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異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー  作者: 紫電のチュウニー
第四章 全ては我が主のために

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第九百七十五話 死神のカンターレ

 ギルティから距離を離し奴を見る。

 何一つ変わらぬその体。

 動いているのはほぼ分体のみ。


「シカトすんのもたいがいにしろよ……」

「もウ……無い、の」


 シラがまだブツブツ呟いている。

 この部分だけ領域でとじこめるか闇に引きずり込ませる手も考えたが、それも無駄だろう。

 そもそもこいつの目的は世界の破滅だと記憶にはある。

 今はゲンドールに向かう準備段階に過ぎないのだろう。


「お前らの逃げ道を完全にふさいでやる。十王招来、秦広・炎王、初江・山王、宋帝・文王、五官・賢王、閻魔・地王、変成・慈王、泰山・癒王、平等・観王、都市・救王、五道転輪・秘王」

『主命、はせ参じました』

「死神たちに冥土へ送ってもらおう」


 十王のうち四人は知己。その能力を深く知っている。

 タルタロスの記憶をたどる限り、十王のうち八人までは能力を把握しているが、うち二人、平等・観王と都市・救王についてはよく分かっていない。

 それだけの能力を必要とする事態に遭遇していないのだろう。

 冥府の番人であること以外、興味を持たせないためか。

 あるいは単純に苦手だったのか? 

 

「神兵ギルティに相違ない」

「秦。ぼさっとしている暇はありませんよ」

「サァ! サァサァ! あ、サァサァサァ!」

「うるさい! 秘と一緒に呼ばないで欲しいんだけど!」


 そうなるとは思ったが、十王はギルティを囲みながらも不満をあらわにする。

 十王が出てくると、本体はようやくそちらへ目を動かした。

 ……なぜ、俺を見ない。

 分体の三体もそうだ。俺を全く見ていない。近くに来たら捕まえようとするだけ。

 見えていないのか? いや、もしかしたら……。

 考えている場合じゃないな。


「こやつには幻術、魔術、封印術などあらゆる事象が無効。ですが有効な手段がございます」

「癒。能力だけ借りてて悪いな。その手段ってなんだ?」

「転移術です。救。あなたの出番ですよ」

「 年忌訪れ思い出す、彼の者死してなお愛し。火途・血途・刀途を渡りしときは、共に知恵を働かせて困難を乗り切ることが救の務め。いかな道へお進みを所望か?」

「転移……判断は任せる。出来るだけ範囲を伸ばし後方の分体も巻き込んでくれ。その間は他の者で移動阻害を」

『八王の奏でる死の曲を』


 まもなく汝は死ぬだろう。

 過去を悔いるべく己の欲望を隠すことならぬ。

 見よ汝自身の罪を。汝が遠く忘れた記憶の底を。

 これから参る苦行の旅は、洗練を生むだろう。

 それでも辛く、苦しく、悲しく、寂しい時は必ず手助けがある。

 罪多き者でも乗り越えられるように。許されぬ者が許される、そんな辛い旅の果て。

 我ら等しく送り出そう。新たな魂の物語を。


 ――十王のうち八王が歌いだす。

 とても物語無しい歌だが、これは封印術の類だ。

 神兵ギルティを取り囲むように八王が円を組む。

 その中は立ち上る線が走るような光に包まれている。

 そして、何度も砕け散っては元に戻る動作を繰り返し始める神兵ギルティとその分体。

 あれは本来なら肉体を切り離して魂を移送するようなものだが……あれでも移動阻害程度にしかならないとは。

 

 まさしく死神のカンターレと呼ぶに相応しい音色だが、その楽曲が奏でられ始めてベリアル、フェネクスが飛び出してきた。


「俺を差し置いてタルタロスの配下に頼むとは気に入らねえな」

「おのれぇーー! 十王! 積年の恨み、晴らす!」

「言ってる場合か! お前らで対処出来ない状況だからお前らは温存してるんだ。大人しくしてろ!」

「ぐ、う……体が動かない」

「……随分と封印する力、強くなったじゃねえか。わーったよ。フェネクスはともかく俺には見届けさせろ」

「ぐ、う……汚いぞベリアル。くそ、離せ、離せぇーー!」

「冷静なキャラが台無しだぞフェネクス。お前には聞きたいことも相談したいことも沢山ある。今は我慢しろ。出来るなら封印に戻さない。他のやつもゲイボルグは欲しいだろう? 後で出番は用意するから今は我慢しろ」

「ぐ、う。分かった……」


 フェネクスについては……今は詮索している場合じゃないな。

 フェネクスはベリアルと違う答えを出せる賢さを持つタイプだと思う。

 そして、俺がこのゲンドールにおいて知りえない情報を多く持っている。

 それだけじゃない。こいつの持つ文明レベルはおそらく自分の前世を越えている。

 俺が気がかりにしている件をどうにかするためには、フェネクスの協力がどうしても必要だ。


「ルイン! おかしいわ! 変な卵みたいなのが空から来る! 二つよ!」

「あれは……神兵ギルティの分体か。まだ二体も増えるってのか。救、まだか!?」

「いざ行かん。火途の道へ。お近くへ。転移しま……」

「ルイーン! やっぱり俺様、何があっても一緒だ!」

「なっ!? メルザ、一体どうやって!」


 俺の視界は三百六十度ある。全方位を見ていた。

 ジェネストやクリムゾンの動き、セーレたちの動き、ベルローゼ先生の動き。

 それらすべてを見ていた。当然メルザも補足し続けていた。

 メルザは……俺の下へ一瞬で移動してきた。

 これは何の能力だ? メルザにこんな力があったというのか? 

 いや、考えられるとしたら、カルネか! 


「ツイン。ダメ。行かせない」

「火途の道……停止します」

「くっ……すまない救」

「いえ。これで良しと前向きに思うことも大切」


 救を中心に広がっていた円が閉じていく。

 転移、失敗だ。


「メルザ……」

「俺様とルインを縛りつけろ、えっと、鳥!」

「ホロロロー!」


 俺からメルザを離すつもりが、密接に近づけてしまった。

 メルザの協力を拒んだ最大の理由、それはメルザに死の暗示を見たからだ。

 俺からメルザを遠ざけていくほど、その暗示は薄れていた。

 だが、今はその暗示がはっきりと見える。

 それだけじゃない。ライラロさん、ベルベディシアにも死の暗示が見える。

 先ほどまでその暗示は……俺にしか見えていなかった。

 

「メルザ、よく聞け。このままだとお前もカルネも死ぬ。俺から離れるんだ」

「いやだ! 俺様は死なない。ルインが守ってくれる。カルネだって」

「違うんだ。このままじゃ、ここにいる全員、死ぬんだ!」

「それでも俺様、離れねー!」

「お取込み中失礼を。別の分体が二体合流。八王の力はそろそろ限界です」

「サァ、サァサァいよいよ待ったなし! 限界点!」

「うるさいですわよ、秘!」

「ぐう……我らの力で魂を取り出せぬとは」

「封じては無効を繰り返しているだけですわ」


 状況が目まぐるしく一変。

 死神たちの奏でるハーモニーすら、こいつらには効かない。

 いや、そうだろうとは想定していた。

 時間を稼ぎ終えた次の一手でこいつらを俺へ封印して……その体ごと地底を切り離し、地上へ全員を送る。

 俺への封印者を放出し、そいつらが全員死んでも、魂を十王に委ねるつもりだった。

 なのに、これじゃ……このままじゃまずい。

 

「なぁメルザ」

「いや。いやだ! もう離れんのはいや! どんなに俺様を離そうとしたって、俺様にはもう分かる。ルインは、ルインは俺様を置いて、カルネを置いていなくなるつもりなんだ。だってよ、俺様……カルネに言われた。ルインがこの後そばにいてもいなくても、俺様が泣き続けるって。だったら俺様、ルインのそばで泣くよ。ずっと一緒だった。あの日からずっと一緒だった。みんながそばにいてくれても、俺様、俺様ルインがいないともう、二度と笑えないんだよぉーーー!」

「メルザ」

「……あ」


 俺はメルザに口づけをして頭を撫でた。久しぶりだ、こんな泣き崩れて酷い顔のメルザを見るのは。

 可愛い顔が台無しだ。いや……こっちの方が様になってるかな。


「約束しよう。俺は死なない。お前をこの状況でも守り切ってみせる。そうじゃなきゃ師匠に笑われるからな」

「違う……よ。俺様は親分だから。ルインを生かして……俺様が死ぬならそれでいい! あいつさえいなきゃ俺様もルインも、幸せに暮らせるんだ。お前なんか、お前なんか!」


 メルザは残った片方の手でカルネを抱えていた。

 小さな手だ。それでも初めて会った時よりずっと、力強い手になったなと思う。

 昔から体力も無くて、小さくて。

 壊れてしまいそうな体だけど、発する言葉は人一倍元気だった。

 それは今も変わらない。でも、俺が守ってやりたいこいつは俺の親分で。

 守られたいんじゃない。守りたいんだ。俺を、仲間を。

 だから守られる女王ってのがメルザには合わなかったんだな。

 これは俺の責任だろう。決心が鈍りそうだ。まだ……やることが増えてしまった。

 ルーニーは俺とメルザの方を両足でつかみ離さないでいる。

 すっと俺へカルネを押し付けるように渡すと……片手に爆炎を巻き上げて……シラへと投げつけた。

 その炎はメルザの手の上にあるときは小さかったが、投げつけると同時に膨れ上がるだけではなく、足のない巨人の様となり……シラを襲い始めた。

 それを見ていたライラロさんが叫ぶ。


「あんた! それ、燃巨人斗(モルギガント)じゃないの! 私でも出来なかった幻術、出来るようになったのね……負けてらんないわ!」

「あなた……その状態で水を放出したら逆効果ですわよ」

「うるさいわね。分かってるわよ! 水蒸気爆発を起こすにも、条件が合わないわ!」

「うおーーー! 俺様、絶対お前を倒してやるんだーー!」


 メルザはその炎の塊を次々と生み出しては投げつけると、本体の周囲は燃える巨人で埋め尽くされていた。

 相変わらず、なんという幻術の行使力。間違いなくメルザは化け物クラスだ。

 化け物クラスだが……、効果が無いのは分かっている。

 神兵ギルティは燃えても燃えても復活する。

 そしてシラは、メルザの攻撃が当たるたびに活性化しているようにも見えた。


「……なんで、なんで倒せねーんだよ。俺様じゃ、ダメなのか? なぁ、なんでだよルイン。どうして、どうして!」

「すごい攻撃だったよメルザ。さすがは我が主。あれが俺なら死んでるさ」

「ルインが死なねーためにやってるんだ! あいつが死んでくれなきゃ……ルインが死ぬんだろ?」

「十王よ! もう少しだけ時間を稼いでくれ。フェネクス、ベリアル。この状況、打破できると思うか」

「無理だな。もう地底は崩壊するぜ」

「絶対神だ……反対だが、絶対神がいればあの存在をどうにか出来るだろう」

「けっ。そりゃ俺も反対だね。イネービュだけならともかく、スキアラやウナスァー、それにネウスーフォのクソ野郎まで復活するじゃねえか」

「ルイン・ラインバウト。あなたはこの戦いの先に何を望むのか」

「俺はベルウッドという者を追うつもりだった。最後にそれを託して死ぬと。だが、生きられるならそいつを追う。俺がこの世界に転生した意味がそこにあるはずなんだ」

「転生?」

「そういやフェネクスは知らねえんだな。こいつは生まれ変わりの転生者。俺はこいつに引っ付けられた魂。俺たちは元々二人で一人。こいつは魂を転々としちゃいるが、元々はカイオスだぞ」

「バカな。覚醒転生だと聞いたぞ! カイオスそのものではないというのか?」

「あー、おめえってよ。相手をだますのに、おめえ自身もだまされるよな」

「くっ……そこまで嘘を押し付けられていたのか。あの男、ライデンという者が使ったのは神秘のヴェールというこのフェネクスが作ったものだ。完全なる者でも数百年は封じることが出来る。あれを完成させたのは偶然だが、絶対神を解き放ち、あのギルティに神秘のヴェールをぶつければあるいは封じれるかもしれん」


 絶対神を封じたのが神秘のヴェール? それを作ったのがフェネクスだってのか。

 俺が思っていた以上にとんでもない奴だ。

 だが、そんな切り札をなぜこいつが持っていないんだ? 

 いや、それよりも絶対神の場所に……「いや、間に合わない。もう地底は崩壊する……全員、すまない。十王の力を解除しないと領域を構築できない」

「マルファスとハルファスの力があるだろ? あれで一時的に避難できねえのか」

「無理だ。地底そのものが崩壊すれば、その場で作った領域も崩壊する。宇宙の藻屑だ。アルカーンの力も直ぐに構築出来るものじゃないんだ」

「なら、救の転移は!」

「転移はあくまで冥府へ繋がるものだ。もう……」

「それなら僕の出番だね」

「おいおい小僧。おめえ……簡単に諦める玉に戻っちまったってのか?」


 酷く懐かしい声を聴いた。

 一つはシーザー師匠。師匠はこの場に来てもおかしくはないと思っていた。

 共に死を選ぶ、そんな人だ。

 そしてもう一つは「リ、ルなのか?」

「やあ。君、少し背が伸びたかい? 僕は少し縮んだ思いだよ。それにしても……相変わらずだよね。面白い状況。あの気持ち悪いのが敵かい? それにしても随分と仲間が増えたもんだね」


 どうやって助かったんだ?

 いや、今はそれより「友よ。助けに向かえずこんな状況で、すまない……」

「何言ってるのさ。君のお陰で助かったんだよ。ほら」


 直ぐ真横に現れたリルは、メルザとカルネへにっこりと微笑むと、拳を俺に向けて来た。

 ああ、フェルドナーガの魂が消えたと感じたのは……そのせいだったのか。

 

「ごめんね遅くなってさ。カノンと……娘のイルナカーンを領域へ連れて行ってたんだ。リそれで、どうするの? 楽しい楽曲が聴こえるけど」

「いや、この際子供の紹介は後だリル。十王の曲では倒せない。次から次へと想定外のことが起こるのは、既に遁走(とんそう)曲……フーガへと変わったか。いや、ここから先は別だ」


 俺がリルと拳を重ねている間に、シーザー師匠はシラを切り刻みに向かっていた。

 

「おいライラロ……分かってんな」

「ダーリン! あいつらチューしてたのよ! 早く私にも!」

「ちげえ! 水を寄越せぇーーーーー!」


 既に地面が砕け始めていた。レヴィアタンから放出した水を足場にして立つシーザー師匠。

 俺はギオマに乗る。リルはフルフライトで浮かんだままだ。

 ちょうどそのタイミングでリュシアン、サーシュが戻ってきた。

 任務完了……準備も万端。両者は猛スピードで駆け回ったのだろう。

 フラフラしていたのでそのまま封印へと戻した。


「有難う。お前らには本当、無理させっぱなしだよ」

「今のも仲間かい?」

「積もる話は後だ。リル。あいつを模倣出来そうか?」

「……無理かな。それにあの束縛が解けたら直ぐ襲ってくるよ。僕の目が増えてね。同じフェル家の者の場所へ運ぶことができる。一人ずつだから時間は掛かるけど」

「それなら……」

「俺様はいやだ。連れてくならベロベロからだろ!」

「……ってことでバルフートは戻すから、雷帝……ベルベディシアから頼めるか」

「……雷帝? 君、また奥さん増やしたの?」

「リルよ。今はそれどころではない!」


 言葉をさえぎるようにベルベディシアを指さして見せる。

 しかしリルが近づくと電撃を浴びせられて戻ってくる。


「……殺されるかと思ったよ」

「おいベルベディシア! 何を……」

「わたくし、封印に戻りますわ。バルフートも戻します。次の出番まで休みますわね」


 あ……凄いご立腹だ。

 リルがここへ到着してベルベディシアやライラロさんから感じる死の暗示は消えていた。

 この暗示、恐らくだが状況を好転させる要因次第で大きく変化するのだろう。

 だからタナトスはあちこちフラフラしていたのか。

 だが、俺やメルザ、カルネは死の暗示を感じるままだ。

 つまりここから俺たちだけ逃げたとしても、神兵ギルティは死なず俺たちを追ってくるってことだ。


「ふう。そちらもそんな状況か」

「ベルローゼ先生……すみません。こいつらの対処方法があるにはあったんですが、既に絶対神が……」

「こちらの状態は悪くなる一方だが、やつは衰えない。だが攻撃を加えていると動きは止まる」

「やはりですか。こちらも同じです。そして向こうからは攻撃してこない」

「近づくものを無差別に取り込もうとする。それは捕食だろう。つまりこいつらは完全体じゃない。完全体になるまでずっとそうするつもりだ。時間稼ぎならまだ出来る」

「ですがこのままだと地底が崩れます。先生は避難を」

「断る。貴様の封印内へは戻るがな」

「殿方殿。ルインズシップへ瞬時に移動出来ますかな? 可能であれば一つ考えがあります」

「このままじゃどちらにしても藻屑となる。シーザー師匠! ライラロさんを連れてルインズシップへ行きます。その場は十王に任せて一時集まって下さい!」

「ちっ。楽しみはここでお預けかよ」

「さぁダーリン。は、や、く……」

「十王。頼んだぞ」

「我らは気にせず。招来し直せばよいだけのこと」

「サァ。サァサァサァ! 限界て……」

「それ、さっきも言いましたでしょう!」


 ……崩れ落ちる地面、吹き荒れる風。崩落の狂詩曲(ラプソディ)が目の前に始まっていた。

……ええとですね。

短くしようと早起きして頑張ったらですね。

結果として文字数が増えました。

ということで、二話分のボリュームをお届けします!(カットのしようがありませんでしたー!)


今回の題目は死神のカンターレです。

カンターレはカンタータとも言いますが、声楽です。作者は幼少ピアノをずっと習っていて、父母の趣味がフォークダンスだったこともあり、結構な音楽家庭だったと思います。残念ながら入院と治療でピアノを続けられなかったのが今でも心残りです。将来はまた音楽を奏でたい。そう思っております。


なお、途中で出てきたフーガとはそうですね、分かりやすく説明するならばレコードのDJが近いかも! 曲の途中で「あれ? 聞いたな?」ってフレーズが重なるように入ってくるんですね。ただ、それが強調するんじゃなくて溶け込んでって、主で流してる方に馴染む作用があるというか。逆にその重なったフレーズがすんごい強調されるのが【カノン】。今回カノンではなくフーガという表現を選んだのにはもちろん理由があって、リルが出てきたじゃないですか。奥さん、カノンちゃんですよね。でもカノンちゃん、この場にはいませんからフーガなわけで……と、妙なところまで考えている作者でした。

ちなみになんですが、リルとカノンの子供の名前。(これはカクヨムに後書き記す機能がないのでなろうだけの話ですが)

イルナカーンちゃんですが、この子の名前の由来でピンと来た人はすごいです。

カノンとリルの子供ならリノカーンとかルカカーンとかでいいんじゃない? と思う人もいるでしょう。

これはカノンの間話をご覧いただいた方なら分かるのですが、カノンは二人の妹を失っています。

その妹たちの名前が、カノンの技でもあるクインとニーナ。彼女は二人の妹にまた会いたくて仕方がないのです。

なので、自分と一つにあるクインのイとニーナのナ、そしてリルのリを入れてイルナカーンとなりました。

カーンは苗字のようなものですから、名称としてはイルナですね。

カルネとイルナ。この二人の物語はあるのか、ないのか……それは読者さん次第かもしれません。

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