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異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー  作者: 紫電のチュウニー
第二章 神と人

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第二百九十六話 海底神殿地下

 ブレディーと二人歩いて、ヘリオトロープの壁際まできた。

 パリーンと砕けたはずだがどうやって戻ったのか。或いは

砕けたように見えただけで実際は砕けていないのか見当もつかない。


「ツイン、ここ、座って」

「ここで? こうか?」

「違う。あぐらを」

「? あ、ああ。こうだな」

「よいしょ」

「あのー」

「落ち着く。頭撫でて」

「はいはい……俺たち、ティソーナ取りにいくんだよな」

「うん。頭だけ撫でてて。これから下、行く」

「はい? 下って四層に行くってことか?」

「違う。海底神殿、地下」

「そーいや何度か落下したような」

「それ、違う。試練の間。こっち、封印の間」

「俺にはもはや理解できないが、違う領域みたいなもんか……」


 黙ってブレディーの言う通りにすることにした。

 俺に出来る事は試練を乗り切る覚悟と気合だ! と根性論でどうにかここまで乗り切ってきたが……。

 目の力もなるべく使うなと言われ、神魔化するとぶっ倒れ、妖真化すると凶器に襲われ……あれ? 

 大丈夫か、俺? ……いやいや俺には頼れる相棒ブレディーがいるじゃないか、うん。


「ブレディー、手助けできない。頑張って。ブレディー、応援。癒し系。可愛い?」

「ぐはっ。心を読まれた! 癒し系って、どこで覚えたそんな言葉!」

「? よくわからないけど、地下、いくよ。いい?」

「あ、ああ。なる様になれだ! 頼む!」

「闇の賢者ブレディーの名において命ずる。

神界の秘宝守護せし力、解放。ブレディーゲート」

「わっ……」


 あぐらのままブレディーを乗せて下に落下する。地下っていうから階段でモ出ると思ったのが甘かった。


「あの、ブレディー? これこのまま落ちて平気なの? あぐらなんだけど」

「ブレディー、平気。ツイン、お尻、砕ける」

「おい! 尻が砕けるとは大事じゃないか!」

「ブレディー、平気。問題、ない」

「俺がまずいんだよ! やっぱりドエスちゃんじゃないか! よいしょっと」

「あ、お姫様だっこ。これいい。こっちがいい。試練中は、これで」

「戦えんわ! どんだけ突っ込ませるんだよ落下中に! 下がまだ見えない。どこまで落ちるんだ」

「もう少し。三十分。一時間? 半日?」

「ぬおーーー、落下しながら突っ込むのは移動牢ぶりだあーーーー! 少し速度落とさないと! 

赤海星……いや、ここはモンスター出せるのか?」

「出せる。多分。いける? もしかしたら?」

「飛んでくれよ! グリドラ!」


 緑色の巨大なドラゴンが下に現れ着地する。ドラゴンはその場で翼をバサバサと繰り返すだけで

何の行動もしなかった。


「おお、グリドラに乗るのは初めてだ。乗り辛い。なんでだ? 乗り物用じゃないからか?」

「この子。ツインの? 可愛くない。やり直し」

「おい、グリドラが傷つくだろ。顔怖いけど! トウマみたいに死んではいない竜種だぞ、一応」

「この子、ドラゴンにしては、小さい。子供?」

「さぁ……だいぶ前に封印したんだが、呼び出せるようになったのは三夜の町からなんだ。

他にもいくつか増えたけど、飛行種はホー君とこいつくらいか。あー、待てよ。馬がいたな。守護者の。

ヒヒーンしか言わないけど」

「ツイン。もしかしたら、話せるかも? 神魔なら」

「っ! そうか。やってみる価値はあるな! 今は無理だが」

「うん。どうするの? ここから」

「いや、ゆっくり高度下がってるっぽいぞ」

「本当。疲労? 疲れ? やる気ない?」

「何発ナイフを突き刺すんだブレディーは。早くジオに引き合わせよう。きっと喜ぶ」


 そう、ブレディーとジオのコンビは最高に違いない。お笑い劇場を作ろう。

 みんなきっと喜ぶぞ! 


「下が少し明るくなってきたな。この真っ暗な場所は何で出来てるんだ……」

「ブレディーの術。ブレディーそのもの。ブレディーで、できてる」

「……ブレディーって本当不思議だけど可愛いな」

「ブレディー、告白された。戻ったら、結婚」

「なんでそーなる!」


 ツッコミ疲れた俺は闇の景色を見ながら天を仰いだ。


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