僕は夏に生きる少年
太陽なんかより、アスファルトの方が暑い、熱い
蝉なんかより、陽炎の方が五月蠅い、煩い
海なんかより、だだっ広い快晴の夏空の方が蒼い、青い
夏を生き抜くには、貧弱で
暑いね、なんて言って笑っては嗤われた
目が回るほどの夏の日に、僕の入り込む余地があるとするのならば
なぁ、教えておくれよ
条件反射的に逃げ出してしまいそうな夏の日に、僕のいる場所があるとするのならば
あぁ、こんなんどうしようもないだろ
なんて、弱音も蝉時雨に掻き消されて
あぁ、どうしてこんな暑いんだよ
なんて、文句も陽炎に吸い取られて
そんな、生産性のない繰り返しの中で
途方に暮れている
夏の世界で生き抜くには
僕には存在意義が足りなかった
何が悲しくてこんな文を書いたのだろう