表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/29

燃える王都での戦い

「大丈夫?スタミナ切れて来てない?」

「人の心配してる場合じゃないでしょ!」


強がる涼子は反撃するが、シャロンは余裕そうな態度だった。シャロンはさらに火を纏った建物の残骸を、涼子に向けて飛ばして来た。


(魔法を連発したせいで体力が…)


涼子は様々な魔法を駆使して、シャロンから後退しつつ攻撃を仕掛けていたが、体力を予想以上に消耗していた。余裕だと思っていた涼子は、状況を理解する事になる。


(ひょっとして非常にマズイ状況なのでは…)


涼子が反撃の手を弱めた隙に、シャロンは更なる追撃を仕掛ける。隙を見つける事が出来ない涼子は、徐々に防戦一方になっていった。

(まだだ、地の利は私にある!)


周囲を確認した涼子は、大きな建物の陰に隠れながら移動し始めた。もちろん、タイミングを見て攻撃を仕掛けるのも忘れない。


「そんな小細工をして、逃げられると思っているの?」


苛立つシャロンはさらに魔法の出力を上げて、攻撃を続けた。最早王都の地形が変わる事は気にしていないらしい。


「逃げながら逃げてるんじゃ無い!戦いながら逃げているんだ!」

(また動きが変わった…対処しきれない!)


涼子は隙を探しつつ、シャロンへの攻撃を止めなかった。威力は弱くなったが急激に頻度が上がった魔法攻撃は、確実にシャロンの体力を削っていた。


(とっくに体力の限界は来ているはず…なぜ動けるの⁉︎)

「追って来なよ!あんたの体力が持つならね!」


素早く仕留める事に焦ったシャロンも、疲れ始めて来ていた。疲労は彼女の判断力を弱め、攻撃への防御も遅れ始めていた。


「このままじゃやられるぞ‼︎」

「なんという強さだ…」


負傷した兵達を庇いながら戦うカリド達は、かなり追い詰められていた。異能と魔法を駆使して戦っていたが、最早体力の限界だった。


「えいっ‼︎」

「今のは…琴音か!」


第一皇子であるルースが、背後から強い衝撃を受けて倒れた。琴音が背後から魔法を放って、彼を気絶させたのだ。


「仁子は他の人達と一緒に避難したから大丈夫!」

「ここからは私も戦います!」


加勢に来た琴音とリリィは、積極的に皇族達に立ち向かった。シローネは異能を使って、琴音とリリィをサポートする事にした。


「琴音、リリィ!そいつらの視界には君達の姿は見えなくなった!このまま一気に!」


シローネの異能で皇族達の視界を操作して、琴音とリリィの姿を見えなくした。その隙にリリィが魔法の衝撃波で攻撃して、彼らの隙を作る。


「琴音、奴らを抑えて!」

「分かった!」


琴音は隙が生まれた皇族達を、すぐに取り押さえた。カリドやシローネも協力して、動けない様に拘束していく。


「グゥ…ヴァア‼︎」

「くっ…大人しくしてってば‼︎」


アルベルトは必死に暴れようとするが、琴音が強引に抑える。やがて暴れる体力も無くなったのか、皇族達は気絶した。


「他の暴れていた兵士達も…取り押さえられたみたいだね」


暴れていた王都やファルバウティの兵士達も、援軍として派遣されて来た兵と協力した王都の兵士達によって、全員拘束された。幸い、凶暴化した人々との戦いの中で、死者は出なかった。


「まだ術者は見つかっていない。油断するな」


シローネの言う通り凶暴化した皇族や兵士達は縛られているにも関わらず、まだ暴れようとしていた。消火活動が行われる王都の中でも、黒幕の捜索は行われていた。


「凶暴化させた奴らがが取り押さえられた…潮時みたいだね」

「…待って、逃さないよ!」


王都での騒ぎが収まり消火活動が開始された事に気づいたシャロンは、すぐに逃げる事にした。もちろん涼子はそれを許すつもりはなく、彼女を追いかけた。


「さっきまで追いかけ回してたくせに…追われる気分はどう?」


形勢が変わり、涼子はシャロンを追いかける立場になっていた。確実に捕らえたいと思っている涼子には、逃すつもりなど無かった。


「しつこい!」

「うっ…」


シャロンは魔法の衝撃波で涼子を吹き飛ばして、建物の中に逃げた。彼女は残っていた体力を使って、転移の魔法陣を生み出した。


「これで帰れる…」

「逃すか!」


体力の限界で集中力が切れていたシャロンは、背後から飛びかかる涼子に気づけなかった。魔法陣に飛び乗った涼子も一緒に、何処かに転移した。


「…何だ?!何故縛られている?!」

「う…体が、痛い…」

「何よこれ?!早くほどいて‼︎」

「…説明をお願いします」

「うーん…何をしてたんだっけ」


縛られていた皇族達が突然目を覚まして、困惑した様子を見せ始めた。雰囲気も先程とは違い、正気に戻った事は明らかだった。


「大丈夫?!」

「早くこの縄ほどいてよ!」


琴音は慌てて、正気に戻った第一皇女ディリアの縄を解いた。何が起こっていたのか分からない彼女の機嫌は、かなり悪かった。


「兵士達も縛られてんのか?何が起きたのか、教えてくれよ」


シローネ達に質問したのは、縄をほどかれた第二皇子のグリスだった。周囲の様子を見た彼は、困惑した様子を見せていた。


「兵士達も私達も…操られていた」

「犯人は、まだ見つかってないんだろ。俺も協力するよ」


本当ならすぐにでも黒幕の行方を追いたかったが、王都が受けた被害も大きかった。各地から職人を呼び寄せているが、元通りになるまで時間がかかるだろう。


「それにしても…ひどい事になったね。あ、家は大丈夫だったよ」


避難していた仁子は戻って来て、街の様子を見ていた。怪我をしたり住む所を失った人も、たくさんいた。


「今回操られていた皇族は私達…転移者のみを狙って来た」

「ああ…他の兵士達とは違ってな」

「ここからは私の勘だが…」


地下室に戻って来たシローネとカリドは、改めてレイジと桜の行方を探そうとしていた。今回凶暴化した人々の挙動から、真犯人を突き止めようとしているのだ。


「…怪しいのは、ファルバウティの皇族じゃないか?」


主人公が出ていない回が続いていますが、次回はちゃんと出て来ます…


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ