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異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー  作者: 紫電のチュウニー
第三章 知令由学園 後編

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間話 偵察任務、幽閉の辿り

 リルがルインを探しに行く少し前のこと。

 美しいペシュメルガ城に見とれながら、カノンは謁見の間へ赴く。

 傍らにはサラとベルローゼもいた。


「サラよ。実力を上げたようじゃな。今回の任務に同行し、童の役に立ってみせよ」

「お任せくださいフェルドナージュ様。きっとお役に立ってみせます!」

「うむ。……其方はカノンであったな。ふむ、遊魔とは実に珍しい。任務をこなせば

サラ同様、何か褒美を考えておく」

「有り難うございます、フェルドナージュ様……すみません怖がってしまって」

「よい。メルザに比べれば可愛いものよ。してベルローゼよ。準備はよいな」

「はっ。これより直ちに幽閉の辿りへ参ります」

「うむ。行くがよい」

「二人とも、行くぞ」

『はい!』


 星黒影の流れ星に乗った三人は、以前ルインが通った幽閉の辿りという場所へ赴いた。


「ベルローゼさん。ここで何をする予定なんですか?」

「偵察任務だ。ただし貴様らは遠くから支援すればいい。身の安全は保障してやる。此処

に常苦のクルエダを見たという報告があった」

「何ですって? フェルス皇国領に侵入者!?」

「奴らは先の一戦後、消息を絶ち続けている。どこにいてもおかしくないが、こんな所に

いて何になるというのか」


 会話しながら先へ進むがそれらしき人物は見当たらない。

 そのまま死霊の館まで辿り着く。


「さて……中をくまなく探索するしかないか……」

「あの、ベルローゼさん。私の霊体は透過出来るので見てきましょうか? そこまで遠く

へは向かえないのですが……」

「……いいのか? 貴様は妖魔ではない。補助に徹してもらうつもりだった」

「構いません。少しでもリルさんたちのお役に立ちたくて」

「では頼むとしよう。サラは念のため周囲の警戒をしておけ」

「分かったわ」


 カノンはクインとニーナに分かれ、ニーナは建物の中へ入る。

 中はモンスターだらけでとても恐ろしい場所だが、霊体であるニーナには関係ない。

 しばらく進むと……道が入り組んでおり、進めそうにない。

 引き返そうと思った瞬間だった。


「ちっ 何だこのモンスターは。斬っても切れない」

「っ!」


 急いで引き返すニーナ。


「いました。攻撃されたけど平気です。一階の道が入り組んだ辺りです!」

「二人とも来い」


 位置を特定したベルローゼは星黒影の流れ星で移動。

 既にこちら側の動きに気付いていると判断して、遠距離から奇襲する体制。

 中には多くのモンスターがおり、乱戦になると予測した。


「サラ、貴様の封印した能力をフルに活かせ。カノン、隙が出来たら聞いていた通りの技

を。先手は俺が打つ。いくぞ!」


 サラとカノンがモンスターと対峙し、ベルローゼは一気に常苦のクルエダに迫る。


「お前は黒星!? こんな所まで追ってきたのか! 苦しめ、サファーボイス!」

「遅い、黒星の鎌」


 クルエダが技を繰り出す前に、黒星の鎌が両断した……しかし切断された箇所が再生し

始める。


「ふん、貴様が生きていたのはその能力のおかげか。カノン、いいぞ」

「はい! 出ん出らりゅうば、出て来るばってん。でん出られんけん、出て来んけん。来

ん来られんけん、来られられんけん。こーん来ん」

 

 クインとニーナが再生中のクルエダの周りをグルグル回り、出現した扉へと封印していく。


「こっちは任せて! バーストウイング!」


後方に多くのモンスターがおり、そちらをサラが攻撃している。

守護獣ストラスが見せた技を使用していた。かなりの広範囲に散らばった羽が盛大に爆裂する。

直接触れていないモンスターが吹き飛び、一部がサラへと吸い込まれていく。

 


「なんだこの技は!? 妖魔の技ではないな! くそ、今捕まるわけに……」

「終わりました! 封印成功です!」

「急ぎフェドラートの下へ行くぞ。奴の予測が当たったようだ。星黒影の流れ星」


 三人は捕縛したクルエダと共にフェルス皇国へ戻っていった。

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