12/30
詩「明日を迎える人へ」
詩「明日を迎える人へ」
階段を上って
流れ行く車を
なんとなしに見ていた
それは小言のように見えた
私を閉じこもらせる小言のように
流れてはまた次が来た
じゃあ、ここを取っておこう
と私は靴を脱いで
階段を下りた
尊いと知りながら
約束を破る人の弱さが
私に纏わりついた
悲しみも逝けば忘れていよう
別れがこころを砕けさせる
舗装道路では足が痛くなった
急いで私は特等席へ戻り
靴を取り返した
既に靴は過ぎゆく時に揉まれて
傷んできていた
きっと鏡をここで見れば
私も傷んでゆくけれど
いつまでも気にしてはいけない
そんな気がした
再度履いた靴は
履きなれていて
私はおどろいている