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詩集  作者: 蓮井 遼
19/30

詩「ライチョウ」


詩「ライチョウ」



狩りを終えて巣に戻ると

雛がいなくなったようだ

森は透けている

一つの時間が

その時間のうちに終わろうとしているのだ


それは自ら落ちることはしないだろう

それはまた頑丈に巣を建て直した

険しい息吹が世界を駆け巡っている

それは恨むことを知らないだろう

それは諦めることも知らないだろう


私たちの選択した時間が

私たちが受け入れられない時間だとするなら

最初から時間は切り離せないのかもしれない

私たちがまだ私たちでいるなら

私たちのための時間が

私たちの中で過ぎていくのかもしれないが

私たちに襲い掛かる出来事は

私たちの結晶ともなるのだろう


そうして寄せ集めたガラクタが

やがて私達の巣箱になるのだろうか

だが私たちは落ちないと言い切れない

それが巣のなかに潜んでいるとしても

私達は巣を手放さない

なぜなら巣はガラクタでできたのだから

それごときに落とされるとは

誰も思いはしないだろう

ところが至る所に冷酷な風は吹いている

いつかこちらにも吹くのだろうか




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