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廃人には手も足も出ません

 三つ子の魂、百まで。

 廃人にも色々いるので例外もあるでしょうが、大抵、廃人の始まりは幼少期でしょう。


 保育所で飯食ってるとき、女子に虐められる。言葉で罵られただけです。


 臆病だったので誰とも口を利けない子どもでした。


 ニコニコした女子二人組に骸骨ですかって聞かれて、意味不明だけど、うんって言ったら、人間じゃなくて骸骨だってことになって、しつこくあざ笑われた。


 その子の悪意が恐くて、辛くて。心の冷たさが悲しくて。

 それに、何も言えなかったのが、ものすごい悔しさ。内的葛藤。


 俺はそれに負けた。


 他にもちょっと受け入れるのが無理なことが割りと色々あって、それか空疎に生きてたからかもしれないけど、その頃の記憶は無い。


 そうして順調に廃人道を進む俺にも、避けて通れないのが恋愛感情。


 小3で、可愛いと思った女子がいた。今でも苗字とか無邪気な雰囲気は覚えてる。でも全く、全く何もしなかった。


 小6で、とても可愛いと思った女子がいた。今でもフルネームと、白くて細身なルックスと、柔らかいけどどこかサバけた雰囲気と、可憐な声を覚えてる。でも全く何もしなかった。


 中2で、きっと一切無言で異様なオーラを放ってた俺に絡んでくれた子がいた。もちろん覚えてる。氏名も、顔や雰囲気も、手の温かさも(突っ込みでど突かれた時の)。決して可愛くはないけど、気にはなっていたんだ。今でも覚えてるぐらいだから。でも、今でもこんな曖昧なこと思ってるぐらいだから、廃人の壁を乗り越える覚悟なんてあったはずもなく。もちろん何もしなかった。


 19のとき、バイト先にとても惹かれる女子がいた。恒例の廃人オーラで『人間関係』なんて夢のまた夢だった俺には、確実に廃人の壁を乗り越えることなんてできない。自分のことだけに、確実に分かってた。でも強烈に好きだった。恋愛感情って、そういうものだし。

 今では名前も忘れたけど、おとなしい雰囲気がツボだった。まあ結果は言わずもがな。会話したこともない。一度も。今では、好きだった自分の感情しか覚えてないや。


 21のとき、リゾートバイトのバイト先に気になる子がいた。顔は正直そんなに可愛くなかったけど、おとなしい雰囲気が(以下略。結果(略。

 会話どころか、微妙に違う現場なので、遠目に見ただけ。でもこの感情の記憶は、きっと好きの手前ぐらいの感じだったのかな。意味無いけど。


 この辺まで、何もしなかった編。もうこの時点で俺の人生の何割かが終わってたんだ。

 それも人生?

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