付き合った。
前作「告白された」で、付き合ったその後。
連載にしたら良かった。
「告白された」
https://ncode.syosetu.com/n9978ej/
付き合って。
すれ違う人の1人でしか無かったのに。
つい、半年前までは雑渡の中の1人でしか無かった他人。
今は触ることが許される。
自分ではない誰かに触れる。
それが許される。
自分ではないのに。
他の意思を持つ誰かに許される。
僕の前で君は無防備に笑う。
撫でても良いし。
冷たい手を握って、こちらの温かさを分けても良い。
首筋に顔を埋めて匂いを嗅いでも良い。
腕を回して抱きしめても良い。
抱きしめる強さがわからない。
けど、教えてくれる。
もう少しだけ、優しく。
他人だから、感じる痛みや苦しみは
俺にはわからない。
けど、力を緩めてぷはっと
こちらに向けた顔が恥ずかしいのか
苦しかったのか
少し赤くて
えへへとはにかむ君の顔を見ると
僕もつられて笑顔になる。
優しくしたい。
自分自身に優しいように。
君を自分自身のように、なにものよりも優先したい。
もう一度、繰り返す。
サラサラの髪を優しく撫でる。
僕の太くて癖のある髪と違って、
細くて柔らかい。
小さな頭。
撫でていると髪が少しだけくしゃっとなってしまった。
なぜか少し誇らしい。
みんなに自慢したい。
僕はこの子の髪をくしゃっとさせることが出来る唯一の男だぞ!
他の誰も許されていない!
僕だけの特権であるぞ!
何でこんなに可愛いのか。
多分、世界一?
いや、うちゅ、銀河一・・・?