何から揃えようか?
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シオンの寝姿にラッキースケベが発動したが、代償に初心な童貞HPが削られる。
階段降りるときは危ないので、シオンに腕組を解いてもらって一階へ降りると受付カウンターの前ではジュディアさんがなにやら作業をしていた。
「おはようございますジュディアさん」
「ジュディアさん、おはよう」
「おう、起きたのかいお二人さん。おはようさん。悪いけど、朝食前に昨日の清算をさせてくれるかい?」
「ええ、構いませんけど」
シオンと二人でカウンターの前に行くと、ジュディアさんがテーブルの上にお金が乗ったトレーを置いてくれた。
おお、初めて生で金貨っていうのを見た。思っていたよりも鈍い色をしてるんだな。
「あのタスクボアは大きいうえに傷という傷もなかったから、いい値段になったよ。牙に皮、肉も合わせて50,000レア。新人の初稼ぎにしちゃ破格さね」
……うん、日本円じゃないと金額がよくわっかんない! 助けてシオンさん!
小声にて日本円にしたらいくらかわかる? と聞くと、シオンがこくりと頷く。
「1レアが10円くらいだから、10倍して、ざっと50万円? おお・・・・・・」
「マジでか!」
アルバイトでも稼いだことないよそんな金額! というか、元の世界のオレの貯金よりも多いな!!
計算したシオンも地味に驚いていた。
「二人には色々期待してるんだ。これからもよろしく頼むさね。あとこいつはサービスで付けとくから、それにお金を入れとくんだね」
「あ、これはどうも」
ジュディアさんがくれたのは、何かの皮で出来た丈夫そうな茶色い巾着袋のようなもの。
確かにお財布なんて物は持ってないし、ありがたい。
巾着袋の口を開けて金貨を入れると、思っていた以上に手に重さが伝わってくる。とりあえずは貫頭衣のポケットに入れておこう。
「・・・・・・ミナト、お前さん、そんなとこに入れてたら掏られちまうさね。服の中か、ベルトかなんかに縛り付けておきな」
「え、掏られるの!?」
置き引きならまだしも、掏りなんてテレビでもほとんど聞いたことがないんだけど。
これが異世界テイストってやつだろうか。
なんて驚いていたら「まあこの村じゃそんなことする奴いないさね」とカラカラとジュディアさんが笑って言う。
とりあえずジュディアさんの忠告を受けて、茶巾袋は紐が長かったので首から下げて服の中へとしまっておいた。
「まあでも、大きな町に行ったら普通にあるから気をつけることさね。それじゃ引き留めて悪かったね。朝食なら、ギルドを出て右に向かった先にある広場に行けば屋台がやってるから、そこで食べるといいさね」
「わかりました。どうもお世話様でした」
「あいよ。なんかあったらまた来るといいさね」
シオンと共に軽く会釈をして別れの挨拶をすると、ジュディアさんは笑顔で送り出してくれた。
ギルドの外へ出ると、朝特有の澄んだ空気と太陽の気持ちいい温かさに身体が包まれる。
現代建築とは違う見慣れない家々や、ゆったりとした民族衣装のような服装の人々、村を囲う柵やそこを守る武器を持った門番を見ると、異世界に来たんだと改めて実感する。
これからオレ達の冒険が始まるんだ!
「なにしてるのミナト。異世界の屋台は、串焼きお肉が定番。早く行こう、お腹空いた」
立ち止まりグッと手を握って感慨にふけっていたら、シオンの言葉に一気に現実に引き戻された。
う、朝からお肉とか重たいものはちょっと苦手なんだけど……。
でもシオンの楽し気な顔みたらそうも言えないよなぁ。
なんかスープ系のものもあればいいなと思いつつ、シオンに手を繋がれて村の広場へと歩き出すのだった。
でもシオンさん。男心として女の子と手を繋ぐというのは、ちょっとハードル高いんだからね?
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ギルドを出てそれほど時間も掛からずに、村の広場に辿り着くことができた。
周りを家やまばらに生える木々に囲まれるようにある広場には、ジュディアさんから聞いた通り少ないながらも数件の屋台が立ち並んでいた。
その中でもシオンが「あっちとそっちから、おいしそうな匂いがする」と選んだ屋台で、オーク肉の串焼きと豆と麦のスープを購入し、無造作に設置されている背もたれの無い木製ベンチの一つに座って食べた。
ファンタジーの定番ともいうべきオーク肉の串焼きは店主曰く「ヤストンの果汁と塩を混ぜたタレ」とのことだったが、食べた感じは塩レモンに近い気がする。
また豆と麦のスープは薄い鶏がらスープのような味だったが、濃い味の串焼きを食べながらだと調度いい塩梅になった。
朝から重たいなぁとは思っていたが、なんだかすんなりとお腹に入ってしまった。
さて二つを食べ終えてお腹が落ち着いたところで、オレは話を切り出す。
「これからの異世界生活で必要なものを取り揃えたいと思ってるんだけど、なにから手を付ければいいと思う?」
それは昨晩、シオンの寝姿に翻弄されながらも考えていたこと。
転移したこの異世界は元の世界と違ってなんの保証もないうえに、自身の力で文字通り戦っていかなければならない。
それを可能にするには戦える装備や服、それに日常で使う道具が必要になる。
幸いにも金銭は予想外な額が手に入ったので、身の丈に合わない物を買わない限り困ることはないだろう。
そのことを伝えると、シオンは少し考えるような様子を見せ、
「ゲームだとまずは装備、だね。でも私はまず、日常雑貨と服が優先、だと思う。装備はミナトの魔法があるし、私もちょっとした武器があれば、問題ないから」
うん。オレもそう思ってた。
魔物を相手にするにも自分の実力より下を狙えばいいし、鑑定を使えば薬草採取も比較的楽に出来るわけだし。
まずは生活基盤を整えないとな。
「じゃあまずは雑貨屋と服屋に行こうか。場所はその辺の人に聞けばいい、かな?」
「うん、そうしよう」
ということで、オレはシオンを連れ立って、まずは聞き込み調査へと向かうのだった。
作者は朝からステーキでも大丈夫派ですが、干支が三回も逆上がりするとさすがに胃もたれが・・・・・・。
あと昔と違って野菜ジュースがおいしく感じるこの頃・・・・・・。
半世紀迎えるまではまだまだ若いって言い切ってやる!
精神年齢占いしたらスター〇ォーズのヨー〇(齢400以上?)ですって出たけど気にしない・・・・・・!!
つーかそこまで達観してなーい!!




