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63.5話 転生うさぎの異世界設定(SS付き)

63.5話は四章開始時点での各キャラクターの説明と用語集、スキル集、あらすじ、おまけサイドストーリーをまとめた設定集となっています。

要所にトワが一言で解説(?)する、トワのうさポイント!も入っています。

サイドストーリーのみを閲覧したい方は、SS置場に同じサイドストーリーを投稿していますので、其方をご覧ください。










****** キャラクター詳細 ******


【名前】トワ

【性別】女性

【種族】月兎

【容姿・特徴】白銀色の髪、赤目


 地球からの転生者。地球での自分の記憶はほとんどないが、知識は一般的な高校生程度はある。転生時は野ウサギとして平原に転生。月兎に進化してからは人化も可能になった。人化した際は10才程度見た目の幼女になる。

 46話からは神獣種として進化して13歳ほどの少女に成長。胸は控えめ。また、体内にラプラスという名の悪魔の意識が宿っているが、普段は存在のほとんどを消しているため表に出てくることは無い。



――【武器・防具】――


・魔鉄や魔鉱石、アダマンタイトやオリハルコンといった鉱物を体に取り込んでおり、自在に武器や防具を作ることが可能。強いて言うならば、槍系の武器を使うことが多い。


・十六夜の大太刀・・・秋姫からもらった魔剣。魔力を流すことで刀身を伸ばすことができる。


・トワお手製の御守り・・・ダンジョン近くで出会ったうさぎの親子にあげた御守り。聖樹フローディアを素材にして、トワの魔力と混ぜて作った。聖樹の効果で魔物が、トワの魔力の効果で動物も寄ってこなくなる。予備ももちろん持っている。


・ムーンストーンの指輪・・・ムーンストーンの宝石をカボションカットしてミスリルのリングにはめた指輪。トワのお手製で〈月光浴〉のスキルと魔力貯蓄の効果が付与されている。



――【保有スキル(四章開始時)】――


【コモンスキル】


〈原初魔法レベル8〉〈潜伏レベル3〉〈精密索敵レベル7〉

〈神足レベル4〉〈空間跳躍レベル3〉〈魔力自動回復レベル10〉

〈料理レベル4〉〈舞操術レベル4〉〈体術レベル7〉

〈柔術レベル6〉〈姿勢制御レベル3〉〈投擲レベル7〉

〈痛覚遮断レベル3〉〈武具生成レベル4〉〈並列魔法レベル10〉

〈魔法複製レベル7〉〈精神強化レベル6〉


【エクストラスキル】


〈人体変化〉〈魔力返還〉〈聖魔混成体〉

〈魔力感知〉〈魔力眼〉〈魔力物質化〉

〈魔力操作〉〈並列思考〉〈念話〉

〈思念伝達〉〈精神干渉〉〈魂干渉〉


【ユニークスキル】


〈異世界からの来訪者〉〈月の女神〉〈全知の悪魔の加護〉



※トワのうさポイント!


 わたしについては特にコメントは無いのですが・・・。そうですね。魔法使い寄りの近接戦闘も出来る万能型の戦闘スタイルをしています。わたしの使う魔法はおかしいとよく言われますが、前の世界での知識や記憶、特に日本のアニメとかゲームとかの影響を受けているせいだと思います。なので、わたしは悪くありません。





    ――トワの眷族――



【名前】弥生やよい

【性別】女性

【種族】月兎

【容姿・特徴】白銀色の髪、金目


 トワがダンジョン『仄暗い洞窟』の近くで出会った白うさぎの子供の親。魔人になりトワの眷属になった。平常時は常識人で母親らしい落ち着いた人だが、トワに対して強い信仰心を持っていて、トワのことを神のように崇めている。同じ感性を持つプリシラと仲が良い。



――【武器・防具】――


・トワと一緒で魔鉱石を取り込んでいるので色んな武器が作れるが、特に槍を好む。



――【保有スキル(4章開始時)】――


【コモンスキル】


〈火炎魔法レベル1〉〈水魔法レベル5〉〈嵐魔法レベル1〉

〈土魔法レベル5〉〈重力魔法レベル5〉〈治療魔法レベル4〉

〈付与魔法レベル5〉〈生活魔法レベル7〉〈索敵レベル6〉

〈気配遮断レベル5〉〈俊足レベル4〉〈跳躍レベル3〉

〈料理レベル6〉〈槍術レベル3〉〈舞踊レベル3〉

〈体捌きレベル3〉〈魔力使用効率化レベル3〉〈魔法強化レベル2〉


【エクストラスキル】


〈人体変化〉〈魔力返還〉〈聖魔混成体〉

〈魔力感知〉


【ユニークスキル】


〈月兎の加護〉





【名前】卯月うづき

【性別】女性

【種族】月兎

【容姿・特徴】白銀色の髪、金目


 トワがダンジョン『仄暗い洞窟』で出会った白うさぎの子供。魔人になりトワの眷属になった。天真爛漫な女の子でいつでも笑顔だが、あまり頭が良くなく、考える前に行動するタイプ。トワを害するものやトワの悪口を言う者には容赦がなく、怒ると普段の笑顔が噓のように無表情になる。



――【武器・防具】――


・トワと一緒で魔鉱石を取り込んでいるので色んな武器が作れるが、主にモーニングスター(持ち手と鎖でつながった鉄球)を使う。



――【保有スキル(4章開始時)】――


【コモンスキル】


〈身体強化魔法レベル2〉〈生活魔法レベル1〉〈索敵レベル2〉

〈気配遮断レベル2〉〈怪力レベル8〉〈強固レベル9〉

〈俊足レベル6〉〈肉体強化レベル5〉〈跳躍レベル7〉

〈体術レベル8〉〈棍術レベル3〉〈投擲レベル5〉

〈自然治癒レベル3〉


【エクストラスキル】


〈人体変化〉〈魔力返還〉〈聖魔混成体〉


【ユニークスキル】


〈月兎の加護〉〈月の戦兎いくさうさぎ





【名前】如月きさらぎ

【性別】男性

【種族】月兎

【容姿・特徴】白銀色の髪、金目


 トワがダンジョン『仄暗い洞窟』で近くで出会った白うさぎの子供。魔人になりトワの眷属になった。人見知りで恥ずかしがり屋な性格。トワと二人っきりの時はとても甘えてくる。



――【武器・防具】――


・トワと一緒で魔鉱石を取り込んでいるので色んな武器が作れるが、主に二つの小太刀を使う。



――【保有スキル(4章開始時)】――


【コモンスキル】


〈闇魔法レベル7〉〈影魔法レベル4〉〈生活魔法レベル4〉

〈索敵レベル10〉〈潜伏レベル2〉〈静音レベル6〉

〈聞き耳レベル5〉〈俊足レベル9〉〈跳躍レベル6〉

〈刀剣レベル5〉〈二刀流レベル2〉


【エクストラスキル】


〈人体変化〉〈魔力返還〉〈聖魔混成体〉

〈魔力感知〉


【ユニークスキル】


〈月兎の加護〉





【名前】クーリア=ブラックキャット

【性別】女性

【種族】人工魔人(元獣人の黒猫族)

【容姿・特徴】黒髪ツインテール、金目


 『白の桔梗』のメンバー。冒険者ランクはA。強靭な肉体と身体強化での近接戦闘が得意な獣人には珍しく、魔法が得意で王立魔法学園を卒業している。魔法がとても好きで魔法の話になると止まらなくなるほど。普段は理知的でツンデレで人見知り。

 人工魔石を埋め込まれ人工魔人として生まれ変わってゼストの傀儡と成れ果てたのを、トワが人工魔石を取り除き代わりにトワの偽物魔石を埋め込んで強引に体を作り変えたことによって、トワの眷族として自らの意思を取り戻した。



――【武器・防具】――


・改造魔道銃(拳銃タイプ2丁)・・・帝国製の一般的な魔道銃をクーリアが魔改造した。クーリアの魔力にのみ反応し、爆発系魔法や空間干渉魔法等々の様々な魔法が登録されている他、マガジンを交換することで更に多種多様な魔法を扱うことが出来る。


・改造魔道銃(ライフルタイプ50丁以上)・・・帝国製のライフル型魔道銃をクーリアが魔改造した。基本性能は二丁拳銃より弱く、登録されている魔法も少ないが、50丁ものライフルを同時に扱って攻撃することが出来る。


・ティファニーストーンのペンダント・・・トワお手製のペンダントタイプの魔術具。白と紫のマーブル色をしている。効果は直感というスキル。嘘や偽りを見つける能力。


・ヘマタイトのペンダント・・・トワお手製のペンダントタイプの魔術具。色は真っ黒で艶のある宝石。効果は込められた魔力を使って一度だけあらゆる攻撃を防ぐ障壁を張る。リンナの形見。



――【保有スキル(4章開始時)】――



【コモンスキル】


〈業火魔法レベル2〉〈爆裂魔法レベル10〉〈氷雪魔法レベル7〉

〈嵐魔法レベル6〉〈土石魔法レベル6〉〈光魔法レベル2〉

〈闇魔法レベル3〉〈空間魔法レベル8〉〈時魔法レベル3〉

〈治癒魔法レベル2〉〈付与魔法レベル5〉〈錬金術レベル2〉

〈生活魔法レベル10〉〈身体強化魔法レベル6〉〈魔力自動回復レベル8〉

〈魔力使用効率化レベル8〉〈並列魔法レベル10〉〈魔法強化レベル8〉

〈棒術レベル2〉〈体術レベル2〉


【エクストラスキル】


〈並列思考〉〈高位魔法知識〉〈魔力感知〉

〈聖魔混成体〉〈魔力返還〉〈魔力操作〉

〈魔力物質化〉 〈魔力圧縮〉


【ユニークスキル】


〈月兎の加護〉〈虚無魔法〉



※トワのうさポイント!


 わたしの最初の眷族である弥生、如月、卯月も最初が動物のうさぎだったとは思えないほど強くなりましたね。あと、うさぎ姿がわたしに似てとても愛らしいですよ。うさぎ、可愛いですよね?

 新しく眷族となったクーリアさんですが、スキル構成を見てわかる通り、魔法のエキスパートです。魔法オタクですからね。ところで、彼女は猫なのでしょうか?わたしの眷族なのでうさぎなのでしょうか?気になります。




    ――月の領域の住人――



   【 聖獣 】


 トワの領域に住みついた聖獣達。眷族ではないが、トワのことを主と呼び忠誠を誓っている。

 聖獣とは、体が聖の魔力で構成された魔物のこと。全員が魔人として進化しており、個体ごとの戦闘力はとても高いが、戦いを好まず常に世界の情勢から離れた場所でひっそりと暮らしていた。


聖獣のリーダー達(トワが名付けた聖獣達)


ベガ・・・ペガサス(有翼の白馬)のリーダーであり、聖獣全体の代表でもある。人の姿になると青白い髪の青年の姿になる。


ユン・・・ユニコーン(額に角のある白馬)のリーダー。


ミラー・・・アルジミラージ(額に角があるうさぎ)のリーダー。


シー・・・ケットシー(二本足で立てる猫)のリーダー


レピオス・・・アスクレピオス(白い蛇)のリーダー


カール・・・カーバンクル(額に宝石の付いたうさぎっぽい尖った耳と竜の尻尾がある小動物)のリーダー。


オルト・・・オルトロス(双頭の犬)のリーダー。


ラスク・・・ラタトスク(リス)のリーダー。



※トワのうさポイント!


 聖獣がやって来た時は驚きました。お蔭様で我が領域には動物と神獣と聖獣と人間が共存している摩訶不思議な場所になっています。動物の種類が多いので動物園開けそうですね。





   【 その他 】


【名前】プリシラ

【性別】女性

【種族】人間

【容姿・特徴】金髪セミロング、緑色の目


 王国にある街ヘルスガルドの中の貧民区画にある小さな教会のシスターをしていた。孤児院も併設していて、親の居ない子供たちの面倒を見ている。トワに言葉と文字を教えた人。生物の魂を見ることが出来る魔眼の持ち主で、出会ってすぐにトワの正体を見破った。

 性格は温厚で、魔人だと分かっているトワに甲斐甲斐しく言葉を教えるほどである。また、かなり信仰心の高い人で、魔人の中でも特殊な出で立ちのトワのことを月の女神だと思っている。

 帝国との戦争が近いということでヘルスガルドから聖都に帰ったところをトワと再会し、より女神らしさが増して、しかも月の女神のスキルを持っているトワのことを本格的に信仰するようになる。月の領域でこっそり(トワにはバレバレ)弥生と一緒にトワを奉る教会を作ってそこで暮らしている。



――【保有スキル(4章開始時)】――



【コモンスキル】


〈光魔法レベル3〉〈治癒魔法レベル3〉〈生活魔法レベル3〉〈料理レベル3〉〈教育レベル5〉


【エクストラスキル】


【ユニークスキル】


〈魂魄眼〉



※トワのうさポイント!


 プリシラさんは、わたしの正体を知ってもなお、文字や言葉を教えてくれた恩人です。なのですが、最近ちょっと暴走気味というか、信心深いというか・・・。あまりわたしのことを女神とか言って広めないでくださいね?





    ――白の桔梗――



【名前】セラ=アリアンロッド

【性別】女性

【種族】人間→聖人

【容姿・特徴】茶髪サイドテール、赤茶色の目 


 『白の桔梗』のリーダーにして世界に5人しかいないSランク冒険者。

 性格は天真爛漫で、自分の興味のあることには積極的に関わる。普段はふざけているように行動しているが、必要と感じたら有無を言わせない冷徹さも持つ。

 尚、聖人として寿命を無くして生きることが出来るが、本人はまだその気は無く、意図的に聖人化を解除できるように訓練をしているため、必要に応じた時のみ聖人化して戦う。

 帝国騒乱後、大切な仲間を失ったセラはこれ以上大切なものを失くさないために『熾天使』として正式な聖人になるのを決意する。



――【武器・防具】――


聖剣セレスセィア・・・熾天使専用の聖剣。浄化の能力に特化していて、治癒や再生能力も阻害することが出来る。


セレスタイトのペンダント・・・トワお手製のペンダントタイプの魔術具。青灰色の水晶のような見た目の宝石。能力は魔力自動回復と常時クリーン魔法の発動。



――【保有スキル(4章から)】――



【コモンスキル】


〈光魔法レベル10〉〈聖魔法レベル10〉〈空魔法レベル6〉

〈海魔法レベル5〉〈業火魔法レベル2〉〈大地魔法レベル2〉

〈治癒魔法レベル10〉〈空間魔法レベル9〉〈身体強化魔法レベル10〉

〈付与魔法レベル8〉〈生活魔法レベル8〉〈魔力自動回復レベル5〉

〈剣神レベル3〉〈危険予知レベル2〉〈攻撃予知レベル3〉

〈潜伏レベル1〉〈精密索敵レベル2〉〈肉体超強化レベル2〉

〈神足レベル1〉〈状態異常無効レベル10〉


【エクストラスキル】


〈魔力眼〉〈魔力感知〉〈魔力刃〉

〈魔力操作〉〈魔力体〉〈魔力返還〉

〈浄化〉


【固有スキル】


〈熾天使〉〈剣聖〉



※トワのうさポイント!


 こうして見るとセラさんがどれだけ規格外の強さなのかよくわかりますよね。何より恐ろしいのは、セラさんってまだ16歳なのですよね。存在がチートと言われても仕方ありません。主人公こっちでも良かったのではないでしょうか?





【名前】エルアーナ

【性別】女性

【種族】エルフ→ハイエルフ

【容姿・特徴】金髪ロング(腰ぐらい)→プラチナブロンドのロング、藍色の目


 『白の桔梗』メンバー。冒険者ランクはA。高い技術の弓と、精霊魔法、付与魔法による中衛での支援を得意とする。近接戦闘用に短刀も携帯している。エルフ特有のスレンダーな体と整った顔立ちをしている。性格はマイペースで読書家。本のジャンルに特にこだわりは無く、とりあえず本を読みたいから読んでいるので内容をあんまり覚えていないことも多い。

 エルフの女王で、500年前のアリアドネの災厄で親友を失ってからは精霊王の加護を返還してハイエルフとしての力を失っていた。リンナの死をきっかけにして、再びハイエルフとして、エルフの女王として戻る決意をする。



――【武器・防具】――


精霊弓ユグドラシル・・・精霊王から渡された神弓。精霊界にある世界樹と呼ばれる特別な樹から作られたエルアーナ専用の弓。精霊王の加護と共に返還したが、再びその手に持った。


アレキサンドライトのペンダント・・・トワお手製のペンダントタイプの魔術具。太陽光では緑色、人工照明では赤色になる宝石。トワのこだわりでブリリアントカットになっている。効果は、緑色時は魔力回復、赤色時は魔法威力増大の二種類切替タイプ。



――【保有スキル(4章から)】――


【コモンスキル】


〈嵐魔法レベル7〉〈土石魔法レベル7〉〈光魔法レベル5〉

〈治癒魔法レベル6〉〈空間魔法レベル3〉〈付与魔法レベル8〉

〈生活魔法レベル2〉〈身体強化魔法レベル5〉〈魔力自動回復レベル5〉

〈弓聖レベル2〉〈短剣術レベル4〉〈視覚超強化レベル2〉

〈潜伏レベル1〉〈索敵レベル10〉〈知覚強化レベル6〉

〈攻撃予測レベル2〉〈状態異常耐性レベル9〉〈調合レベル8〉

〈調薬レベル10〉〈錬金術レベル2〉〈神医レベル1〉 


【エクストラスキル】


〈精霊眼〉〈精霊魔法〉〈自然魔法〉

〈魔力操作〉〈魔力感知〉〈薬草の心得〉


【ユニークスキル】


〈精霊王の加護〉



※トワのうさポイント!


 エルさんは、エルフだった頃は力の半分以上を失っていたそうですが、ハイエルフになってからはセラさんに次ぐ恐ろしい力を持った聖人になっています。でも、こちらはあまり驚きませんね。なんてったって、あの四季姫達と昔から縁があるらしいのですから。あの人達も規格外ですからねぇ・・・。





【名前】リンナ

【性別】女性

【種族】半魔族(鬼族と人族のハーフ)

【容姿・特徴】赤髪ショート 赤目


 『白の桔梗』メンバー。冒険者ランクはA。身の丈以上の幅広の大剣と腰に差してある長剣で戦う前衛のアタッカー兼タンク。麗人風のキリっと顔立ちをしていて、サバサバした性格も合わさって女性にモテる。本人曰く脳筋だが、冒険者として100年以上活動していて、その活動で培った知識や経験が豊富で勘も鋭い。一時期は『赤鬼の剛剣』という通り名で呼ばれていた。

 帝国騒乱時に死亡。



※トワのうさポイント!


 リンナさんのことは残念だった。と言う他ありません。出会いこそ、わたしの親友であるスライムさんを殺した一人ではありますが、人としての性格はとても好ましいものでしたからね。もしわたしが人として転生したとしたら、死なせるようなことは無かったかもしれません。・・・いえ、無駄な仮定でしたね。




    ――神獣――


【名前】フェニックス

【性別】女性

【種族】炎鳥フレイムバード

【容姿・特徴】鮮やかな赤髪(短いポニーテール)、赤目、虹色の炎の羽(人の姿の時でも出せる)


 王国南部の更に南、獣王国より南の海に近い活火山に領域を持つ不死鳥。世界に五体居る神獣の一体。元の種族は炎鳥。理性的で誠実、真面目で世話焼きなお姉さん的な存在で、トワのことをそれこそ妹のように可愛がっている。魔物の姿は全長4メートルを超える虹色の炎に包まれた鳳凰。



――【保有スキル】――


【固有スキル】


〈神霊鳥〉〈輪廻転生〉



――【フェニックスの眷族】――


フレイ・・・フェニックスの眷族。フェニックスにとてもよく似た容姿で、二人で並ぶと姉妹にしか見えない。真面目な主に似ず、不真面目で好奇心旺盛で茶目っ気のある性格。不真面目はともかく、その他はフェニさんの眷族らしいとトワは思っている。


ブレイズ・・・フェニさんの眷族。男性で、真面目で堅物な性格。本人は否定しているが、トワの眷族である弥生を気にかけているようで、フレイ曰く「ヒトメボレってやつですよ!」




【名前】フェンリル

【性別】女性

【種族】雪白狼スノーホワイトウルフ

【容姿・特徴】白藍色の髪、蒼目


 王国の露天風呂で出会った謎の魔人。正体は世界に五体居る神獣の一体。帝国の更に北にある雪原に領域がある。マイペースな性格で自分の領域からでてあちこちふらふらしていることが多い。神獣の中では初めてトワと出会い、トワを神獣にするのを企てた張本人。魔物姿は10メートルを超える体躯に威厳のある白い毛並みの狼。元の種族は雪白狼。



――【保有スキル】――


【固有スキル】


〈神狼〉〈絶対零度〉



――【フェンリルの眷族】――


フィン・・・フェンリルの眷族。多くの眷族を持つフェンリルの中でも最古参で最も力が強い。また、いい加減ですぐ領域から居なくなる主の代わりに領域の管理を一手に引き受けている苦労者。性格は礼儀正しく真面目で向上心が高い。何かと文句は言っているが主であるフェンリルのことはきちんと慕っている。





【名前】ヤマタノオロチ

【性別】女性

【種族】白大蛇(ホワイトスネーク)

【容姿・特徴】長い黒髪、金目


 公国の常秋の領域近くにある領域に住む白蛇。世界に五体居る神獣の一体。元の種族は白大蛇。魔物の姿は8本の首のある巨大な蛇。分裂するとただの大きな白蛇になる。性格は好戦的でイタズラ好き。また、重度の酒好きで、よくトワの家に入り浸っては酒を飲んでいる。



――【保有スキル】――


【固有スキル】


〈八岐大蛇〉





【名前】ヘカトンケイル

【性別】男性

【種族】ベヒモス

【容姿・特徴】紫髪、赤目


 王国と聖国の境界上にある魔の森の中心に領域を持つ巨大獣。世界に五体居る神獣の一体。元の種族から変化していない。魔物の姿は体長が100メートルを超える。トワ曰く大怪獣。性格は好戦的で強者を好むが、オロチに比べると良心的らしい。



――【保有スキル】――


【固有スキル】


〈不倒巨獣〉




【名前】ウロボロス

【性別】男性

【種族】グレイドラゴン

【容姿・特徴】灰色の髪、灰色の目


 王国と魔国、帝国の三国の境界線上にある山脈に領域を持つドラゴン。世界に五体居る神獣の一体。種族的には、元の種族から変化していないが、全くの別物な存在。


――【保有スキル】――


【固有スキル】


〈破壊と再生〉〈無限竜〉



※トワのうさポイント!


 神獣の皆さんには本当にお世話になっています。ウロボロスさんとはまだ会っていないですけどね。特にフェニさんには、沢山相談に乗ってくれたり、いろいろと助力してもらいましたからとても感謝していますよ。フェニさんマジ天使です!鳥ですけど。





    ――人間界――


    ――【 アスタルト聖国 】――



【名前】ソフィア

【性別】女性

【種族】聖人

【容姿・特徴】緑色の髪(肩甲骨くらい)、ややつり目のダークグリーン色の目。


 聖国の政務と様々な雑務を担当している上位天使の智天使。魔力量だけならば聖国の中では一番多いが、滅多に戦線には出てこない。



――【武器・防具】――


・聖輪デュミナスリング・・・最大で64もの輪に分かれる円月輪と呼ばれる武器。魔力で遠隔操作して戦う。


・銀縁のメガネ・・・鑑定スキルがついている魔術具。ちなみに度は入っていないので伊達メガネ。



――【保有スキル】――


【固有スキル】


〈智天使〉





【名前】リーチェ

【性別】女性

【種族】聖人

【容姿・特徴】ピンク色の髪のセミロング、青い炎のような色の目


 聖国の防衛と危険な魔物の討伐などの戦闘面を担当している力天使。聖国では魔力が多いため上位天使扱いだが、正確には中位天使である。



――武器・防具――


聖鎚アストロブロム・・・力天使専用武器。物理攻撃と範囲攻撃が強力な大鎚。もちろん、高い浄化能力もある。



――保有スキル――


【固有スキル】


〈力天使〉





    ――【 聖国 十二天騎士 】――


 聖国騎士団の団長、副団長の職につくエリート。冒険者でいうAランク~限りなくSに近いほどの実力を備えており、筆頭のカルタは聖人として文句なしにSランク冒険者並みの実力を誇る。



カルタ・・・十二天騎士筆頭。筆頭の仕事は上位天使の護衛とされているため、騎士団とは別の命令系統がある。間延びした口調でやる気のない雰囲気を漂わせるが戦闘力はとても高い。本人は否定しているが、総合的な強さでは力天使のリーチェより強い。聖人であり、500年前に聖天使の専属護衛をしていた過去がある。黒い騎士服を着ていて全身が真っ黒なのがトレードマークで、武器もアダマンタイト製の黒い剣。黒い髪で赤目。



ユーフォリア・・・十二天騎士次席。次席は筆頭の補佐が仕事なため、筆頭と同じく騎士団とは別系統である。真面目な性格で、いつも不真面目でやる気のない筆頭の補佐をしている。聖人ではないが、幼い頃からカルタに憧れて武術を磨き、次席にまで至った努力家。トワと出会ってからはこっそりとトワのことを月の女神として信仰している。青い髪で青い目。武器は槍。



イーティア・・・十二天騎士七席。サバサバした性格で真面目というか固い性格。武器は剣と盾



※トワのうさポイント!


 聖国は兎に角、浄化持ちが多いので、魔物にとっては本当に嫌なところですよね。人間にとっては女性が多いこの国は華やかで良いところではないでしょうか。あ、でも勧誘とかうるさそうですね。宗教はお断りします。





    ――オズワルド王国――


リード・・・男性。王都冒険者ギルドのギルドマスター。つかみどころのない胡散臭い性格をしているがとても優秀。本人もAランク冒険者として活動していた。



カリン・・・女性。王都冒険者ギルドの受付嬢。リードが冒険者だった頃の元パーティーメンバーで、王都の冒険者ギルド内実質ナンバー2。



ジークフリート・・・男性。王国騎士団総隊長。聖人でグレンの親友であり戦友。



レティアーナ・・・エルフの女性。エルアーナの知り合いで、王立図書館の責任者であり司書。何体もの人形を操るスキルを使って広大な図書館の管理をしている。



※トワのうさポイント!


 王国は一応わたしが転生した場所でもあります。王都から北にある辺境のヘルスガルドという街の、更に北にある広大な草原がわたしの始まりの地です。いろいろ落ち着いたら、またあの草原でお月見したいものです。




    ――エスタシオン公国――


 四季姫と呼ばれる季節を司るスキルを持った姫達が統治している国。建物の様式や生活面は昔の日本に近い。



【名前】春風 桜(はるかぜ さくら)

【性別】女性

【種族】聖人

【容姿・特徴】桜色の髪(肩甲骨付近まであるストレート)、桜色の瞳


 見た目は14~16歳ぐらいの少女。いつも春柄の着物を着ている。

 公国のトップで四季姫(しきがみ)の一人。通称は春姫。春を司っていて、公国内にある常春の領域の主。また、四人姉妹の三女でもある。

 他の姫達が他国との交流に積極的ではないため、対外的なところはほぼ全て桜がやっている。また、四季姫の中では争いごとを最も嫌う性格だが、戦闘面では一番強い。

 尚、普段外にいるのは実は陰陽術で作った分身体で、本体は公国中央にある四季の社の地下で眠っている。



――【武器・防具】――


妖刀・桜花・・・春風桜専用の妖刀。鞘が無く、刀身が2メートル近くある長刀。本物は収納魔法に仕舞ってあり、分身体は体内に劣化コピーを取り込んでいる。死者の魂を食らうことで刀身が段々と赤色に染まっていき、より切れ味が上がっていく能力がある。本物はすでに真っ赤に染まっていて、オリハルコンすら抵抗なく斬れるほどの切れ味を持つ。


桜花賢覧の着物・・・春風桜専用の着物。母親に作って貰ったもので、桜の魔力でいつでも修復、復元、再生、複製が出来る。見た目は普通の着物だが、ミスリルの剣すら弾く防御力がある。普通の着物タイプや浴衣タイプ、十二単や果てには和ゴスロリ風まで多彩な種類を保持している。


――【保有スキル】――


【固有スキル】


〈四季神・春〉





【名前】秋風 紅葉(あきかぜ もみじ)

【性別】女性

【種族】聖人

【容姿・特徴】紅葉色の髪(腰上ぐらいまであるストレート)、銀杏色の瞳


 見た目は16~18歳ぐらいの少女で秋をモチーフにした柄の着物を着ている。

 四季姫の一人。通称は秋姫。秋を司っていて、公国内にある常秋の領域の主。四人姉妹の長女でもある。

 性格は興味のあるなしがはっきりしていて、興味のあるものにはとても親身だが、興味のないものには全く取り合わない。領域に住んでいる人々に危害を加えられるのは激怒するが、個々人には興味はないという面倒な区分けをしている。基本的には常秋の領域内にある秋の社からあまり出てこない。

 春姫と同じく普段外にいるのは実は陰陽術で作った分身体で、本体は公国中央にある四季の社の地下で眠っている。



――【武器・防具】――


妖刀・彼岸花・・・秋風紅葉専用の妖刀。見た目は鞘付きの一般的な刀。肉体を傷つけずに魂を斬ることが出来る。もちろん、普通に肉体を斬ることも出来る。


秋華賢覧の着物・・・秋風紅葉専用の着物。性能は春姫と同じ物だが柄が秋をモチーフにしている。春姫のバリエーション豊かな種類の着物を見て羨ましがっているが言い出せずにいる。


――【保有スキル】――


【固有スキル】


〈四季神・秋〉





【名前】冬風 椿(ふゆかぜ つばき)

【性別】女性

【種族】聖人

【容姿・特徴】雪色の髪(太ももが隠れるほどの長髪)、氷色の瞳。


 見た目は19~22歳ぐらいで、若いが大人の雰囲気のある女性。冬をモチーフにした着物を着ている。

 四季姫の一人。通称は冬姫。冬を司っていて常冬の領域の主。四人姉妹の次女。

 性格は引きこもりで怠惰で人嫌い。秋姫以上に誰かと関わるのを嫌うが、自分の世話をしてくれる巫女達にだけは甘い。こんな性格だが、危機的な状況の時にはきちんと行動はする。

 春姫と同じく普段外にいるのは実は陰陽術で作った分身体で、本体は公国中央にある四季の社の地下で眠っている。



――【武器・防具】――


妖刀・雪月花・・・冬風椿専用の妖刀。刀身は身長と同じくらいある。鞘付き。接触対象を凍らせる能力の他に、精神を凍らせることも可能。この能力により生きているだけの屍を生み出すことが可能だが、精神が強い相手や精神が未熟すぎる相手(幼子など)には効果が無い。


雪花賢覧の着物・・・冬風椿専用の着物。性能は春姫と同じだが柄が冬をモチーフにしている。



――【保有スキル】――


【固有スキル】


〈四季神・冬〉





【名前】夏風 向日葵(なつかぜ ひまわり)

【性別】女性

【種族】聖人

【容姿・特徴】新緑の髪色のショートカット、空色の瞳。


 見た目は13~15歳ほどの全体的に小柄な少女。夏をモチーフにした着物を着ている。が、魔改造した露出の多い恰好になっている。

 四季姫の一人。通称は夏姫。夏を司っていて、常夏の領域の主。四人姉妹の末っ子。

 いつも元気で好奇心旺盛な性格。一日のほとんどを社の外であちこちで歩いていることが多いため、執務関係はほとんど巫女がやっている。

 春姫と同じく普段外にいるのは実は陰陽術で作った分身体で、本体は公国中央にある四季の社の地下で眠っている。



――【武器・防具】――


妖刀・立花(りっか)・・・夏風向日葵専用の妖刀。見た目は普通の小太刀。この刀で斬っても傷が残らず、使用者の任意のタイミングで一気に傷を与えることが出来る。予めこの刀で致命傷を与えて傀儡にし、用済みになったら殺したり、対魔物戦では魔力の回復が間に合わない程の傷を付けてから、時間差で一気にダメージを与えることが可能。


華夏賢覧の着物・・・夏風向日葵専用の着物。性能は春姫と同じだが柄が夏をモチーフにしている。丈の短いスカートのようにしたり、肩口をバッサリと無くして肩が丸見えであったりと非常に露出の激しい改造をしている。冬姫曰く、はしたない。秋姫曰く、恥ずかしくないのか?春姫曰く、向日葵ちゃんらしいとのこと。



――【保有スキル】――


【固有スキル】


〈四季神・夏〉



※トワのうさポイント!


 四季姫の中の春姫と秋姫の二人にしか会ったことがありませんが、どの四季姫もとても長生きしている聖人で、世界の中でもトップクラスの戦闘力を誇っています。でも、それぞれ性格に難があるようですね。春姫さんが比較的まともに見える時点でお察しです。それと、姉妹仲は悪くないようですが、過去はいろいろとあったようですよ?




    ――四季の巫女――


 四季姫達を補佐し、守る巫女。各四季姫達に最低でも一人は付き添っている。



紅羽・・・秋姫の巫女。元は春姫の巫女だったが、先代の秋姫の巫女が死んだ際に春姫が引き渡した。他の巫女達と比べてもかなりの古参であり、一人で数人分の巫女の仕事を平然とこなす。



凛音・・・冬姫の巫女。浄化の能力に長けた巫女。



詩乃・・・夏姫の巫女。紅羽と同期の古参の巫女。



桜蘭・・・春姫の巫女。紅羽ほどでは無いが、そこそこ古参の巫女。




    ――公国・その他――


美烏・・・秋の領域にある『紅い森』に住む魔人、天狗の眷族。公国では、公国内に住む四季姫と関わりのある一部の魔人のことをあやかしと呼んでいる。名前が違うだけで魔人と変わらない。天狗はカラスの羽と赤い面を被っているのが特徴。紅い森に住む天狗は双子型の変異のため二体居て、美烏はそのうちの女性の天狗の眷族。





    ――Sランク冒険者――


 冒険者ギルドに所属する世界に5人しか居ない冒険者。対魔物、魔人のスペリャリストで人類の守護者として広く知られている。4章始まりの時点で2人死亡しており、更に1人は魔人になったため、現在は2人しかいない状態。だか、セラが聖国の重役になったため、冒険者としての名前は残っているものの実質所属していない。



セラ・・・白の桔梗のリーダー。今まではちゃんとした聖人では無かったが、聖国の聖女として所属し、熾天使の力を全開放することで正式に聖人となった。国の重鎮となるが、まだ冒険者カードを返納していないので冒険者としての肩書も残っている。詳しくは白の桔梗欄にあるセラ=アリアンロッド参照。


グレン・・・王国所属の冒険者で見た目はかなりの歳のおじいさん。500年前のアリアドネの災厄で活躍した英雄で、その時に家族を失っており魔人に対して強い憎悪を抱いている。冒険者ギルドの魔物や魔人の方針を変えた人物でもある。魔人となった同じSランク冒険者のゼストと戦い、心臓を取られるも人工魔人にされないように体を残さず自害した。


ゼスト・・・帝国所属の冒険者だったが、聖人の限界を感じ、より強い力を求めて人工魔人となった。魔法に関する高い知識と才能を持ち、〈原初魔法〉の体得にまで至る。帝国騒乱時にセラと戦闘し左腕を失って浄化に力で回復出来ないでいたが、Sランク冒険者のグレンを殺害し、その心臓を取り込むことで魔力を増やして治療させた。


コンゴウ・・・『聖拳のコンゴウ』の名で知られていた聖国所属のSランク冒険者。魔物の変異種の魔石を集めていたトワと出会い戦いを繰り広げて敗北。トワによって殺害された。その際、トワが心臓を回収し、神獣化への糧としての役割を果たした。


ゼロ・・・『死神ゼロ』の名で知られている無所属のSランク冒険者。聖人になった時に自身の持つ悪魔スキルが覚醒し、意識を奪われそうになったのを自身の名を犠牲にして阻止した。そのためゼロという名はその後につけられた仮名であり、失われた本当の名前は世界中のどこにも存在しない。斥候職のプロでたまにトワの領域を訪れては如月に戦闘指導をしている。



※トワのうさポイント!


 Sランク冒険者とは何かと縁がありましたね。セラさんもそうですが、今ではゼロさんとも交流がありますし。それと、ゼロさん以外とは戦ったこともありますからね。わたし、本当によく生き残れました。誰かご褒美にお月見団子ください。





    ――トワの前世関係――


【名前】月代 永久

【性別】女性

【年齢】18

【容姿・特徴】長い黒髪、黒目


 前世でのトワ。学校での成績はトップでは無いものの常に上位に位置し、殆どのことを器用にこなす。また、非常に優れた容姿とカリスマがあり、どの学校でも入学して次の日にはファンクラブが出来ていたほど。ただし、本人は才能の無い少し成績優秀な程度の凡人だと思っており、自身の人気も、卒業した兄の人気をある程度受け継いだだけ程度に思っている。

 幼い頃から両親に天才であることを強いられ、結局、才を見付けられなかった永久は、両親から切り捨てられ一生を人形として生きることが確約していた。逃げることの出来ない現実と、自身の生きる場所、居場所を見失った永久は絶望し、高校卒業式前日に、住んでいる高層ビルから身を投げた。



【名前】月代 輪音

【性別】女性

【年齢】15(永久が生きていた当時)

【容姿・特徴】姉を真似た長い黒髪、黒目


 永久の妹。愛らしい容姿を持ち、IQ200を超える天才で、科学の分野で若くして博士号を持っている。

 姉である永久のことがとても大好きで、話す話題を探すためにネットからよくわからないテキトーな知識を持ってきたり、自身の研究について等をとにかく会う機会を作っては話しまくる。そのせいで、永久が中途半端に妙な知識が身に付いてしまうという弊害が起きた。



【名前】月代 全

【性別】男

【年齢】21(永久が生きていた当時)

【容姿・特徴】黒髪、黒目


 永久の兄。とても整ったいわゆるイケメンな顔をしていて、彼が微笑み掛けて落ちなかった女性は居ないとさえ言われている。

 全ての成績において永久の上を行く天才で、勉学は全国一、運動も、どの競技のスポーツをやっても全国大会に行けるほどのハイスペック。

 兄として永久のことを心配しているが、両親に一番近い立場であるため永久から毛嫌いされていて、それを察した全も永久から距離を置いている。



【名前】今井 綾

【性別】女性

【年齢】17(永久が生きていた当時)

【容姿・特徴】永久を真似たストレートの黒髪、黒目


 永久の通う高校に入学してからずっと永久に付きまとっている永久の後輩。

 人身掌握の能力に長けていて、水面下に存在していた永久ファンクラブを表舞台に引きずり出して、ファンクラブ会長の座を乗っ取った。

 最終的には永久から信頼される数少ない人物になり、永久の後を継いで生徒会長になった。



【名前】宮川 千鶴

【性別】女性

【年齢】27(永久が生きていた当時)

【容姿・特徴】黒髪、黒目


 永久の通う高校の教師。入学当時から全てを諦めたように偶像として生きる永久を気にかけ、何かと世話を焼いている。

 個性的な生徒が集まる学校の生徒指導を担当しており、痕の残らない体罰をしたり、長時間笑顔でねちねちとした説教をすることで恐れられている。

 柔道、空手、合気道の有段者であるが、彼女の一番の才能は観察眼である。遠目から一ミリレベルの間違いを見付けるほどに優秀な観察眼があったからこそ、永久の分厚い偶像を見抜けた。永久が信頼を置く数少ない人物のひとり。



※トワのうさポイント!


 前世の話って、わたしがして良いのでしょうか?設定上は忘れているのですが・・・。まぁ、いろいろと面倒な家族の間に生まれて、勝手に何もかも諦めて死んだ愚か者の過去の話です。わたしの事なんですけどね。




****** スキル詳細 ******




    【コモンスキル】


〈原初魔法〉・・・全ての魔法行使に補正(小)。使用者のイメージであらゆる現象を魔法として行使出来る。レベルで補正量増加。


〈各魔法スキル〉・・・対応する魔法行使に補正。下位スキルで(中)中位スキルで(大)上位スキルで(極大)。スキルが上位に上がらないものは全て(中)補正。


〈潜伏〉・・・気配遮断の上位派生スキル。今までの気配を消す能力を備えつつ、物陰に隠れている場合、相手の視界に入りにくくなる。レベルで性能強化。


〈精密索敵〉・・・索敵スキルの上位。周囲索敵時により詳しい情報を得ることが出来る。また、隠れている生き物を看破する能力が上がる。レベルで性能強化。


〈神足〉・・・俊足スキルの上位。俊足より行動速度を速めることに補正(大)。レベルで補正量増加。


〈怪力〉・・・筋力による身体能力が上昇(中)。レベルで上昇量変化。


〈強固〉・・・体を硬質化させる。レベルで防御性能変化。


〈肉体強化〉・・・全ての身体能力が上昇(小)。レベルで上昇量変化。


〈空間跳躍〉・・・跳躍スキルの上位。跳躍より高く跳ぶことに補正(大)レベルで補正量増加。レベル応じて空中でもう一度跳ぶことが出来る。


〈魔力自動回復〉・・・魔力が自動で回復する(極小)。レベルで回復量増加。


〈料理〉・・・料理を作る際に手際や品質に補正(小)。レベルで補正量増加。


〈舞操術〉・・・舞踊と武器術の複合上位スキル。あらゆる動きが洗練され、舞うように見える補正(中)。あらゆる武器を扱うことが出来る(中)。レベルで補正量増加。


〈各武器スキル〉・・・対応する武器種の扱い方に補正が掛かる。初期スキルで(中)、中位スキルで(大)、上位スキルで(極大)。レベルで補正量増加。


〈体術〉・・・体を使った戦闘術に補正(小)。レベルで補正量増加。


〈柔術〉・・・攻撃を受け流す技術に補正(小)。レベルで補正量増加。


〈投擲〉・・・物を投げた際の命中と威力に補正(小)。レベルで補正量増加。


〈痛覚遮断〉・・・痛みを軽減する(小)。レベルで軽減率増加。


〈武具生成〉・・・武器や武具を魔素で生成した際に補正(小)。レベルで補正量増加。


〈魔力使用効率化〉・・・魔力を消費する行動時に魔力の消費量を減らす(極小)。レベルで消費量変化


〈魔法強化〉・・・魔法使用時に魔力の消費を上げる代わりに威力を上げる(小)。レベルで消費量と威力増加


〈静音〉・・・自身が出す音が小さくなる(小)。レベルで効果量増加


〈聞き耳〉・・・遠くの音を拾えるようになる(小)。レベルで効果量増加


〈影魔法〉・・・分類〈影魔法〉を行使する際に補正(中)。レベルで補正量増加


〈二刀流〉・・・二つの武器を扱う際に補正(小)。レベルで補正量増加


〈自然治癒〉・・・傷を負った時に自然と回復する能力が上昇する(極小)。レベルで上昇量増加


〈姿勢制御〉・・・姿勢を制御する動きに補正(中)。レベルで補正量増加


〈並列魔法〉・・・複数の魔法を行使する能力に補正(中)。レベルで補正量増加。


〈魔法複製〉・・・同じ魔法を複製する際の使用魔力が低下し、よりスムーズに複製しやすくなる(中)。レベルで効力上昇。


〈精神強化〉・・・精神力が上昇し、感情を抑制する能力が上がる(中)。レベルで効力上昇。



※トワのうさポイント!


 コモンスキルは中位スキルを持っているだけで人間界では上位者扱いらしいですよ。上位スキルなんてものは一部のAランク冒険者やそれこそSランク冒険者、または、名のある騎士や兵士しか持っていないそうです。




    【エクストラスキル】


〈人体変化〉・・・人族の体に変身することが出来る。


〈魔力返還〉・・・あらゆる物を魔力として体に取り込むことが出来る。


〈聖魔混成体〉・・・聖なる魔力と魔なる魔力が混ざり合った体。


〈魔力感知〉・・・周囲にある魔力を感知出来るようになる。


〈魔力眼〉・・・魔力を視覚で見ることが出来るようになる。


〈魔力物質化〉・・・魔力を物質化させて、直接物に干渉させることが出来るようになる。


〈魔力操作〉・・・魔力が操作出来るようになる。


〈並列思考〉・・・複数のことを同時に思考出来るようになる。


〈念話〉・・・周囲に自身の言葉を伝えることが出来る。


〈思念伝達〉・・・互いの魔力を通じて自身のイメージを伝えることが出来る。


〈精神干渉〉・・・魔力を使って対象の精神に干渉することが可能になる。


〈魂干渉〉・・・魔力を使って対象の魂に干渉することが可能になる。



※トワのうさポイント!


 エクストラスキルは技能なので、同じスキルを持っている者同士でも扱いに差が出ます。なので、手に入れたらそのスキルの練習をしっかりとして使いこなす必要があるのです。陰で努力しているのですよ。




    【ユニークスキル】


〈異世界からの来訪者〉・・・異世界から転生し、異世界の知識、技能を持つ。コモンスキルの成長が早くなる。スキルを覚えやすくなる。





〈月の女神〉・・・月が出ている時に身体能力と魔力量が大きく上昇し、以下の能力を得る。月光の量で上昇量変化。


・〈月光浴〉・・・月光の当たる量で魔力自動回復量増加(極大)


・〈血月の狂化〉・・・ブラッドムーンが出ている時、身体能力が更に増加(極大)


・〈蒼月の進化〉・・・ブルームーンが出ている時、魔力量と回復量が更に増加(極大)


・〈闇月の神化〉・・・新月の時、身体能力と魔力量と魔力自動回復量が更に増加(中)。〈月魔法〉の性能変化。


・〈月魔法〉・・・月魔法と重力魔法が使用可能になる。


・〈月神覇気〉・・・月の魔力の強力な威圧を発することが出来る。魔力の多さで威圧の威力上昇





〈全知の悪魔の加護〉・・・ラプラスの悪魔の加護。以下の能力を得る。


・〈全知の瞳〉・・・全てを見抜く魔眼。あらゆく隠蔽を見抜き、あらゆる物質、物体を鑑定することが出来る。


・〈因果予測〉・・・あらゆる因果から結果を導き未来を予知する。


・〈魔素体〉・・・魔力の元素から構成される体。心が破壊されない限り存在が消滅することはない。


・〈魔力活性化〉・・・魔力を活性化させて、魔力を変質させることが出来る。





〈月兎の加護〉・・・月兎の加護を得る者。月が出ている時、魔力量、身体能力が上がる。以下の能力を得る。


・〈月光浴〉・・・月光の当たる量で魔力自動回復量増加(中)


・〈血月の狂化〉・・・ブラッドムーンが出ている時、身体能力が更に増加(中)


・〈蒼月の進化〉・・・ブルームーンが出ている時、魔力量と回復量が更に増加(中)





〈月の戦兎〉・・・月の女神を守る戦士。身体強化系スキルの効果を大きく上げ、身体能力も大きく上昇する。また以下のスキルを得る。


・〈月光浴・戦〉・・・月光の当たる量で身体能力上昇(大)


・〈血月の狂化・戦〉・・・ブラッドムーンが出ている時、身体能力が更に上昇(大)。痛覚無効を得る。


・〈直感・戦兎〉・・・危険予知(大)、攻撃予知(大)の能力を得る。


・〈反射行動・戦兎〉・・・攻撃された際に自動で回避、反撃する(大)。





〈魂魄眼〉・・・生物の魂を視ることが出来る。



※トワのうさポイント!


 なんだか、わたしや、わたしの知り合いは持っている人が多いので固有スキルの希少価値がわからなくなりますね・・・。






****** 用語集 ******




魔物・・・魔力を多く持つ動物。魔力を多く持つ動物。基本的に〈魔力体〉だが、肉体はある。


魔力体・・・エクストラスキル〈魔力体〉のこと。肉体のある魔物や聖人は普通の生き物と同じで、急所を攻撃されると死に至る可能性があるが、全てが魔力のみで構成された『完全な魔力体』の場合は、基本的に魔力が尽きない限り基本的に死ぬことは無い。完全な魔力体は一部例外を除いて魔人しか持っていない体

である。


魔物の変異種・・・特定条件により強力な変異を遂げた魔物。変異には種類があり、巨大化する巨躯型、二対一体になる双子型、知能がとても高くなる頭脳型、体が硬質化する防御型等々とても多彩。基本的には各地方で数年に一度ほどしか現れないとされている。


魔人・・・魔物の変異種が進化して、人と変わらない知能と人の姿に変わることが出来る魔物。肉体が無くなり完全に魔力のみで構築された体を持っていて、魔力が無くなるまで傷を負わせるか、回復が追い付かないレベルでダメージを与えて倒すのが一般的。


聖人・・・人族(人間や獣人、エルフ、ドワーフなどの亜人と魔族も含む)が〈魔力体〉スキルを手に入れて進化した状態。肉体が無くなったわけではないので、心臓を貫かれたり頭をはねられたりしたら死んでしまう。また、聖人化すると寿命が無くなる。厳密に言うと魔人の劣化に近いが、人族が進化した聖人の方が魔人よりも魔力量が高いという利点がある。


神獣・・・世界各地にある領域と呼ばれる場所に住む強大な力を持つ魔人。現段階では主人公含めて6体存在する。神獣という名称は人族が勝手に呼称を始めたものだが、神獣側が他の魔人と区別するためにその名称を自称することになり、区分的には魔人ではあるが神獣という分類として分けられている。


聖獣・・・聖の魔力で体が作られた魔物。非常に数が少なく、人族からは伝説上の生き物とされている。現在は一部の聖獣達が主人公の領域で暮らしている。


龍・・・正解最強の生物。普段は大陸から少し離れた孤島にひっそりと暮らしている。この龍の眷族が竜となり、それが野生化したものがドラゴンとなり、そこからワイバーンなどの亜竜が生まれたと言われている。


悪魔、天使・・・遥か大昔に人族が異世界から呼び出した存在。呼び出された天使と悪魔達はこの世界を掌握しようとしたが、全て神獣と龍によって討伐された。だが、この世界の住人でないが為に、中途半端な輪廻転生が作用し、スキルという形で適正のある人族の中に生まれ変わって生き残っている。


悪魔スキル、天使スキル・・・かつての悪魔、天使がスキル化したもの。強力な個体の悪魔や天使のスキルにはその悪魔や天使の自我があることがあり、宿主の意識を奪おうとすることがある。


魔力・・・魔の魔力と聖の魔力に分かれて存在する。一般的には魔の魔力と呼ばれるもの。世界を創る構成物の一つで、あらゆる物質、現象に変異する。世界の核から地脈を通して世界中に供給されている。


聖の魔力・・・魔を払う聖なる魔力。唯一魔の魔力を消滅させることが出来る。一部の生物、植物が保有している。


浄化・・・主に天使スキルが持つ能力。魔力を用いて聖の魔力に変換し、対象の魔の魔力と対消滅させる能力。聖剣や聖鎚などで攻撃された際に出来る浄化の傷には魔力を消滅させる能力の他に、与えた傷を魔力で回復させないように阻害する能力もある。これらは、聖の魔力を消滅させるほどの魔力で上書きしなければ即座に回復出来ない。


領域・・・自身の創造した世界を魔力を使って創り出す世界魔法。この魔法は維持魔法で、術者が制御している限り魔力量の最大値が減っている状態になる。非常に魔力消費の多い難度の高い魔法。神獣や一部の聖人たちはこれに礎の核と呼ばれる物を用いて自身の制御から独立させて領域を常時展開させている。また、基本的に領域の外から中は覗けなく、中から外の景色を見ることも出来ない。外から領域を見ると黒い魔力のが蠢いている結界が張ってあるように見える。


礎の核・・・神獣達や一部の聖人が領域を維持するために用いる魔術具。術者の制御が外れたことで礎の核の魔力を消費して領域を維持するが、魔力が自然消費されるようになり、また領域内を改造する際にも魔力を消費するため、定期的に魔力を補給する必要がある。


月の領域・・・主人公トワが創り出した領域。聖国の西端にある聖樹の森の大部分を使っている。常夜の世界で夜空には大きな満月が常に輝いている。また、各聖樹を通して領域中に魔力の粒子が飛び交っていて、夜の森にしては暗い印象を与えない幻想的な世界。


炎熱の領域・・・神獣の一体、フェニックスが管理している領域。獣王国の南にある火山の頂上付近にある領域で、広さは他の神獣達に比べて一番狭い。あちこちに火山ガスが噴き出し、とても気温の高い過酷な環境。また、天然温泉がある。


氷雪の領域・・・神獣の一体、フェンリルが管理している領域。帝国の北にある雪原地帯のほぼ全てを領域としていて、特定の場所以外は常に視界を奪う猛吹雪が吹き荒れる過酷な環境。


古竜の領域・・・正式な名前は天地の領域。神獣の一体、ウロボロスが管理する領域。帝国、魔国、公国、王国が交わる国境に位置し、大陸を二分する山脈とそこから魔国と帝国を分断する山脈にぶつかる場所に領域がある。


巨獣の領域・・・正式な名前は魔境の領域。聖国と王国の間にある広大な魔の森と呼ばれる場所にある領域で、もっとも敷地の広い領域でもある。天地の領域に次ぐ魔物の強さと数を誇るとても危険な環境。


怪蛇の領域・・・正式な名前は幻想林の領域。公国の常秋の領域の近くにある山脈寄りの湿地林にある領域。あちこちにある底無し沼と常に濃い霧が立ち込めている森で、霧に隠れるようにオロチの分身や眷族が身を潜ませている。


神獣による粛清・・・神獣は管理する領域を中心に流れる地脈を通じて魔力の流れを管理する仕事の他、人族が悪魔や天使を復活させた際に、その方法ごと文明を滅ぼすことを生業としている。この人族の行き過ぎた技術と浅はかな考えによって悪魔や天使を復活させようとする人族を滅ぼす行為に対して、神獣側は粛清と呼んでいる。


魔法・・・この世界の魔法には大きく分けて三種類あり、消費魔法、継続魔法、維持魔法が存在する。基本的には術者のイメージによる現象を魔力を用いて再現することを魔法と言う。


消費魔法・・・魔法の行使と共に一定量の魔力を消費する魔法のこと。例 ファイヤーボール


継続魔法・・・魔法の行使と共に一定量の魔力を消費し、更に魔力を継続的に消費することで行使した魔法による現象を消滅させずに長引かせる魔法のこと。例 ファイヤーウォール


維持魔法・・・魔法の行使時に魔力を用いて行使した魔法の効果を維持する魔法のこと。ゲーム風に言うと、最大MPを減らした状態で魔法の効果を維持しているということ。魔法の行使を止めると使った魔力は当然消費する。例 身体強化、収納


スキル・・・自身が行う行動に様々な特殊な能力や行動に補正を与える能力のこと。レベルのあるコモンスキル、レベルは無いが特殊な能力のエクストラスキル、世界にひとつしかない固有(ユニーク)スキルがある。基本的にスキルは全て任意で効果を入り切りすることができ、俗に言うパッシブスキル非常に数が少ない。


コモンスキル・・・レベルのあるスキルで、レベルが高いほど高い能力を発揮する。レベル上限は10で、一部のスキルはレベル上限から更にスキルが上位スキルへと強化されることがある。コモンスキルは主に対象の行動に対して行動を補佐する能力や純粋な身体能力を上昇させたりするものが多い。


エクストラスキル・・・主に特殊な能力を使えるようになるスキル。種族により使える特別な能力もこちらになる。


固有スキル・・・基本的には世界に一人しか持つことが出来ない特殊で強力なスキル。固有スキルは所持者の魂の在り方に由来すると言われ、中には過去に所持していた人の意識が残っている場合がある。上位の悪魔と天使スキルはこちらに属する。


魔術具・・・魔力を流すことで動かすことが出来る道具。


魔道銃・・・帝国発祥の魔道具。登録した魔法を詠唱無しで発動出来る。その代わり魔法の威力が下がる欠点がある。拳銃タイプ、ライフルタイプ等、性能の異なる様々な種類が存在する。


魔力で染める・・・物を本人の魔力で満たした状態のこと。


物を魔力で取り込む・・・魔力で染めた物に、更に過剰な魔力を入れて体内に取り込むこと。エクストラスキル〈魔力体〉が無いと出来ない。






****** 世界設定 ******




 トワが転生した異世界の名前は『エデン』。

 ひとつの大きな大陸にいくつかの国が存在し、大陸の周りにはいくつか島もあるが、海の先に他の大陸が存在するかどうかは分かっていない。


 神獣達の手によって何度も人族の文明が滅ぼされているが、輪廻転生の仕様上、何度人が滅んでもいつかはまた生まれて新たな文明を築き、それが一定の水準の達したところを再び滅ぼされるというのを繰り返している。だが、稀に神獣のきまぐれでこの粛清から生き残る人族も存在する。


 トワが転生した時代の文明は、建物の様式は中世ヨーロッパに似ているが、魔法やスキルがある世界なので生活環境は現代の地球と近いところもある。


 人族の世界での時間は、特殊な魔術具で動く鐘の音で判断していて、


一の鐘 朝4時 鐘の回数1回

二の鐘 朝6時 鐘の回数2回

三の鐘 朝8時 鐘の回数3回

四の鐘 朝10時 音色変更鐘(高)の回数1回

五の鐘 朝12時 音色変更鐘(高)の回数2回

六の鐘 昼2時 音色変更鐘(高)の回数3回

七の鐘 昼4時 音色変更(低)鐘の回数1回

八の鐘 昼6時 音色変更鐘(低)の回数2回

九の鐘 夜8時 音色変更鐘(低)の回数3回

十の鐘 夜10時 音色変更鐘(極低)の回数1回

終わりの鐘 深夜0時 音色変更鐘(極低)の回数2回


のようになっている。


 通貨は全国共通の硬貨で、銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、小金貨、大金貨、白金貨となっている。物価の価値が地球と違うために参考程度だが、銅貨1枚10円ぐらい。そして、銅貨10枚で大銅貨、大銅貨10枚で銀貨と10枚で硬貨のランクが変わっていく。


 現在ある主な国は以下の通り、


・多種多様な人族が住むオズワルド王国。大陸中央にある大きな国。


・人間主義のオルトヴァーン帝国。大陸北側にある領土的には一番大きな国。4章時点でほぼ滅んでいる。


・古い日本のような国柄のエスタシオン公国。大陸東にある四つの小規模な領域をまとめた国。


・世界各国の神殿を管理し信仰の聖都。アスタルト聖国。トワの領域もある大陸西側にある自然豊かな国。


・魔族が住まう魔国。大陸北側東、公国の北側にある国。どの国からも山脈を挟んでいる。


・獣人達の暮らす獣王国ガルガンディア。王国の南にある熱帯林が広くある国。


・エルフと精霊が暮らす隠れ里。精霊郷ユグドラシル。正式な場所は伏せられている。


 精霊郷ユグドラシルとは別次元に、精霊だけが住む精霊界が存在する。



※トワのうさポイント!


 いろいろと地球とは違う環境ではありますが、太陽も月もあるし、一日の時間や一年の期間が同じだったりと似たところも多いです。科学的にどうなっているのでしょうね?それと、わたしの住む大陸以外の大陸があるような気がするのですよね。もし機会があれば海に出て探してみたいですね。





****** 各章あらすじ ******



【 第一章 転生 】


 ふと目が覚めるとうさぎの姿で見渡す限りの草原に居た。自分のことの記憶は曖昧だけども地球の日本での記憶を持っているこのうさぎは転生者だった。


 草原でたまたま出会ったスライムと一緒に過ごすうちに何故か魔法が使えるようになったうさぎは、地球の知識を生かして奇想天外な魔法を次々と考案していった。


 草原でのスライムとの共同生活は人間と出会うことによって突然の終わりを迎える。生活場所を森に移したうさぎとスライムだったが、人間の動向が気になったうさぎは人間の街の調査のために単独行動する。


 しかし、単独行動中に異様な熊と遭遇。辛くも勝利するが、重症を負い、魔力を使い果たしたうさぎは倒した熊の魔石を取り込んで魔力を回復しつつ、一度森の住処まで撤退することになった。


 住処で傷を癒していると、再び人間達が襲いかかってきた。スライムが足止めしている間になんとか逃げ切ったものの、時間をおいてから住処まで戻るとここまで一緒に過ごしてきたスライムは魔石となってしまった。うさぎがその魔石を取り込むと体が変異して十歳ぐらいの少女の姿に変身出来るようになった。


 うさぎはトワと名乗り、この世界を生き延びる為に人間達の世界を学ぼうと潜入を開始。


 文字と言葉と基礎知識を学んだトワは冒険者ギルドに赴いて冒険者になろうとするも、その場に現れたスライムを殺した冒険者パーティー『白の桔梗』に捕まってしまい、半ば強引にパーティーに仮加入してしまう。


 魔物としての感性と元人間としての感性に戸惑い、迷うことがありつつも、人間としてはとても善良な『白の桔梗』のメンバーに心を開き始める。


 そんな中、魔物の変異種の目撃情報があり『白の桔梗』に調査依頼が来たため、トワを街に残して調査に行ってしまう。トワがそれにこっそりとついていくと、変異種に襲われてピンチになっているメンバーを発見する。


 直前まで葛藤するも、結局見捨てることが出来なかったトワは自身の正体がバレることを分かった上で彼女達を助けた。


 トワの正体が魔人だと分かったうえでも仲間として接する彼女達と一緒にお月見をして親睦を深めた。


 ギルドに報告を済ませると、今いる辺境の街を出て王都に向かうことになった。トワ自身も人間世界のことを知るためには都合が良いと快諾する。


 王都に向かうまでの準備期間中に、一度『白の桔梗』と別れてスライムと最後に過ごした森の住処でスライムのお墓を作る。その日の夜に、目が覚めた始まりの場所でお月見をしたトワは、自分の『居場所』を見つけるまで最後まで足掻くと心に決めて王都に向かうため街まで駆けて行った。



※トワのうさポイント!


 わたしが転生した時の話ですね。まだ転生したばかりで自身の記憶が無い事もあり、情緒不安定であったり感情が出ている場面も多いのはないでしょうか?人の姿になったあたりで、わりと落ち着くのですけどね。




【 第二章 人間世界 】



 冒険者パーティー『白の桔梗』と共に王都に行くことになったトワは王都で冒険者としてダンジョンを探索して、ついでにうさぎの親子を助けたり、宝石から魔術具を作ったり、図書館で世界のことをより知ったりと順調に過ごしていた。


 しかし、公国の四季姫のひとりである春姫からの依頼で、魔物の変異種が世界各地に大量に発生している現象の調査をすることになり、『白の桔梗』と共に公国に向かう。


 公国に向かう途中の王国と公国の国境門で魔物の大規模なスタンピードに巻き込まれるも、大量の魔物の大半と元凶のドラゴンの変異種を熾天使化したセラが討伐し、国境門に居た冒険者達と兵士達の活躍もあり事なきを終えた。


 公国に着くと春姫から秋の領域にある『紅い森』という場所の調査を任され、トワはそこで理性を失った天狗という魔人と出会い勝利した。その天狗から力のある魔人すら狂わせる紫の魔石の存在とその魔石が人の手によって魔物に埋め込まれていることが判明する。


 秋の領域での依頼を終えたトワ達は春姫の居る春の領域へと戻ってくると、トワは春姫の言動から嫌な予感を感じてトワが作った宝石の魔術具を仲間のエルに託した。


 トワの予感は当たり、セラによって郊外に連れ出されたトワは春姫によって張られた結界に閉じ込められ、セラ、グレン、ゼストのSランク冒険者達と死闘を繰り広げ敗北して、最後の賭けとしてアビスコアという自爆魔法を使う。


 そして、全ての戦闘が終わった後の春の領域の外にある森の中で、ひとりの少女がボロボロの姿で倒れているところをとある親子が助けたのだった・・・



※トワのうさポイント!


 わたしが人の世界の営みとこの世界について知るために、人として人間世界に入り込んだ時の話ですね。でも、後に眷族となる弥生達と出会ったり、深い関係となるフェンリルさんと出会ったり、三章で大きく関わる相手ともちょくちょく関わっていますね。最後は本当に死ぬかと思いましたよ。




【 第三章 神獣 】



 トワが目を覚ますと、そこには見知らぬ場所と見知らぬ女の子が居た。困惑するトワに見知らぬ女の子が母親と女の子によく似た男の子を連れてくると、その母親がトワの目覚めに喜びの言葉をかけ、そして、三か月もの間寝たきりだったことを明かした。


 寝たきりだったトワの看病をしてくれたのは、以前にダンジョンで出会ったうさぎの親子が魔物になり、更に魔人になった姿だったことが分かり、トワの魔力のせいで魔物になったうさぎの親子にそれぞれ弥生(母親)、卯月(双子の女の子)、如月(双子の男の子)と名付けて、自身の眷族として一緒に行動することになった。


 トワが動けるようになり、寝たきりだった場所から外に出ると、そこは神獣の領域だったことが判明する。領域の管理者である怪蛇ヤマタノオロチと一度だけ王国で出会ったことがある神狼フェンリルに助けてくれたお礼を言うと、二人の(強引な)提案でトワを新たな神獣とするための計画がスタートする。


 公国の反対側、聖国の西端にある『聖樹の森』と呼ばれる森をトワの領域の場所と暫定して、トワは神獣としての条件を満たす為に自身の強化に励んだ。数度の体の強化と、Sランク冒険者の心臓を手に入れたトワは三体目の神獣、不死鳥フェニックスの協力も得て無事に神獣に相応しい力を手に入れた。


 更に、聖樹の森の大部分を領域で覆い、常夜の世界で常に満月が浮かぶ『月の領域』を創り上げる。


 ようやく手に入れた安寧な住処に喜ぶトワだったが、Sランク冒険者の侵入者や、聖国からの刺客などの侵入者がやってきて中々平穏とはいかない日々が続く。面倒になったトワは聖国と不可侵条約を結び、ついでに人間世界側の情報を集める足掛かりにするための繋がりを得るために聖国に乗り込み、文字や言葉を教えてくれた恩人と再会するという思わぬ出来事がありながらも無事に条約を結んだ。ただし、聖国から正式に『月の女神』として認定されるという妙な条件を呑んでしまう。


 聖国とのごたごたが終わりのんびりしていたところを、今度は四体目の神獣ヘカトンケイルがやってきて状況に流されて戦うことになってしまう。辛くも勝利をおさめ、ヘカトンケイルからも神獣として認められた。


 トワは今度こそ平穏になったと安堵したのもつかの間、今度は聖獣なる生き物がやってきてトワの住む領域に住みたいと懇願して来た。害のある生き物ではないこと、眷族達だけでは領域の守りが足りないと薄々感じていたため、領域の守りを条件に住むことを許可する。


 聖獣が暮らし始めて間もなく、今度は野盗のような人間達が領域に度々現れるようになった。明らかに戦い慣れていない一般人らしき人が混じるのに不審と嫌な予感を感じたトワは、情報を得る為にSランク冒険者のゼロに連絡とる。すると、ゼロとの話に割り込んできた公国の春姫が、帝国で魔物や人工魔人なるものが暴れまわり甚大な被害が出ていると報告があり、山脈を越えた魔物達によって聖国北部の街や村も襲われて野盗が増えているの可能性を指摘される。更に、帝国の調査をしていたかつて一緒に行動を共にした冒険者パーティー『白の桔梗』が帝都で連絡が途絶えたと言われトワは動揺する。


 トワを殺そうとした人族達を助ける必要は無いと反対する神獣や眷族達に対して、それでも、かつて仲間だった彼女達を救いたいというトワの想いに、眷族達を同行させることを条件に帝都に向かうことに神獣側も同意した。


 帝国にあるフェンリルの領域に攻め込んできた魔物と人工魔人を一掃し、無事に帝都入りを果たすトワだったが、そこで『白の桔梗』の一人だった半魔人のリンナの亡骸を見付ける。一瞬、魔力が暴走しそうだったのをなんとか堪え、離れた場所で生き残った一般人を守りながら戦っていたエルアーナと合流し、状況の共有をしてリンナの亡骸を託してその場の守りに眷族達を残すと、トワは状況を打開できる力のあるセラと人工魔人になったらしいクーリアを探すために帝都の城に向かった。


 帝都の城の近くで人工魔人となったSランク冒険者のゼストと激戦を繰り広げていたセラを後回しにして、トワは城に潜入し、クーリアを見付ける。


 人工魔人となったクーリアと戦い、彼女の叫びを聞きながら、彼女を助けるために、紅い月を召喚したトワは、自身の中に潜む悪魔と協力して、クーリアの中にある魔石とトワが作った魔石を取り替え、更にクーリアの体全てを作り変えるという荒業をして助けることに成功する。その代わりにクーリアはトワの眷族となった。


 セラと再会を果たし、ぐったりしたクーリアを託したトワはその場でセラ達と別れ、最後に帝都の玉座まで移動する。帝都の狂乱の元凶は、皇帝に宿り、その意識を奪って復活した悪魔であり、トワが自分が神獣であると言うと、その悪魔から一方的に戦線布告される。


 悪魔本体がその場に居なかったため討伐出来なかったトワは、紅い月に照らされる見るも無残な帝都の街並みを一瞥した後、置いてきた眷族達を回収して家に帰るためにその場から転移したのだった。



※トワのうさポイント!


 わたしにとって大きな転機となる、神獣への仲間入りを果たす話ですね。まぁ、厳密にはまだ非公認なんですが・・・。これによって、今まで中途半端な強さだったのが、転生主人公らしくとっても強くなりました。三章中盤~最後まで、特に神獣となってからは、戦闘に余裕があるシーンが多かったのではないでしょうか?今後もずっと余裕があると良いのですけどね。






****** おまけストーリーその1 ******


 転生うさぎと転生うさぎのマネージャー



「ちょっとぉ~!聞いてないんだけどぉ~!?フェニだけずるいわよぉ~!!」



 月の領域の中心にある聖樹フローディアの大樹の前にある大きな広場に設置されたお茶会の席で、突如フェンリルさんが叫びました。



 理由はとても簡単で、わたしがフェニさんにこの前の礎の核改良後はどうだったのかを訪ねて、フェンリルさんとオロチさんがその話を聞いて怒っているようです。怒っているというよりは除け者にされて拗ねているというべきでしょうか。



「そんなに便利な改良が出来るとはの。トワ、今度は妾のところにもたのむぞ。明日でもいいぞ」


「それならぁ~、私は今からでも良いわよぉ~」


「貴女達、少しはトワの負担のことも考えなさい」


「・・・いえ、別に大した手間ではないので構わないのですが」



 わたしが「・・・大した手間でもないですし、今からでも良いですよ」と言うと、フェニさんがにっこりと笑顔で圧をかけてきました。ふぇ、怖いです。



「私が、ダメだと、言っているでしょう?トワは少し黙っていて」


「・・・ア、ハイ」


「おぬし、ますますトワに対して過保護になっておらぬか?」



 わたしを黙らせたフェニさんに、オロチさんが呆れたような顔を向けます。わたしも同意見です。ちょっと過保護ではないですかね?



 しかし、フェニさんは悪びれた様子もなくわたしを後ろから抱きしめました。



「仕方ないでしょう。こんな危うい子、好き勝手にやらせていたらこちらの身が持たないわ。だから、私が出来るだけ見てあげないと」


「まぁ、言わんとするところは理解出来るのだがの」


「・・・出来るのですか」


「出来るわよぉ~。それにしても、フェニは過保護だと思うけどねぇ~」


「貴女達がトワをいい様に利用しようとするからでしょう?」


「それはいくらなんでも人聞きが悪いわぁ~!」


「そうじゃ!妾達はすこ~しだけトワの知恵を借りようと思っただけじゃ!」



――それはいい様に利用しているのではないのでしょうか?



 まぁ、なんやかんやとフェンリルさん達にもお世話になっていることに違いはありませんし、同じ神獣仲間ですし、普通の領域の管理は大変らしいのは聞いていますからね。手を貸すのはやぶさかではないのですが。



 わたしがすぐ真上にあるフェニさんの顔を見上げると、フェニさんがとても困ったような顔をして顔を背けました。その様子を見たフェンリルさんがクスクスと笑います。



「あらぁ~。トワちゃんの上目遣いにやられちゃったのかしらぁ~?」


「リル。後で覚えておきなさい」


「ひぇ!」


「今のは自業自得だぞ、リルよ」


「・・・いつものことですね」



 茶化してきたフェンリルさんを睨みつけて黙らせたフェニさんが、はぁっと深く溜息を吐いて、わたしの髪を優しく手でといていきます。なんだかこういうの前の世界でよくやられていたような気がしますね。懐かしい感じがします。



「トワが協力したいと言うなら止めないわ。けれど、私がスケジュールを組むからその通りにすること。いいわね?」


「・・・わたしはそれでもかまいませんけど」



 視線を頭上に居るフェニさんの顔からフェンリルさん達の方に移します。礎の核の改良をしてほしいのはフェンリルさん達ですからね。彼女達がそれで良いのならばわたしは構わないのです。



 わたしの視線の意図が通じたようで、フェニさんがそれで良いわよねとフェンリルさん達に視線を向けると、二人とも苦笑しながらも頷きました。



「別に急ぐようなものでもないからの。トワに無理がないように予定を組むといい」


「そうね。では、オロチが100年後ぐらい、リルが1000年後ぐらいで良い?ああ、ケイルもやってほしそうだったわね。後で都合の良い日を相談して」


「ちょちょっとぉ~!1000年は長すぎるわぁ~!!」


「そうじゃぞ!いくらなんでも横暴じゃ!!」



 確かに、フェニさんの冗談だと思いますがちょっと長いですね。まぁ、1000年なんて、もっともっと永く生きている神獣からしたら大した時間ではないかもしれませんが。



「大した時間よぉ~!何を言っているのかしらぁ~!?その1000年の間にどれだけ魔力供給をすると思っているのぉ~!!」


「百年だって長すぎじゃたわけめ!一ヶ月以内で全部回れるじゃろう!!」


「はいはい。今のは冗談よ。ちゃんと考えて近くの日にトワを向かわせるから安心しなさいな」



 フェニさんはわたしのマネージャーか何かなのですか?まぁ、いきなり連れ去られるよりは良いですか。



 そして、フェニさんが決めたスケジュールの通りに、わたしは各領域に出向いて礎の核の改良を施しました。あ、ついでにケイルさんの領域で地下シェルターも作りましたよ。約束していましたからね。フェニさんには呆れられてしまいましたが、ケイルさんにとても満足してもらえるものが出来て、わたしも満足出来たのでオッケーです。・・・マネージャー(フェニさん)に長いお説教はされましたけどね・・・。




****** おまけストーリーその2 ******


 聖獣うさぎと月の領域の生活



 あたし達がトワ様の管理する月の領域に住み始めてから1ヶ月以上が経った。



 あたしはうさぎの聖獣であるアルジミラージのリーダーであるため、定期的に各聖獣達のリーダーが集まって話す場に同席することが多い。



 今日はアルジミラージのあたしと、ラタトスクのラスク、ケットシーのシーの三人が集まっていた。ちなみにあたし達の名前は全てトワ様が考えたものだ。



(ここ最近、変わったことは無い?)


(今は平和そのものだにゃ)


(少なくとも領域の中に不穏な気配は無さそうだね)



 あたしの問いに対して、ラスクが少し含みを持たせた発言をした。あたしが何かあるのかと視線を送ると、ラスクは尻尾を揺らしながら少し間を置いて話を続けた。



(ボク達が暮らしている聖樹の木から地脈を通じて外の魔力を探ってみたのだけど、北側から来る魔力が日に日に大きくなってきているみたいだね)



 こいつ、トワ様の領域で勝手に地脈を調べていたの?バレたら怒られないかな?



 まぁでも、今回は有益な情報だったから、後でトワ様に報告する時に擁護してあげよう。



(北側か・・・今は落ち着いているけど、何が起きても良いように備えておいた方が良いかも)


(そうだにゃ。ここに住む動物達にも注意を促しておくにゃ)


(その辺りはシーがやった方が早いし正確だから任せるよ)


(任せておけにゃ!ちゃんとトワ様に報告するにゃよ?)


(はいはい・・・)



 あたしはトワ様と同じうさぎ種ということで、最古参の聖獣であるペガサスのリーダー、ベガと共にトワ様の近くに居ることが多い。あたしの役目は他の聖獣達とトワ様との情報共有がほとんどだ。ベガはトワ様のお世話ばかりやって手伝ってくれないからね。



――ベガがあそこまで心酔している様子もとても珍しいというか、古くからの付き合いがあるあたしとしては、信じられない光景なんだよね。



 あたしはベガに次いで長く生きているけれど、あんな状態のベガを見るのは初めてだ。人って変わるものなんだなとしみじみと思う。



(ところで、ミラーからボク達に、トワ様に関する話はないのかい?)



 ラスクが少し期待をした様子であたしに聞いてきた。あたしはここ最近のことを思い出す。



(うーん、あたしはここ最近、卯月ちゃんに好かれてしまったみたいでずっと相手をさせられているからなぁ・・・)


(あー。あの突撃娘ね。大変そうだね)



 本当に大変なのだ。卯月ちゃんはトワ様の眷族で、まだ幼い女の子のうさぎの魔人だ。幼いがしかしその戦闘力はトワ様の眷族の中でも一番高い。



 しかも、幼いせいで力の制御が上手くないのか、主であるトワ様や母親の弥生にスキル全開で突っ込んでいくのだ。最近では、あたしも遊び相手として認識されているようで、時たま命の危険を感じながらも相手をしている。



(卯月ちゃん、もうちょっと力を加減してくれると良いんだけどなぁ・・・)


(卯月に懐かれているからこそ、トワ様といろいろ話も出来るんじゃないかい?)


(トワ様は眷族に甘いからねぇ)


(トワ様は全体的に友好的な相手には甘い気がするにゃ。この間、我らの暮らしている場所まできて特に意味もなく我らを愛でていったしにゃ)


(そんなことがあったのかい?)



 ラスクが呆れた声をだした。あたしもちょっと呆れたように息を吐く。トワ様、自由人だなぁ・・・。



 その後も、シーとラスクと、トワ様やその眷族達との交流について暫し盛り上がり、あたしはトワ様の居る中央広場に向かうために解散した。



 聖樹フローディアの大樹があるからか、この中央広場は他の場所と比べても特に聖の魔力が多く満ちている。あたし達聖獣にはとても心地の良い場所だ。



 中央広場に辿り着くと、ベガが人の姿になってお月見しているトワ様に給仕している様子が目に入った。聖獣が人の姿になることは滅多にしないことなので、何度見てもこの光景には驚いてしまう。



 あたしはまったりしているうさぎ姿のトワ様に近付いた。トワ様があたしに気付いたようで、耳をぴくっとさせてから体ごとあたしの方に向いた。赤い瞳が宝石のように美しく、見ているだけで吸い込まれそうになる錯覚に陥る。



(・・・おや、今日は遅いですね。卯月が探しに行ったので、てっきり捕まっているのかと思いました)



 トワ様の言葉につい顔が引き攣った。見付からずに済んで良かったと思いつつも、あたしの代わりに他の聖獣が被害に遭っている可能性を考えるとなんとも言えない気持ちになる。



――卯月ちゃんの遊び相手が務まるのって、聖獣の中ではあたしとベガくらいしか居ないだろうしなぁ。たまにはあたしの苦労も分かち合ってもらうか。



 そう考えたあたしは、内心の黒い考えなどおくびにも出さずにトワ様と話をすることにした。



(少し他の仲間達と話をしていたもので。卯月ちゃんとは会っていませんね)


(・・・そうですか。ミラーもお月見しますか?)



 あたしはちらりとベガを見て確認する。特に何も言わなそうだったので、あたしは喜んでご相伴に預かることにした。



 トワ様が用意して下さった団子をひとつ食べて、この領域の一番の特徴でもある大きな月を見上げる。



 トワ様の拘りが詰まっているのか、この領域の月は、外の世界の夜に現れる月よりも綺麗で優しい光を放っている気がする。あたしも、ここの月はとても好きだ。



 無言のままお月見を続けていると、遠くから騒がしい声が聞こえてきた。あーなんだか嫌な予感が・・・。



「あるじさま~、ミラーがどこにもいな、あー!!見付けたのです!!」



 あたしを探しに行っていた卯月が戻ってきてしまった。少しだけど魔力が減っているから、誰かと遊んだ後なのだろう。って、ちょっと!もう少しくらい頑張んなよ!これじゃあいつもとあまり変わらないじゃない!!



 人の姿の卯月が邪気の無い満面の笑顔であたしを抱えた。抱えるのは良いけど力を込めないで!苦しいって!!



「ぎゅ、ぎゅい・・・」


(・・・卯月、ミラーが苦しそうなので力を弱くしてください)


「はーいなのです」



 トワ様の言葉で卯月が力を弱めた隙に、あたしはぴょんと抜け出して卯月から距離をとった。



 あたしが卯月を警戒している間、卯月はそんなあたしなど気にも留めずにトワ様に話し掛けている。あたしを探していたんじゃないの?



「さっきまでオルトとカールと遊んでいたのですけど、二人ともすぐにバテてつまらなかったのです」


(・・・そうですか。卯月の遊び相手として不足だったのですね)



――あたしの代わりに犠牲になっていたのはオルトとカールだったか・・・



 しかし、あの二人を相手にしてこれだけ元気なのは恐怖すら覚える。オルトロスのオルトは戦闘力ならば聖獣の中でも上の方だし、カーバンクルのカールは戦闘力は低いけれど、その分支援能力に秀でている。このペア相手に不足って・・・



 あたしが戦々恐々としている中、和やかに会話をしている主従から不穏な会話が聞こえてきた。



「やっぱり、卯月の遊び相手はミラーが一番なのです!」


(・・・そうなのですね。それならば、今後も卯月の遊び相手としてミラーには頑張ってもらいましょうね)


「わーいなのです♪」


(うそん・・・)



 思わず素で呟いてしまう。トワ様、冗談ですよね?卯月の相手を今後もずっとしろと?いくらあたしでもいつかは死にますよ?



 あたしが唖然としていると、再び卯月があたしを捕まえて抱き締めてきた。ただし、先程とは違って、苦しくならないように力をセーブしている。やっぱり、主であるトワ様の言葉は良く効くようだ。



 卯月に抱かれているあたしを見たトワ様が、人の姿になってあたしの頭を優しく撫で始めた。突然のことに思わず体が硬直してしまう。



「・・・卯月の相手は大変だと思いますが、お願いしますね」



 その優しい声と神々しいまでに美しい顔を間近で見たあたしは、思わず(は、はい。任せてください)と答えてしまった。だって、あたしからしたらトワ様は女神様のような存在なのだ。そんな人からお願いされたら断ることなんて出来ないでしょう。



 あたしはトワ様に見送られながら、卯月に抱えられた状態で拉致されていった。



 この後の卯月の相手は大変で面倒になる気持ちもあるけれど、それ以上にトワ様に撫でられたという嬉しい気持ちで頭の中がいっぱいだ。



――後でトワ様に撫でられたって他の聖獣に自慢しておこうっと。



 そして今日もあたしは、卯月と一緒に領域内を駆けずり回るのだった。




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