表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー  作者: 紫電のチュウニー
第二章 知令由学園 前編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

212/1120

第百八十一話 主の心配性

「はぁ……はぁ……ふざけろよ。何匹いるんだよ」

「ルイン、無茶をしすぎだ。わらの言う通りここは逃げよ」

「ダメだ! もう少しで町だろ? ここで引き返すわけにはいかない。

常闇のカイナの追手もかかっているかもしれないんだ!」

「しかし、このままでは死ぬぞ」

「なんとかする! ドーグルは休んでろ!」


 次から次へと襲い来るホークフレイムやデスマンティス。

 もう二十匹は仕留めただろうか? 


「っ! 氷塊のツララ!」


 まずい、右腕を負傷した。そろそろスタミナが尽きる。

 リルもカノンもまだ寝たままだ……そうだ! 

 一か八か……「死んだふり」


 目の前でバラバラになる。だが……だめだ。

 死体は死体で食うつもりか。対人相手じゃないと効果がないか。

 ここは町に近い。妖術は迂闊に使えないし、トウマたちを表に出す事も出来ない。

 一旦引くしかないのか……と思った瞬間だった。


「氷臥斗!」

「燃斗!」

「やっときたか。雑魚は殲滅してやる。不甲斐ない弟子め」

「ルインー、会いたかったわー!」

「おいずるいぞサラ! 俺様たちが攻撃してる隙に!」

「みんな! なぜここに! まだ都まで距離があるのに」

「そりゃー俺様はルインの親分だからな! なんでもお見通しなのだ!」

「ルインが心配でわんわん泣いてせがんでせがんでずっと探してたのよねー」

「な! 別に俺様はそんな、泣いたけどせがんではいたけど!」

「あー、はいはい。心配したのは私たち全員だから。そんなに照れないの」

「むぅー。ファナまで意地悪だな! でもやっと会えた! ルイーン!」


 メルザがホークフレイムを氷臥斗でなぎ倒しながらこちらへ飛び込んで来た。

 久しぶりの主を両手一杯で受け止めてやる。


「ありがとう、メルザ。皆も。お陰で助かったよ」

「リルはどうしたの? 封印の中?」

「お兄ちゃん、どじった? そもそも何であたしじゃなくてお兄ちゃんと

二人なのよ!」

「それなら私だって! こんな事ならずっと封印に入ってるんだったわ、もう!」

「なんか顔色悪いぞ? 何かあったのかルイン」

「詳しい事は後で話そう。まずは宿屋へ行きたいが、皆は無事宿を取れたのか?」

「ああ。ライラロ師匠のいう通りに行動してるぞ。そうしないと危ないって言われた」


 無事に宿を取れてるならよかった。しかしベルローゼさんまで迎えに来て

くれたとは。


「お前たち二人ならもっと早く来れると期待していたんだがな」

「すみません。確かに俺たち二人だけならもっと早く来れたんですが」

「……訳アリか。後ほど事情を確認しよう。特訓倍は許してやる」


 よかったー、ただでさえ殺人メニューなのにこれ以上増えたら

俺は死ぬ。


「皆はどうやってここまで?」

「フェドラートさんがルインの持ち物に位置がわかるマジックアイテムを

入れてたんだよ。気付かなかったのか?」

「なんだって? 全然気付かなかったわ……」

「絶壁を上り始めて変な進み方したからおかしいって。メルザったらずーっと

見てたのよ、それ」


 つまりあれか。幸福の絶壁をあらぬ位置から進み始めてそれで駆けつけて

くれたのか? しかも登るって、あんな絶壁登れるわけないだろ! 

 人間だぞ! ……違った妖魔だぞ! 


「あー、なんか安心したら腹が減った……飯すら全然食ってないんだった」

「ほら、これ食えよ! 食わせてやる」

「ムグッ こんなでかいの食えるか!」

「だいじょぶだ。幻魔の宝玉じゃなくてちゃんとした食い物だぞ!」


 でかい果物をまるごと口に入れようとする。

 出会って数分で窒息死させるつもりか! 

 果物を奪って半分に割って食べると、甘くて美味しい。

 残りはメルザに食べやすいサイズにして口に放り込んでおいた。

 にっこり笑うメルザに少し見とれてしまう。

 食ってる時が一番幸せそうだ。


「さぁ、円陣の都へ向かおう。あれ? そういえば皆どうやって来たんだ?」

「星黒影の流れ星だ。明るくなる前に行くぞ。もちろん見つからないようにだ」


 なんだかんだで皆を運んでくれる先生はツンデレです。

 ファナとサラを封印に入れ、俺たちは先生の星黒影の流れ星に乗り、円陣

の都へ向かっていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ