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間話 ガーランドの者たち

 ルインが地底から地上に戻る前の話。 

 レジンの快鉄屋で、ベルディスを待つライラロがいた。


「もー、ベルディスったらなんなのよ本当にもー。

そんなにじらすのが好きなの? 焦がし尽くすつもりなのかしら? ベルディスった

ら。そうだわ! あの白いドレスを着て待っていましょう! そしたらそのまま

……きゃー」

「おーいライラロ。いるかー。あれ、お前何やってるんだ?」

「……なぁんだハーヴァルじゃない。あんたこっち来てたの?」

「ライデンからの指令だよ。デイスペルの調査と

不審な奴を見たっていう情報があってな。常闇のカイナの幹部かもっていうんで

全員来いとさ」

「はーあ? なんで私が行かなきゃいけないのよ。いやよ。いーや。このあと

ベルディスと結婚式なの!」

「夢の旅行はいいが、ベルディスなら先に行っちまったぞ」

「行く! 行くわよ! 行けばいいんでしょ! もう!」


 

 そう言うと、彼女は外に出た。


「あら狂犬、久しぶりね」

「けっ。追っかけ犬が。だれが狂犬だコラ、ああ!?」

「いいものあげるわよ、ほら」


 そう言ってお菓子を放り込む。


「てめ、何食わせやがった、ころやろぉ……」

「じゃあねー、私先行くから」


 そういうとライラロはどこかへ行ってしまった。


「あれ、ライラロはどうした? セフィア」

「えー? らんれすかー? られれすかー?」

「げっ。なんでこんなとこで酔っぱらってんだよお前は。まったく……これ

からデイスペルへ行くって時に、はぁ……」

「今、ため息をつきらしたね? どーせあらしは、おいてけば

いいんれすよーだ」

「だめだこりゃ。背負っていくか。仕方ないな」


 ハーヴァルは苦労人である。これだけ個性溢れるメンバーの間をどうにか

とりつくろえるのは彼の器量のお陰だろう。


 ハーヴァルは彼専用の飛翔船に乗りこみ、デイスペルへと

向かった。

 全員をデイスペルに集めたライデンは、重要なことを伝える。


「しばらく沈静化していた常闇のカイナの動きが活発化してきた。

幹部の中では下っ端だが、暗鬼を見たという情報が入っている。奴は姿を変え

形を変えるので、捕まえるチャンスは限られている。そのため君たち全員を呼んだ。

奴を探し出して捕獲。困難な場合は抹殺。以上だ」

「一ついいですかい? 大将」

「なんだね、ハーヴァル」

「その情報はどこから出てきたんですかい?」

「……ドラディニア大陸、ミディ騎士団長からだ」

「へぇ……なんでそんなとこから情報が出てくるんですかい?」

「たまたまこちらへ来る用事があり、見かけたそうだ。竜眼でな。彼も

ギルドーガの戦いで多くの死者をだしていたから常闇のカイナの情報を探って

いたようだ」

「なるほどねえ。情報源が確かならさっさと探しに行きましょう」

「頼む。私はここにいるから何かあれば報告を」


 そう言い残し、ライデンは建物の中に消えていった。

 全員別行動で探しているうちに、事件は起こったのだった。

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