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王都襲撃

(どうしてもオリヴァース大陸に来る以前の記録が見つからない…本当に誰にも言っていなかったのか)


涼子はシローネ達のアジトである地下室にも潜入して、資料を漁っていた。しかし彼女は元から秘密が多かったらしく、詳細を知る事は出来なかった。


(っ…戻って来る)


カリドとシローネの気配を感じ取った涼子は、すぐに地下室を脱出した。いくつか資料を持ち出したが、他の紙を混ぜたのでそう簡単には気づかれない筈だ。


「膠着状態が続いている…嫌な状況だ」

「そう言えば琴音は…」

「家に戻ってる。仁子やリリィと一緒にいるはずだ」

「そう言えば…上が騒がしくないか?今日は祭事は無かったと思うが…」


地上で何が起きているのか、疲労が溜まっていたカリド達は気づく事が出来なかった。彼らは外の様子を見に行く事無く、地下室で休んでいた。


その少し前、シャロンとその配下の兵士達が、王都レウニアスに到着した。兵装はファルバウティの正規軍の物ではなかった。


「さて…始めるよ」


兵達が王都で捕らえて来た人々の中には、ファルバウティの皇族達も含まれていた。シャロンは兄や姉、叔父に対して躊躇なく魔法を使用した。


「シローネさん、緊急事態です。王都の各所で、火の手が上がっています」

「カリド、対応を急ぐぞ」


見張りの兵からの報告を受けたシローネは、原因は聞かなかった。王都各地で火事が発生している事態への対処の方が、優先だったからだ。


「あちこちから熱気が来ているな」

「火事への対応はどうなっている。住民の避難は」

「西のスラム付近に避難が遅れている地域があります」


地下室から出たシローネ達が向かおうとした直後、何者かが傭兵達に向かって魔法を放った。彼らは避けようとしたが、精度の高い魔法を避けきれない者がほとんどだった。


「大丈夫か?!」

「何者だ‼︎」


カリドがすぐに傭兵達の無事を確認した所、命に別状は無かった。シローネは自分達に向けて魔法を放った者に切り掛かった。


「なっ…お前は…」

「ヴヴヴぅ…」


傭兵達に攻撃したのは、何とファルバウティの皇族であるアルベルトだった。以前会った時とは雰囲気が違い、正気では無い事がすぐに分かった。


「おい…どうしたんだ‼︎」

「アアア!」


凶暴化したアルベルトは、今度はカリドに襲いかかった。魔法を使えなかったカリドは、真空操作の異能で強引に防御した。


「くっ…強い」

「カリド、まだ来るぞ‼︎」


建物の屋根の上から飛びかかって来たのは、ファルバウティの皇族達だった。彼らもアルベルトと同様に、正気を失っている様子だった。


「どうなっている!彼らは何をされたんだ?!」

「しょうがない…逃げるぞ‼︎」


シローネ達は地下室の前から離れて、無事だった傭兵達と共に逃げる事にした。だが各地に正気を失った兵達が居て、暴れて街を破壊していた。


「何だあれは…王都の兵もファルバウティの兵も凶暴化している…」

「死者が出る前に、彼らを止めるぞ!」


シローネ達は兵士達を殺さない様に、気絶させて回った。しかし、追って来たファルバウティの皇族達が背後から襲い掛かる。


「駄目だ…このままじゃ」


ファルバウティの皇族達は予想以上に強く、カリド達は追い詰められていく。彼らの様子を陰から見ている人物は、涼子だった。


(連中は放って置くとして…)


涼子はあちこちで火の手が上がる王都の中で、黒幕を探していた。正気の兵士達は住民を避難させつつ、消火活動を急いでいる。


(エルラ王子は大丈夫かな…)


そう思った涼子は王城がある方角を確認し、城にも離宮にも被害が及んでいない事を確認した。エルラ王子は離宮をあまり離れないから、おそらく無事だろう。


(操られている皇族達が狙っているのはカリド達だけ…他の人に危害を加える様子は無い)


恐らく凶暴化した皇族達の狙いは、異世界人である。家にいるはずの仁子達が心配だったが、その為にも敵の発見を急ぐ必要があった。


(あの連中の兵装…見た事が無い)


涼子が見かけたのは黒を基調とした鎧の兵士達だった。全身を覆う金属は、恐らく相当希少な物が使われていると思われる。


(破壊活動も救助活動もしていない…監視が目的?)


涼子は気づかれない様に警戒を怠らない様にしながら、兵達の中心にいる人物を確認した。彼らに守られているのは、ファルバウティ第三皇女であるシャロンだった。


(彼女が黒幕…まず拘束しないと!)


黒幕が皇女であった事に驚いた涼子だったが、すぐに彼女を捕らえる事を決意した。涼子は魔法を使って、シャロンのみを自身の側に転移させようとした。


「甘いね」


足下に魔法陣が現れた事に気づいたシャロンは、すぐに打ち消した。彼女は自身を攻撃しようとした者がいる方向に向かって、魔法を放つ。


「何が目的か分からないけど…取り敢えずこんな事やめて」

「止めるわけないでしょ」


建物の陰から現れて、王都の破壊をやめて欲しいと言う涼子の事を嘲笑うシャロンはさらに追撃の魔法を放つ。それを避けて向かって来る涼子と、シャロンの戦いが始まった。


戦闘描写を書くのは少し苦手なんです…バトルシーンはそんなに長く続かないと思います。


用語集

七つの宝玉の伝承

世界各地に存在する七つの宝玉を集めると、願いが叶うという伝説。ファルバウティの国宝である吹雪の宝玉以外は行方知れずになっていて、この伝承を信じている者は殆どいない。


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