届けてくれんか?」

「うん……わぁ、綺麗だね。誰かの洋服に付けるの?」

「イビンは聞いておらんのか? わしの耳には何でも、結婚衣装が大量にいるという話を聞いたぞ。

踊れる結婚衣装なんだとか。それでフォニーから発注依頼があって、みな総出で作っておる。

なにせ領主たちの結婚式。町を挙げての祝いになるじゃろうて」

「ええ!? 総領主って、ルインとメルザの? うひゃー、そんな重要な話、僕聞いてないよ! 急いで

みんなに知らせて回らないと! これ、持って行くね!」

「あ、おい……行ってしもうた。相変わらずせっかちじゃのう。さて、別の分も作らねばな」


 それにしても全然聞いてなかったよ。どうしよう、突然すぎてお祝いも何も用意してないや! 

 コツコツ貯めたお金もあるし、何か用意しないと! そうだ、地下エリアに住むあの子に聞いてみようかな。

 それよりまずはフォニーさんのお店に行かないと。

 立派な看板が出来上がっている。フォニーの美男子妖魔追及店、ローゼワタシーノ。

 不思議な店名だなーと思ったけど、ちょっとかっこいいよね! 


「フォニーさん、お届け物です。マァヤお婆ちゃんからだよ……ひぃ!?」

「どいて! それはこっちに置いて……あぁ、もう! 仕入れが間に合ってないじゃない。

どーすんのよ、これ! お父さん?」

「んなこといったってなぁ。最近じゃ妖魔国も糸不足でよ。そう簡単に仕入れられねぇんだ」

「そこを何とかするのがフォモルコデックスでしょう? だからいつまでたっても売り上げが伸びないんじゃない!」

「って言われてもなぁ。俺たちゃフェルドナージュ様がいないとよ……」

「シャキッとしなさい! シャキッと!」

「こ、怖いよぉ……」

「あらイビン君じゃない。どうしたの? 今ちょっと忙しいんだけど……あら、出来たのね! さすが

マァヤさんだわ! ほら、お父さんも見習って、動いた動いた!」

「はぁ。我が娘ながら父使いが荒いぜ。それじゃ、ちっと仕入れに行ってくるか。マッハ村まで」

「ああ、フォモルさん! もしマッハ村に向かうなら、ソンさんに結婚式があるからフェルス皇国に来れないか聞いてもらえませんか!?」

「おう? いってぇ誰のだい?」

「ルインのです!」

『えぇー!』

「こ、これルインさんの結婚衣装だったの!? 舞踏用のって聞いたのに……ということはこっちの女性服も

全員分頼んでたの、結婚衣装用だったのか……舞踏結婚式? 相手は女性全員か……急いで補正しないと! お父さん! こうしちゃいられないわね!」

「ああ! あいつのためだったら地の果てまで仕入れに行ってくらぁ! 特注品を仕入れてくるぜ! それじゃな!」

「え? あの、うん。僕もこれ渡したらみなに知らせてくるよ! リルさんたちのとこも、急いでいかないと!」

「ああ、こっちがこうでここが……うふふ、ベルローゼ様の洋服も……はぁ、お会いしたいわぁ」


 こうしてイビンは町中を駆け回り、最後にようやくルーンの安息所にいるであろう、リルたちの

許へ向かったのであった。


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