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異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー  作者: 紫電のチュウニー
第二部 主と働く道 第一章 地上の妖魔

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第百四十二話 ルインの装備 ニーメとアルカーン

 ――一度食事をとるためルーンの安息所へと赴いた。


「遅かったな。貴様のアップルパイはもう無いぞ」

「ああ、お構いなく。そろそろ洞窟に行って違う果物の種とかも探したいんですけど

ね……オレンジだとパイにするにはあまり向きませんし。ジャム位にしか」


 ベルローゼさんはなんと! かなりの甘党。

 シーザー師匠も甘いのが好きだから、そこも馬が合う。


「新しい果物か。それは興味深いな。それがあれば新しい

料理をするのだろう? 料理の腕は一人前であることを認めているのだがな」


 そっちの能力は習ってないよ! そういえばメルザも最近料理を

頑張ってるな。ルーンの安息所は広いし、料理もやりやすい。


 何をするにも環境ってのは大事だよね。

 俺は軽く食事を済ませる。もう昼を大きく回っている。

 この後はニーメに会いに鍛冶場へ行き、お願いしていた装備を

受け取りに行く予定。


 最近は鍛冶の猛特訓に励み、アルカーンさんが泊まり込みで何かしている。

 ニーメはまだ少年なんだし無理はよくないと思っているので少し注意してあげないと。


 ――ルーンの安息所を出たところでパモに会った。相変わらず可愛い。


「パモ、今からニーメのところに行くけど一緒に行くか?」

「ぱみゅー! ぱみゅ!」


 どうやらついてくるようだ。可愛い奴め。

 うちのマスコット達が可愛すぎて可愛死にしてしまいそうだ。


 パモを持ち上げて白い綿菓子ふわふわを堪能しながらルーンの安息所近くに

作られた、鍛冶工房へ赴く。


「実にいい。この装飾部分がなんとも……うむ、いいぞ」

「おーい二人とも。もう食事休憩したらどうだ? アルカーンさん夢中に

なりすぎですよ」

「バカを言うな。実にいいところなのだ。貴様が献上した懐中時計なるあの時計のせいだぞ。

アレを入手してからというもの、製作意欲も調整意欲も止まらないのだ。ああ、早く素晴ら

しいアーティファクト懐中時計を作りフェルドナージュ様に献上せねば……」

「いや、食事しないと死んじゃいますから。ほらニーメ。手を洗っておいで。パン持って

きたから」

「うん、わかった! アル先生。僕ちょっと手洗ってくるね!」

「よかろう。それで貴様は何しにきたのだ」

「以前頼んだ装備の件ですよ」


 アルカーンさんはニーメの真剣な鍛冶への取り組み姿勢を気に入り、念入りに

教えている。立派な時計職人を目指す者としてだが。


 ニーメもシーザー師匠に手ほどきを受けたが、あちらは本来戦闘が得意分野。

 それでも鍛冶までこなすんだから凄すぎる。


「その生物を差し出してから装備を受け取りに来るとは殊勝な心掛けだ。いい収納

アーティファクトが完成しそうだな」

「何言ってるんですか! この子はダメです! あげません!」

「ぱ、ぱみゅ……」


 怯えて逃げてしまうパモ。まったく! これだから奇人は。


「なんだ違うのか。貴様が言っていたバルカンソードとやらの形替えは済んでいる。

元々が大したものでは無いので付与されている効果などは弱いぞ」

「ええ、ファナ用のものですから。火が放てるナイフであれば十分です」

「しかしその指輪。随分と身に余る物を頂いたものだな。青銀蛇リング。実に美しい」

「そうですね。使用してみてびっくりしました。街中で使えば大騒ぎですよ」

「その美しさがわからない者たちなど、騒がせておけばよい」


 こんなの街中で使ったら捕まるって! まぁ指輪の事はさておき……ニーメが

戻ってきたのでパンを渡す。


「ありがとうお兄ちゃん! 僕が頼まれてた物はそこに置いといたよ!」


 実にいい笑顔をするニーメの頭をわしゃわしゃと撫でてやる。

 俺が頼んだのは中妖一装備具足……ではなく赤銀具足。

 妖魔鉄鉱とフェルス霊銀、それからニーメが洞窟で拾ってきた浮遊する

謎の石を使用している。


 加工はパルス金槌では出来なかったらしく、アルカーンの物を借りていたらしい。

 いい金槌を手に入れてあげないとだな。

 ネックなところは蛇佩楯で飛翔すると、足をくじいたり骨折する事だった。

 これを装備すればかなりの高さから着地しても無事……なはずだ。封印穴はない。

 履いてみると、以前の疾風の靴並みに軽い! 実に動きやすくていい。

 中距離からもかなり攻撃がしやすいだろう。

 現状の装備を確認してみる。


 左腕のアドレスから引き抜いた右手のプログレスウェポン(封印穴全部で八)

 右腕の中妖一籠手(封印穴一)

 頭 アイドスキュエネイのヘッドバンド

 胴 中妖一軽鎧(封印穴一)

 腰 中妖一腰当て(封印穴一)

 脚 青銀蛇佩楯(封印穴三)

 足 ニーメの赤銀具足

 装飾品 青銀蛇リング


 装備できる封印穴は全部で十四。


 そのうちファナ、リル、サラ、レウスさん用に四か所は開けておく必要が

あるので、十枚のアクリル板モンスターは自由に付け替え出来る。


 剣展開できる腕輪はフォモルコデックスの店主に返した。

 とても便利だったが、受け取った時にあまり渡してはいけない物のようだった

ので、返却したらとても喜んでいた。

 赤星を習得し始めた以上、アレに頼るわけにはいかないしな。

 リルとサラを無事に取り戻せた礼を言い、ついでにリルとサラの支給装備も

上妖、中妖用に頂いておいた。

 これ以外に、格闘武器が欲しいところ。指を使わずにつける手甲にはめるタイプ

の物が欲しいが、すでにニーメに頼み事をしすぎている。 

 これ以上は気が引けるので、ニーメにお返しをしてからだろうな。

 ひとまずは現状の装備と、フェルドナージュ様から頂いたリングで戦っていこう。

 しばらく鍛冶屋で考えているとメルザがこちらへ近づいて来るのが見えた。

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