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百二十三話 フェドラートのアイテム講座

 フェドラートは咳ばらいをしてアイテムの説明を始める。


「まず地上世界のことから話しましょう。私は妖魔ですから全てを把握しているわけでは

ありません。ですが私の知る限りノーマル、セミマジック、マジック、セミユニーク、ユニ

ーク、モアユニーク、レジェンダリー、そしてアーティファクト。この八種類もの

アイテムに分類されるのはご存知でしょうか」

「はい、全て見たことがあります」

「そうですか。更にこれらに分類されるものには、より深い分類があります。特にその

中でもアーティファクトは広く分類されます。ノーマルクラス、幻想クラス、夢幻ク

ラス、そして神話級クラス。更に選ばれた者だけが持つという紫電クラスです。

神話級と紫電級以外はアーティファクト以外にも適用されますが、見極めるのは困難です。

ちなみに紫電クラスのアーティファクトに関しては、ほとんど確認された物が存在しておりません」

「神の空間とアイドスキュエネイ、冷気凝縮キューブは何クラスでしょうか?」

「主に使用制限が強いものは全てノーマルクラスですね。

それらのアイテムは全てノーマルクラスです。幻想クラス以上は持ち主や使用頻度により

効果が変わる物がほとんどです」


 あえてパモの呪いの腕輪については聞かなかった。

 あれはかなりのものな気がした。


「話を戻しますね。アーティファクト以外にもクラスはあると説明しましたが、最終的に

アーティファクト装備で落ち着く理由があります。何故だかかわかりますか?」

「アーティファクトが破壊されない装備、だからですね?」

「その通りです。実力がつけばつく程、装備者の破壊力により

武器も防具も破壊しやすい。誰もがアーティファクトを望むのはその圧倒的な耐久の違いです。

伝説的な強さを誇るレジェンダリー装備といえど、通常クラスのアーティファクト装備

とは耐久面で劣ります。しかし性能は段違いでレジェンダリーの方が上の場合もあります。

用は使い方と使い道次第でしょう」


 確かにその通りだ。

 いくらアーティファクトを装備しても、相手が屈強な

モアユニークやレジェンダリーを装備していれば壊れないという

アドバンテージだけで勝てるわけがない。


「有難うございます。アイテムやアーティファクトに関しては理解しました。

妖魔の武具などについてもお聞きしていいでしょうか?」

「はい。妖魔の武器も防具もアーティファクトです。ただ殆どの装備が使用制限など

があり、ノーマルクラスです。ただ、この世界には

プログレスウェポンという非常に珍しい幻想クラス以上の武器があります。

この武器は、始めこそ弱いものの、ある成長過程を得て徐々に強くなっていきます。

しかもアーティファクトなので壊れない。これがどういう意味かわかりますね?」

「壊れない上に成長し続ける……育て方によってはとてつもない力を発揮する武器ですか。

育成はどのように?」

「妖魔の武具に封印したモンスターは、使い込むと持ち主の意思で解き放ち、消滅

させることができます。ご存知でしょうか?」

「いえ、初めてしりました。私のモンスターは取り外し可能なので」

「なんですって? ……本当に外せていますね。これは面白いですが今はお話を続けます」

「すみません。話の腰を折ってしまって」


 ぺこりと謝る。やっぱり非常識か、これ。


「ちょっと驚いただけです……本来は別のモンスターを上書き

できるので、通常の妖魔装備であれば、外して消滅させる意味はあまりないのですが……プログ

レスウェポンの場合、指定されたモンスターを封印して使い込み、消滅させると……」

「そのモンスターの力が永久に宿る……ですか?」

「実に察しがいい。まさにその通りです。しかもどのモンスターを

封印して戦わねばならないかは、プログレスウェポン次第です」

「つまりいきなりとてつもないモンスターを要求されたりもするんですね……」

「ええ、そうなりますね。しかし今あなたの見たソレを見る限り……

あなたは早くプログレスウェポンを手に入れた方がいい」


 確かに今の条件で付け替え可能なら、そのモンスターが来ても

自由につけかえて好きな時に成長させられるな。


「それで、プログレスウェポンはどこにあるのでしょう?」

「先ほど話していた彼なら、幻想クラスのプログレスウェポンであれば作れるはずです」

「アーティファクトを作る? そんなことが可能な者がいるんですか?」

「ええ、厳しい条件はあるでしょうし、協力を得られるかは難しいですが

作れます。ある空間にいるのでお会いになってきてください。私が道を開きます」


 フェドラートさんはその場で空間を歪めた。

 妖魔ってのは本当にどいつもこいつも非常識な技ばかり使うな……俺が言うのもあれか。

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