9話 前編 ここ3年くらい大声出してないから、近くの公園で出してこようかな
「よっしゃー!土曜日になったぜ!!」
クリネクスロードも機会を伺っているのか、ここ数日間全くオブジークは出現しなかった。
なので、この土日でゆっくり休めるのが嬉しいのか浮かれている。だが榊原さんは
「さすがにあのロード、そろそろ攻めてくるんじゃないか⋯。良太郎、用心しとけよ!」
「うーーんッ!(アホアホマン)」
その頃、ジークロードの根城となっているどっかの地下では⋯
「おいクリネクスロード!何故仕留めていないのにここへ戻って来た!」
床に腕を組んで座っているクリネクスロードに向かって、赤髪オールバックの巨漢が怒鳴る。クリネクスロードは
「そうだね⋯そろそろ行こうかな。でも、僕はまだオブジークを生み出せる力が完全に戻っていない。」
クリネクスロードは微笑を浮かべ、赤髪の巨漢を見て言う。
「そうだな、やっぱり君の⋯『オーブンロード』の力が必要かな?」
「⋯バッグロードもいないことだし、まあいいだろう。少し戦うだけだからな。」
「ククク⋯心強いよ。」
赤髪の巨漢のシルエットがどんどん変わり、赤い上級ロード『オーブンロード』と化した。二人のロードは地下から出た。
ピッキーーン!!!(バカ)
榊原さんは上級ロードが動き出したことを直感で感じとった。
「良太郎、上級ロードが動き出したみたいやで⋯。」
「うっそーん。あれれー!丘people!?」
「じゃあ行こうぜ良太郎!早速上級ロードぶっ殺してやすほぜ!」
「アラホラサッサー!(ドロンボー)」
良太郎と榊原さんは家を飛び出した。
その頃、二人のロードは⋯
「⋯流石に待っているだけでは来ないぞ。」
とある自然公園の木の上でオーブンロードはじっと待っている。それをクリネクスロードが指摘する。
「フン、分かっていないな⋯。お前が言う日用品の戦士には、金髪で白い服を着たヤツがいるんだろ?」
「ああ、日用品の武器を与えたのもアイツみたいだぞ。」
「やはりそうだよな⋯アイツは何もしなくてもここに来る筈だ。」
オーブンロードは気持ちが高ぶっている。湧き上がる殺人衝動を必死に抑えているといった感じだ。
それから5分くらい後、良太郎達が公園に来た。
「この近くにいる筈だ⋯頑張れよ良太郎。」
「あぁ、上級ロードってどれくらい強いんだろうか⋯」
流石の良太郎も、若干不安になっている。この前スペースナイト山田(今更だけどとんでもねえ名前してんな)に圧倒されて逃げたばかりなので、ほんの少し自信を失っているのだ。
「よお」
突然声が聞こえた。声の方向を見ると、赤髪オールバックの巨漢が歩み寄って来ていた。もうすでに威圧感みたいなのが伝わってくる。
「お前が上級ロードか⋯。」
「そうだ、俺はオーブンロード⋯人間の時は“井沢”って呼んでくれよな☆」
「分かった⋯(素直)」
すると、奥の木からクリネクスロードが跳んできた。
「オーブンロードだけじゃないよ、僕もいる。」
「まじかよめっちゃ面倒くさいやんけ⋯」
この状況、2対1である。しかも片方は上級ロード。戦う前から大ピンチである。
さあどうなる!
奥の手『1話を前後編に分ける作戦!』これを使えば30話で終わらせられるぜ⋯⋯!