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間話 泉への願い事

 俺とメルザはベッツェンに着いていた。だが、ここには滞在しない。

 食料はパモが持っているしな。

 そのまま町を抜けて、トラウマであるガルドラ山脈へ。


 道は悪いがメルザの運転はなかなかで、うまく進んでいるようだ。

 誰かさんとは大違いだな。


「なぁルイン。ここなら誰にも聞こえないし、どこでどうしてたか説明してくれよ」

「ああわかった。だが長くなるし、信じられないような話だぞ?」

「信じる! ルインが俺様に噓ついたりしねーしよ」

「ああ、そうだな。じゃあまずは……」


 事の経緯を話していく。

 リルカーンとアルカーンという兄弟に助けられたこと。

 妹のサラカーンとリルカーンに導かれて、妖魔の皇女と面会したこと。

 俺が妖魔だったこと。そしておそらくメルザが幻魔であること。

 俺の領域をもらったこと。領域をつなげること。

 そして無理を承知でお願いして、ここまで来れたこと。

 後でいろいろな人にお返しをしないといけないことなどだ。

 そして帰ってきた方法も。


「え? そのレウスって骨おっさんもいるのか?」

「いるけど地上で出ると多分召されるんじゃないかな。試してないからわからない

けど」

「へー、おもしれーな。そいつ。領域に行ったら会わせてくれよ!」

「ああ、そうだな。俺の能力とかいろいろ説明しないとだもんな」


 気付くと俺たちは山脈を超えていた。

 三夜の町が見えるが、そっちは通過した。

 とにかく急いで帰りたかった。あの領域へ。


 ジャンカの森の泉まで着いた俺は、誓いを立てるため決意する。

 あの頃が酷く懐かしい。


「やっと着いたな、ここへ」

「ああ、やっと帰ってこれた。ルインを連れて」

「メルザ……いいか?」


 メルザを抱き締めて泉に飛び込み、泉の中でキスをした。

 ずっとこうしていられるように、願いを込めて。

 もう悲しい思いはさせたくない。お前がずっと、元気に笑っていられるように。

 そのために俺は、もっと強くなると、思いを込めて。



この後から、第六章開始予定です。

よろしくお願いいたします。

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