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詩「分別」「注意」
詩「分別」
微かな余震が異常に重なり
からだのうちから苦しさを吐き出す
それとともに弱音が零れる
追い立てられる姿が幻であって
責め立たされ受け答えるための
手綱が精一杯に感じた
追い立てられたことも
責め立たされることも現実だった
綱を緩めることで
苦しみが少し軽くなった
ものすごく惨めな子坊主が
人の避けては通れぬ道を
泣きながらぶつかっているようだ
詩「注意」
ただあなたがそこにいるように
私もここにいるだけである
毎日の電車は
これでもかと作り笑顔を垂れ流す
一人の不幸と無数の溜息が
走り出した素顔を暴く
隠れまいとするあなたは
降りかかる落石に気を付けないと
命を落とすだろう
だから命はあなた自身が
労ってやらねばならない
ではどうやって見切りをつければよいのか
然るべき時に然ることをなし押し出されてゆくのか
いや 流星は突然あなたを狙うだろう
その時には然るべき計画のまま未遂に終わる
それこそが人間の生き方というものなのだろうか