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第百五十七話 ウルエス幻魔神殿

「ここがウルエス幻魔神殿だよ。僕らが引き受けた町の仕事は殆どこの場所での

用事だったんだ」


 リルに案内されて、幻魔神殿に辿り着いた。

 受付まで案内してもらう。


「ようこそ幻魔神殿へ。御用命は何でしょう?」

「適性のあるジョブへのコンバートがしたいんですが、条件を満たしているか

確認したいのです。ジョブはソードアイ」

「では、こちらに手を翳してください……おや、少々目が不自由な方でしょうか。

こちらです……特殊ジョブ、ソードアイへのジョブコンバート可能です。驚きました。

適性者の特殊ジョブコンバートは無料で行えます」


 特殊ジョブ……それもそうか。そんなジョブ聞いた事は無い。

 舞踏剣士では格闘を持っていない今の俺には戦い辛い。

 目が塞がれた剣使いってのがソードアイの条件か? 


「ではジョブコンバートをお願いします」


 俺は祭壇へと案内された。


「金の幻、銀の幻 祈りを持ってかのものの真髄を呼び覚まさん。持つべき力を幻の形に」


 儀式を終え、ゆっくり目を開けると、先ほど見えなかったのが噓のようにハッキリした。

 視野が広くて気持ち悪い。多少後方まで見える。


「なんと、お目が不自由だった方が」

「いえ、少し怪我をしていただけです。ありがとうございました」


 幻魔神殿にあまりいい思い出が無い俺は、話を色々聞いた後、一言礼を

告げて、二人を伴いさっさと幻魔神殿を後にした。


「リル、フェドラートさん。付き合ってくれて有難う。二人はジョブ適性とか

調べたのかい?」

「いや、僕ら妖魔だよ。地上に住む妖魔はいないからあまり大きな声では

言えないけど」

「妖魔にジョブなんてありませんよ。そもそもあなたが半幻半妖という異常な状態

だから出来る芸当でしょう」

「妖魔神殿とか建てたくなっちゃうよね。あれで強くなれるなら羨ましい」


 言われてみればそうだな。ジョブカードがあれば適性が無くてもそのジョブになれる。

 つまり勇者や魔王にだってジョブカードがあればなれるってことだ。

 そんなカード見たことはないが、シーブルー大陸の幻魔神殿に行けば

その手のカードも可能性としてはあるってことだよな。


「僕とフェドラートが調べた感じでは、幻魔神殿てのはかなり高位の神が造った物だね。

君が儀式してる間に僕は周りをグルっと調べたけど、この建物にも地下がある」

「そうなのか。三夜の町にもあった。ガーランドのアジトだけど中はデイスペルの

幻魔神殿地下とは大分違ったな」

「ここで働く者たちは、知らないでしょうね。ただの町人のようですし、受付の

男性も普通の人間です」


 念のためリルとフェドラートさんに闘技大会での出来事を考え警戒するようお願いしていた。

 杞憂で済んだのならそれでいい。


「でも、ついて来てよかったなー。あれがジョブコンバート。超越した神の力はすごいね」

「ええ、この項目も古代樹の図書館で調べませんと。辿り着くのが楽しみです」


 ……超越した神の力か。俺には少し恐ろしく感じるな。

 圧倒的な力の前では、まだまだ無力に等しい。

 だが、徐々に力はついている。


「二人とも、もう少し付き合ってもらえないか? このソードアイって

ジョブ、かなり特殊っぽいんだ」

「ええ。勿論構いません。あなたと武で対峙するのは初めてですね」

「いいのかい? 僕、凄く弱くなってるから早く状態を戻したくて」


 フェドラートさんには付き合わせる形になって申し訳ないな。

 俺たちは町の外を出て少し先の砂浜に足を踏み入れる。

 周囲には誰もいない事を確認した。

 正面にリルとフェドラートさんが立つ。

 さて……ソードアイの力。一体どう変わったかな。

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