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詩「カット」
詩「カット」
苦しい思いのカット
頑なに生きようとするお呪い
この時の苦しさは確かに生きたこと
と墓碑に記された頭蓋骨もカット
透視をすれば死霊が見えるぞと
瞬けば足元も奴らがカット
やがて歩けなくなった
儚いことばかり繋がっても
立ち尽くす自分にカット
未だに草花を食べ尽くせそうで
暇さえあれば悪夢をカット
数に憑りつかれるおばけは自分か
間に立つのがおのれのようで
まだ空虚のお仲間になれず
おのが日の向日葵から
明くる日の朝顔まで慈しんだ
夕日は沈んだ沈んだ
その明暗にからだを掬われて
隕石がわたしを解体する
浴びる炎は私に混じり
何度も人間である日を再生する