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異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー  作者: 紫電のチュウニー
第四章 全ては我が主のために

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第九百八十三話 絶対なるもの同士の戦いその四 初手

大変遅くなりました……。

 ジャンカの泉は今や町の一部。

 作るのは時間が掛かるが、壊すのは一瞬だ。

 

「ベリアル!」

「言わなくても分かるぜぇ! ぶっ壊れろや!」


 ドラゴントウマの姿で壁に激しくぶつかると、泉めがけて突き進む。

 リルは一足先に泉の中へ飛び込む。

 俺は追ってきていた神兵ギルティが停止しないよう、ラーンの捕縛網を用意している。

 ……必要無いとは思うが。


「ラーンの捕縛網、モード、ドーグル」

『念動誘導、わらに任せろ』

「ちょっとぉー! ベルディスも連れてってよぉー!」

「最終決戦は水中戦かしら? それともルーン国?」

「しゃべってると舌噛むぜ! 選ばれたら幸福。暴れられる場所に行くんだろうよ!」

「フェネクス、戻れ!」


 泉に飛び込む寸前でフェネクスを封印に戻し、泉深く深くへ沈む。

 リルは緑眼のマーキングから俺の場所まで戻る。

 水の中がこんなに暗いわけがない。

 ――周囲の情景が変化し……全員で泉から浮上すると、とても広い洞窟の中だった。


 ……久しぶりに来たウガヤの洞窟。

 宝を求めて、欲として利用したこの洞窟。

 その代償は大きかった。

 今回もどんな代償があるか分からないが、ここなら存分に戦えそうだ。


「安息ノ地。ソコにあっダ……のネ。ガイオス……連レテ、ぎタ。もヴ、アナダ、ヴィラ、ヴィラ、ヴィラララ……ナイナイナイナイナイナイナイナイナイナイナイイイイイイイ!」


 泉から叫びつつ出てきた神兵ギルティは、壊れた玩具のようにつぶやくと、広い洞窟の奥へと着地した。

 捕縛網を解くと、奴はその場で静止して大きく姿を変え始めた。

 ……フェネクスが切り落としたシラのついた腕が腹部分に移動。

 シラの半身は既に神兵ギルティと接合され、右半分以外は溶け込むように接着されている。

 その半分が徐々に頭部へ移動していき、残酷な笑みを浮かべた。


「デュラサー、バルフート、来い!」

「うっ……少々気持ち悪く変化したのですわね。さぁ、ここで終わらせますわよ、ライラロさん!」

「仕方ないわね……バカ弟子。私の下へ来なさい。ルインは激しく動くわ。大丈夫、ちゃんと補助してあげましょう」

「で、でもよ」

「いいから! 早くしなさい!」


 ライラロさんを連れて来た理由のもう一つがこれだ。

 彼女はずっとメルザの支えになってくれていた。

 メルザを優しく包むような母のような存在だ。

 文句を言いながらもなんだかんだで苦しい時はいつも助けてくれる。


「二人は俺が守る! このベルギルガ様がな!」

「君、ベルータスの子供なんだってね。あとで詳しく聞かせて欲しいなぁ……今は僕も守りてに回るよ」

「頼んだぜ二人とも。フェネクス、ベリアル。上空から攻めろ。俺は、地上から行く!」

『足引っ張るなよ!』


 俺はティソーナとコラーダをどこまで使えるかが鍵か。


「封剣、剣戒。行くぞ……リーサルレデク、ルージュ!」


 コラーダがギリギリと紅色に染まり、神兵ギルティを突き抜ける。

 直ぐに流星で懐まで入り、背後へ回った。

 上空から炎とブレスがさく裂し、ベルベディシアがバルフートを操り東へ。

 ライラロさんとメルザが西へ展開していく。

 俺の攻撃が当たると同時にデュラサーが高く跳躍し、神兵ギルティの真上から剣を突き刺して攻撃する。

 さらに追随するように、ティソーナでの攻撃が加わると、神兵ギルティは飛散し粉々になる。

 後方に回った俺の更に後方へ粉々となった塊が集まり、ひとまとまりとなる。


「無駄ヨ。安息ノ地サエあれバ、あナた、タタタタタ、モモ、モモ、要らな、要ルルルルモモモルモット」

「おいルイン! やっぱり聞かないじゃねえか。どうすんだ!」

「攻撃を続けてくれ。ヤト。お前の分析頼みだが、メルザたちの攻撃と俺たちの攻撃を比較してくれ」

「え? う、うん。分かった……って最初から君たちおとりなの?」

「……そういうことだ。俺が倒そうと思っていたのが間違いだったんだ」


 俺たちの役割は神兵ギルティがメルザたちを攻撃させないようにすること。

 

「やっべえ、さっきまでとは全然違うぜ! 攻撃が来る!」

「死ンデ、引きズリ込むムムム!」


 バラバラに飛散した体はさらに成長しており、テラテラとした光が上から下に流れるようにおおうような体となった。

 左右合わせて六本の腕には自らの肉体を変化させたような武器がある。

 剣、鎖、巨大斧、杖、ムチ、槌のような武器だ。

 真っ先に動いたのは杖。その先端から光が走り、大爆風を無詠唱で起こしたかのような効果を発する。

 さらに巨大斧が水平で薙ぎ払うと、一直線に斬撃が扇状に飛び交う。


「時を操る力、タイムディレイト」


 アルカーンから授かった力。

 それは時を操る力。

 万能ではないが、一時的に周囲の行動を遅くする。

 

「闇の力。ダーク、サーヴァントレクイエム。薙ぎ払え、今こそ神の力を! アクアシンフォニー!」


 地中から悪魔型の影が現れ、巨大斧の斬撃を真っ二つに斬り裂く。

 大爆発を起こそうとする杖にコラーダを投げつけ、コラーダを四本に分裂させる。

 十王のうち四名を一瞬だけ招来し、爆発を封じ込めた。


「タイムディレイト・解」

「なっ、なんつー斬……あれ?」

「……! 今のはなんだ!? あれが主の力か」

「やるじゃない。ヒヤッとしたわ……本当に凄い力を手に入れたものね。さぁ、レヴィアタン、行くわよ」

「安心して背中を任せられるようですわね。こちらもいきますわよ! 絶対リベンジしてやりますわ! バルフートよ! いきますわよ!」


 全員準備は整ったようだ。ここで終わらせてやる。

 

「俺の死地はここじゃない。行くぞ、ギルティ……いや、シラ!」

ウガヤの洞窟、初手部分です。

サーヴァントとは召使いといった意味合いがあります。配下としてお考え下さい。

本来持っていたのはブレアリア・ディーンですが、ブレアリア・ディーンは登場時、主人公たちの能力に対して異質な強さ過ぎたのですね。それと管理者という立場を考えて、あんまり攻撃などはしていなかったのです。

攻撃転用すると……強すぎるのが管理者。

明日分も戦闘が続きます! 

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