第五話〜ももちゃん〜
「とりあえず、他の2人とも合流しよう」
「ああ、俺の隣に倒れてた2人は彗としずくちゃんなのか」
「そのはずだ。お前あいつらを起こさなかったのかよ」
「だって知らないやつだと思ったんだもん。大樹だって起こしてないじゃん」
「まあ、そうだな。じゃあ起こしに行くか!」
「えーっと、このいかにも秀才っていう感じの男が彗なんだな。そしてどのゲームにも必ずいそうなフツーな女の子がしずく、と」
「いやー、眼鏡かけるともっと頭良さそうに見えそうなんですけどね」
「フツーな女の子ってレディに対して酷くない⁉︎無難なキャラを選んだだけだよ!」
「そうだぞ、大樹!いくら自分の妹だからといってもその言葉はありえない!」
「でもさーその姿でお兄ちゃんっては言えないなー。可愛い女の子になってるもん!」
「そうだ、大樹さっき俺に話しかけたように喋ってよ!」
「は?」
「そうですねー。その姿で"俺"とか"お前"はちょっと似合わないですね」
…どうしよう、あんなことしなければよかった…
「ほら、早くー」
「わ、わかったよ…私、ももって言うのみんなよろしくね!」
「……」
「……」
「…か、可愛い!」
「ももちゃーん!」
「…これからそれでお願いします!」
「は?やだよ!」
「なんで?」
「なんでってそりゃ、俺男だし!」
「大丈夫!今は可愛い女の子!」
「大樹君よくネトゲで女の子としてプレイしてるじゃん」
「それとこれとは話が違うだろ!」
「じゃあなんでネトゲでは一人称が"私"なの?」
「それはキャラが女の子だから…"俺"って言うのは不自然だろ」
「今、大樹のキャラは女の子だよ?"私"にしなくていいの?すごい不自然だよ?」
「うっ…分かったよ…」
「じゃあ自己紹介してみて?」
「…私は百々冬姫。狐耳の女の子です。みんなよろしくね…」
「ほら、もっと笑顔で言えよ!」
「あれ、もっふー泣いてる…」
「…ごめんなさい、言い過ぎました。」
「そうだね、ももちゃんはももちゃんのペースで慣れてけばいいよ」
「…うん」
この時3人は思った。
『ももちゃんを守りたい!こんな可愛い子を二度と泣かせたくない!』
桃大樹の百々冬姫としての生活が、今始まった!
ブックマーク登録してくださった方ありがとうございます!
これからこの小説とは別に新しく恋愛小説を書いていこうと思います。ぜひそちらも見ていってください。
この小説の更新頻度は遅くなるかもしれませんが2日に1回は更新していきたいと思います。
これからもよろしくお願いします。