表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強を目指して  作者: 風舞 氷菓
2/6

第2話 ガチャと初戦闘

 ストックが減る一方だ。

 さて、この世界で強くなるのは良いとして、ステータス以外にも項目を確認しないとな。


(装備は……別にいいか)


 シンヤは自分の姿を見下ろして思う。

 上下黒一色の緩い半袖半ズボン。動き易く、汗を良く吸い取る生地で出来ている。


 防御面に心配が残るが、今は構わないだろう。


 次にストレージとキャラだが、何も入っていなかった。ストレージは字面からしてアイテムを入れるモノなのだろうが、キャラは分からないな。


 そしてガチャ。これは非常に有用なモノだった。


―――


ガチャ 残0pt


ノーマルガチャ 1回 10pt

   初回無料 10回 100pt

レアガチャ 初回無料 1回 50pt

     10回 500pt


―――


 このガチャはアイテムからスキル、魔法、職業や従者や従魔と呼ばれる物までもが景品として獲得できるらしい。そのガチャを引くポイントは、魔物を倒して獲得するか項目の課金でお金をポイントに変換するようだ。


 初回が無料なので、早速ガチャをしてみる。まずはノーマルガチャからだ。


 すると新たなウィンドウが現れ、そこには銀のステッキを持つシルクハットを被った少女が写っていた。

 ステッキを振ると、次々にカラフルに光る球体が現れた。灰色、銅色、銀色。そして最後に少女はこちらを見ると、ウィンクをした。すると10個目の球体は金色になって現れた。


 現れた球体が一箇所に集まると、弾けて結果が表示される。


―――


・魔法のリング 3等級

・ファイアーボール 10回 1等級

・鉄の片手剣 2等級

・灰色のローブ 1等級

・癒やしの杖 3等級

・初心者料理セット 2等級

・鉄の胸当て 2等級

・保存食 5食 1等級

・氷魔法LV1 3等級

・火炎剣 4等級


―――


 ふむ、レア度は等級が上がるほどレアなのか。

 そし1等級は灰色、2等級は銅色、3等級は銀色、4等級は金色か。

 おそらく少女の持つステッキの色が、出てくる等級の最高レア度を表しているのだろう。今回、最後に4等級が出てきたのは、確定演出だろうからステッキは関係なかったのだろうな。


 それにしても魔法は回数で出る場合があるのか。ファイアーボールの威力の確認を後でしておこう。氷魔法はMPが少ないから後回しだな。

 それとアイテムはストレージに保管されるようだ。


 シンヤは今後の予定を立てつつ、アイテムとスキルを確認していく。

 それにしても運命の値が高い割には、あまり良いものが出なかったな。次は良いものが出るよう願ってみるか。


 そう思うと、シンヤはレアガチャを一回引いた。


 ウィンドウには、黒色のステッキを持った少女が現れた。どうやら4等級以上は確定のようだ。


 ステッキを振ると黒い球体が現れ、飛んで行き弾けた。結果が表示される。


―――


・剣術の極地LV1 7等級


―――


 いきなり二つ飛んで7等級の物が出たな。それに使い勝手が良さそうだ。


 あと確認していないのはショップと課金だが、お金でいろいろなアイテムを買えるのとポイントを買えるだけだったので、今は意味がない。お金をゲットしてから考えよう。

 ちなみに設定だが、これは視界に表示されるウィンドウの微調整だけだったので、無いものと考えていいだろう。


(とりあえず、今は街を探すか)


 そう思うと、シンヤは先程ガチャで獲得した灰色のローブを着込み、鉄の胸当てを付け、火炎剣を腰に帯剣するとマップを確認しつつ、遠くに表示されている街へ歩き出した。






◇◇◇






 ドットで描かれてるマップを注視しつつ歩いていると、不意に近くに赤い一つの光点が表示される。

 気になり、光点が表示されている場所まで近づくと、人影が見えて来た。


 背丈は小さな子供ほどだが、肌は緑色で顔は醜悪に歪んでいる。髪は生えておらず、汚らしい腰布を身に纏い、手には木から削った棍棒を持っている。


 その姿は定番とも言えるモンスター、『ゴブリン』そのものだった。

 こちらの姿に気付くとゴブリンは奇怪な叫び声を上げながら、棍棒を振りかぶって近付いてくる。


「グギャアアァァ!!」


 シンヤは素早く火炎剣を引き抜き、構えた。

 《剣術の極地》の効果なのか、構え方は自然と分かった。剣を正面に持ち、敵をしっかりと見据える。正眼の構えと言われるものだ。


 ゴブリンが段々と近づくにつれ、あるウィンドウが表示された。

 それはゴブリンのステータスだった。どうやら相手のステータスも確認できるらしい。

 だが視界の邪魔なので、意識で操作し視界の端に小さく表示させる。

 どうやらこのゴブリンはシンヤよりステータスが軒並み高いようだ。しかし運命の値はシンヤには敵わない。スキルは特に脅威になりそうなものは無く、気を付ければ倒せる相手だ。


 シンヤは落ち着き、相手が間合いに入るのを待つ。


 ゴブリンは棍棒の間合いに入ると、愚直にも真っ直ぐ棍棒を振り下ろした。


 それをシンヤは剣の上を滑らせるように受け流し、ゴブリンは棍棒を地面に叩きつけた状態で、酷く間抜けな姿になった。


 その隙をシンヤは逃さず、ふと頭に浮かんだ言葉を唱えながらゴブリンを斬り付けた。


「【斬】」


 すると火炎剣に薄っすらとドス黒く禍々しい光の膜が纏った。視界のMPを示すバーが減る。ゴブリンをそのまま斬りつけると、抵抗なくスパッと斬れた。


「グ…ギャアァ……」


 断末魔を上げながらゴブリンは地面に倒れた。斬り付けられた切り口からは血がドバドバと出ている。


 しばらくするとその血も止まり、完全にゴブリンは息絶えた。


 するとゴブリンは光の粒子となって消えていく。それと同時に視界にはログのウィンドウが表示された。


 先程の攻撃は剣術スキルの初期アーツ、【斬】だ。MPを2消費し、魔力を剣に纏わせて切れ味を上昇させる辛うじてシンヤが使えるアーツだ。

 ゴブリンと戦闘の際、剣術のアーツについての知識が流れ込んできていた。アーツとは合言葉を唱える事で半自動的に行動を行う事だ。使用できるアーツは、そのスキルのレベルによる。


 《剣術の極地》は、剣術系統のスキル全てを使用可能に出来るだけに関わらず、熟練の剣士と同じ剣技を扱える事ができる。所謂チートスキルと言うものだ。


 初戦闘だと言うのに、酷く呆気ない勝利だ。


 シンヤは《剣術の極地》による強化された力を感じながら、ログを確認する。


 どうやら戦闘すると死体やドロップアイテムはストレージに自動で格納されるようだ。お金の欄も少しだが溜まっている。


 その事に気付いたシンヤは、完全に金銭について考慮する事を忘れていた事を思い出した。


「……街に着くまで、モンスターを狩って金を稼ぐか」


 そう思うと、街までの道を少しずれ、モンスターを探し始めた。






 シンヤ君落ち着いてますねぇ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ