間話 封印と強制封印の違い
本日分二話の間話を投稿いたします。
基本間話は背景部分が多く、読んでおくと突然出て来た!? 感が薄れる部分程度の
内容先読みを入れるものにしている話が殆どです。
それと登場人物の過去話とかもなるべく間話へ回しております。
章終わりに必ず三つは間話を入れ続けております。トータルでいうならもうじき千話だったり……。
レグナ大陸に立つルインとベリアルは、その場で起こる異変に驚いていた。
「何だ!? 大地震か?」
「ああ、間違いねえ。体感したことがねえほどの揺れだ。しっかり掴まってやがれ!」
これからジャンカの町へと戻ろうと思っていたところでの揺れ。
一体何が起こったのか想像もつかない。
この世界に来て地震など感じたことが殆どない。
そもそもゲンドールという世界は地球のように科学的に解明された惑星とは異なる。
海底深くに世界が存在し、地底という世界やあらゆる領域が存在する。
それこそ扉を開けたらお菓子の世界だったり、天井と地上がひっくり返ったような……
いわゆるパラレルワールドのような世界であっても不思議ではない。
「止まった……か?」
「妙な胸騒ぎがしやがるな。いや、おめえとの旅がまともにいった試しもねえ。そういや
バルフートはどうだ?」
「今のところ外には出せない。ロキと魂が結びついてる部分があるからじゃないのか?」
「ロキはどうだ? 何か聴こえやがるか? 俺には何も聴こえねえんだが」
「いや……何も喋らない。強制的に閉じ込めたって言えば分かるか?」
「ほう。おめえそんなこと出来たのか」
「これは初めてじゃない。昔オズワルと戦っていたときに、メナスへそうしたことがある。
他にも何度かあるけど一番強かったのはメナスのときだった」
「銀髪の姉ちゃんか。いい女なのに、可哀そうだぜ」
「精神的におかしくなれば、心ってのはもう完全に戻ったりしないんだ。でも、回復する
ことは出来る。可能な範囲で良い奴らに囲まれて生涯を過ごした方がいいんだよ」
「おっと話がそれちまったな。それで……戦力的には俺とギオマ、後デュラザーにターフス
キアー辺りが限度だろ。戻ったらモンスター合成を幾つか試しておきな」
「ベオルブイーターと戦うってのは空中戦ってことだよな。そうすると……どうせならギン
さんに頼んで地底へ持っていける乗り物を作ってもらう方がいいんじゃないのか?」
「それも一つの手だが、ギオマにならデュラザーも乗せられるんじゃねえのか?」
「どうだろ。ギオマの性格上、気に入った奴しか乗せないんじゃないか」
「仕方ねえ、あのサイズ感の乗り物が早々作れるとは思えねえが……そうしてもらうとするか」
結局地底への準備を万全にしないとベオルブイーター戦は行えない。
地底って結局どうやったら行けるんだろう?
簡単な話じゃないのは分かる。
冥府を通って奈落を抜けて地底へって、本来通っていい道じゃないよな。
何せ死者が向かう場所だろう。
確か地底から地上への道は、本来の道なら十年に一度、短時間しか行けないはずだ。
それも特殊な方法なのだろう。
何らかの原因で地底の国とメルザの領域が結びついてしまったのには理由がありそうだ
な。
「おめえ、故郷のこと覚えてるか」
「何人かいたのは覚えてるよ。でも、名前も顔も分からない。分かるとしたら……」
「匂いか」
「ああ。それだけだ」
「いや何でもねえよ。そろそろ行こうぜ。シカリーの場所によ」




