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詩集  作者: 蓮井 遼
23/30

詩編Ⅱ


私は少し前は詩篇を書いていました。しばらく書けなかったのですが、また影響を受けて書くことができました。最後の詩は切実な思いです。


詩編 Ⅱ


鏡の国の生き物たち

懺悔

一言

こんな怒り








鏡の国の生き物たち








足跡を辿って

不在を知った

この国の生き物は全てが試されている

そんな恐怖で鏡が作られた

よりよい一日を予報したとしても

当日の天気が如何でも

避難することは弁護されていない


辛さの薬に

楽しみあるものを知ったようで

だけど一日前からお浚いで

疲れ過ぎても死ぬ前にお休み

道理で騙されない朝に変わる


眠りを知らぬ太陽と

遥か遠くで微細に

虫には眩いほどの電球

照合しても釣り合わないで

秤はつねに太陽の方






懺悔









私らしさというなら

随分前から歌に浸かっているのに

音楽の無いところで

私は代替えを唱えている


そういうの嫌だから

ピアノに憧れて叩くまんまだ

ギターに憧れて錆ついたまんまだ

ドラムに憧れてもレッスンは高く

スタジオで一人 叩く叩く


経験は影響し誰かへの布石となるだろう

自分という意味は考える前から

特異性に見つめられているようで


よじるに学習の合間で

レッテルが聞こえて

快楽に溺れていくの

でも情欲より律する理性で

こんな時間をどこか一人で

好き勝手にしたくなる

だけど年齢との相関性

敗れても本気にならないのは自分のせいと釘刺す

再起しない理由は自己責任で

誰も咎めず引き換えに掬いもしない

解りたくないままでも決定しないとならない














一言










泳いで着いた岸辺では

幼いお墓 荘厳なお墓

一編の詩は遥か遠くじゃ

なんもなんねえと言うのは嘘

球体だから駆け巡っている


存在には聞こえる声が必要だって

悲しんでいるのは貴方に聞こえないからじゃない

誰かが貴方を探せないだけ


ほら 球体の壁面で呼びかけている

美しさという感覚に

また 自分を元気にさせて

貴方に「調子はどう」

一言でいいの










こんな怒り








町の本屋さんがなくなるのは悲しい

出版社は電子書籍に委ねればいい

お客は図書館や通信販売を利用すればいい

でも 本屋がなくなるというのはこういうこと


机の棚に閉まった雑誌は

静岡県の旅行先の本屋で購入したもの

たまたま冒険旅行家が特集されていたもの


引き出しに閉まった本は

文学館で買った一冊の小説

人生に無気力になった女性が主人公の小説


こっちの本は

大学の近くの古本屋さんで見つけた本

世界中の悪魔や悪魔的人物を載せてある図鑑


わかっている

この国には本を読む人と読まない人がいるということは

それに

大きな本屋さんはなくならないことも

半端な啓蒙は特に何にもならないことも


ただ

人生が豊かになる旅で楽しませてくれるのは

きっと本屋さんのお陰さま

こんな怒り


私が書いた本は文庫本で本屋さんには置いていない

私は手売り 本屋さんに置くのはただじゃない

さあ 手売りの本はいらんかね 









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