詩「オウル」「意地」
詩「オウル」
取り残されてしまった・・
歓待の中に居てもそこに交わりを思案し
待望していた姿が真実の生活だとは
途絶えれば見失う
けれど時を待たずして駆け抜けて衰退する
一日という空間の広大なこと
残していきたいことは取り残される生と消えていく死
夜中の明け方近くでなければ
新聞配達のバイクも聞こえず
終電間際の喧騒も聞こえないで
静寂と外気に冷たさを感じて
心象に対面できる
そこから次に動ける
詩「意地」
かねてから日陰は自分にあった
人間の渦は感応し
自然界からの呼び声は常に
自分を掬い取った
今、一つの死が再生の時を待ち
今、一個の生が死を待ちわび
今、一つの家族が明日を歌い合い
今、一人の若者は苦境に立たされ
今、一人の大人は迫りくるものに疲れ
息苦しさに悩み、さりとて去るは怖く
全てを忘れ、寝床に着く
これから日は高くなるというのに
見えないだろうか
一時に生まれる地球にまつわる根源的な傷が
深まり死を結び、記憶を生み出し
この傷から分離した外側の夢の大樹が
数gは未だに変わらない
その爆発性からあなたの声になり
散々叫んだ挙句に冷えて
でも未だに日は高い
繰り返し可能性は転がり
喜べば包まれ、悲しめば捕まり
あなたもまた記憶を生み出し
ありふれた数gである
この詩は分けて書きたかったのですが、字数に制約あるためまとめました。