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異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー  作者: 紫電のチュウニー
第二章 知令由学園 前編

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第百七十六話 ドーグルの話 道は何処に

「して、ちみはここに何しに来たのかね? わらを殺しに来たんじゃないのかね?」

「わら? ちみ? もう少しちゃんと喋れないのか?」

「わらはわら、ちみはちみの事だ」


 そういう事じゃないんだが……まぁいいか。


「俺はルイン。下で人間に襲われてどうにか助かったけど、正規の道で襲われた

らやばいから、裏道を探しに来たんだ」

「ほう。さっきの争いの火種はちみか。わらは遠くで見ていた。凄い災害

だった」

「何があったか知っているのか? えーと土偶!」

「わらは土偶などという名前ではない。ドーグルだ」

「え? どうぐーう?」

「ドーグルだ」

「ああ……」


 どっちも似たようなものだと突っ込むのは止めよう。


「それで……わらがみたのは隕石のようなものだ。ここからでは大して見えぬ

が青い隕石が赤色に包まれていた気がするぞ」


 隕石? 黒星でも見たっていうのか? 先生が助けてくれた可能性もあ

るって事か。

 その場にいないのは特訓中だから……とか。



「それで、ドーグルはここで何してるんだ? もしかして円陣の都への違う

行き方とか知ってる?」

「わらの住む場所が人間に滅ぼされて無くなった。ここでひっそりと

生活してる。人間は嫌いだ。わらはここで一人だ。ちみは人間じゃないと

いうが証拠は見せれるのか?」

「そういえば、俺って妖魔だけど見た目は人間と変わらないんだよな。妖魔

はわかるか?」

「地底に住まう者。真たる力を秘め、多種のモンスターを内蔵し力とする種族。

人間などより遥かに高等な種族。このわらよりも」

「俺より詳しいな……もしかしてドーグルは博学なのか?」

「当然だ。わらは長く生きている。若僧のちみより詳しい」


 長く生きてるか……色々聞いてみたいがまず俺が人間じゃない証明を

しよう。


「三号、三号!」


 ぷるぷるとスライム三号が出る。久しぶりに外に出したな。


「ふーむ。それは獣魔と違うのか?」

「そうか。これだとただモンスター呼んだだけだしな。消化液! これで

どうだ?」

「それはお主の技か?」

「いや、モンスターの技なんだけどな。どうすりゃいいんだ?」

「妖魔なら真化出来るであろう。わらの記憶にはそうある」

「フェドラートさんたちがやってたあれか。よくわからないな。先生に聞いて

もまだ早いから死ぬと言われたし、リルも使えないみたいだし」

「ならば妖術を見せよ。それで少しはわらも信じる」


 その手があった。わかりやすい方でいこう。


「妖陽炎!」


 むにゅーっと横に伸びる俺。


「はっはっはっはっは! 面白い。わかった。害があるようには見えぬ。

わらは信じるとしよう。今のは傑作だったぞ」


 ……そんなに笑わなくてもいいだろう。

 リルとサラにも滅茶苦茶笑われたけどさ。

 懐かしいな。


「ドーグル。さっきの話の続きだが、円陣へ行くための道を知ってるか?」

「知っている。だが一つ頼みがある。わらはもうここから動けぬ。ちみが

妖魔なら封印できるのだろう? わらは消滅しても構わぬ。ここで隠れ暮ら

すのも疲れた。わらを使ってくれんか。人間に一矢報いるまで消さぬ条件でだ」

「え? 封印出来るのか? 俺に封印されても消滅しないし自由に出し入れ

出来るよ?」

「噓をつくな。妖魔封印は出し入れなど出来ぬ。わらはそう記憶しているが」

「ほら」


 俺は三号を何度か出し入れして見せる。ごめんよ三号。


「それはお主の獣魔ではないのか? 

「違うって。ほら」


 今度は妖魔ラビットを出し入れする。そういえば出すの初めてだ。


「……驚いた。妖魔とはかくも優れた者なのか。わらはちみの一部となろう。

道も案内する。ちみの中であれば話が出来るのか?」

「ああ。出来るはずだ。俺の意志みたいなのが流れ込む感覚があるらしい」

「わかった。頼む」


 こうして俺は喋る土偶、ドーグルを封印した。

 封印する仲間がかなり増えた。

 領域に置いていったレウスさんを合わせれば、ファナ、リル、サラ、カノン、ドーグ

ルで六名。

 戻ったら封印穴を増やす方法を模索しないとな。


「それじゃ改めて、案内頼むぜドーグル!」

「ああ。わらに任せよ。まずはわらのいた穴に入り、持ち物を持って行け」

「いいのか?」

「ああ、もうわらには必要ない」


 中は暗いが手探りでいくつかの貴金属類と拳にはめる武器があった。

 格闘武器は助かる。

 アナライズは試したが、メルザとの距離が離れてるので出来なかった。

 あるだけでもマシだ。

 大切に使わせてもらうとして、今は先を急ごう。


「ここからどう行けばいい?」

「ここまで飛べたのなら、ちみは他の場所に移れるだろう? ここより西に

見える穴へ入れ。そこは明かりがある」

「わかった。それと俺はルインだ。ちみはやめてくれ、わらはいいから!」


 俺は穴を出て西側にある崖部分へ跳躍してドーグルに教わった穴へと入った。

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