表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー  作者: 紫電のチュウニー
第二章 知令由学園 前編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

227/1120

間話 見えない野望

 ベッツェンのとある場所にて。


「結局王は見つからぬか」

「ええ、忽然と姿を消したままですな」

「そうか……今一歩のところで」

「しかしライデン殿。このままでは……」

「わかっている。何れ奴らも気付くであろう」

「何か対策でも?」

「うむ。用意してあるわ」

「ほう……それはどういったもので?」

「誰にも話す気はない。ジムロ、貴様でもだ」

「左様ですか。それは残念ですな。それよりシーブルー大陸より先兵と物資が届いておりますゆ

え、確認しに行って参ります」

「ああ。ニンファの様子は?」

「王位継承としては十分な教育をしておりますが、まだまだ幼いかと」

「実権はジムロが握ればよい。私は王位に興味などない。力こそ全てだ」

「実に惜しいですな。ティソーナとコラーダ。あれさえあればライデン殿も屈指の強さを得られた

でしょうに」

「……どうかな。装備に頼っていては真の力は得られまい。これよりドラディニア大陸へ赴き再度

修練を積んでくる。後は任せた」


 ――黒鎧の男が去ると、胸を撫でおろす大臣ジムロ。


「ふぅ。ようやく行ったか。強さに固執するあまり状況が見えてない男だ。哀れなものだな」

「ジムロ様よう、あんな奴消しちまえばいいんじゃねえのか?」

「そうもいかん。あれでも神話級を二つも持つ男。その辺の猛者が束になってもそうは倒せまい。

それがゆえにイーファ王をここから逃がす算段を立てたのだ」

「へーえ、あのじじい、そんなに強いのか。そうは見えねえがな」

「それより貴様、ちゃんと王は見張ってあるのだろうな」

「ああ。イプシオの野郎が円陣に向かいがてら様子を見る予定だぜ。そもそもあんな場所嗅ぎつけら

れるわけねえだろ。絶壁の中な上、罠だらけ。知らずに入れば呪いでお陀仏だぜ」

「抜かりは無いようだな」

「あるわけねえよ。大陸一つ手に入れる交渉材料だぜ。ぬかるわけねえだろ」

「全く貴様は言葉遣いが悪い。ふん、まぁいい。引き続きぬかるなよ」

「ああ、悪いな。敬語なんざ覚えたことがなくてよお。何せ俺の故郷はここトリノポートみてぇに綺麗

なとこじゃねえ。何匹亜人をぶっ殺そうが喜ばれるだけだぜ。ここが手に入れば殺し放題だろ? 早く

そうしてもらいてえもんだ」

「血に飢えた狂犬が。好きにしろ」

「へっへっへ。あんたはそう言ってくれる悪だから好きだぜぇ」

「ああ、そういえばカッツェルの町に送り込んでいた手先がへまをしたみたいでな。こちらへ送り戻さ

れた。始末しておけ」

「おう、こいつぁ先の褒美かい。ありがてえ。行ってくる」


 殺し好きのクズが。まぁあれでも腕は立つ。

 今のところどうにかこの国が上手くいっているように見せかけられている。

 他国……特にシフティス大陸にはばれないようにことを運ばねばな。


 別系エルフ族さえ手に入ればこのジムロの野望も叶うというもの。

 今から楽しみでならん。

 後はうまくライデンを利用して始末すればよい。

 このゲンドールを手中に収めるのは私だ。くっくっく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ