十一回目の告白は。
「真白!やっぱり俺には……真白しかいないんだ!」
十回目のプロポーズは想像以上に緊張して、想像以上に熱意があって
───想像通り儚なかった。
「翔ちゃん…ごめん。やっぱり翔ちゃんとはずっと幼馴染っていう関係がいい。だから…これからもずっと私たちは仲の良い幼馴染でいよ?ね?」
こうして翔ちゃんこと、俺、白銀翔の幼馴染、大空真白に対する中学三年から続く通算十回目のプロポーズは、高校一年の冬、閑散とした放課後の図書室前で爆散した。
……わかってはいたさ。
距離を置くことなく、今まで通りに接してくれた彼女の優しさに俺は甘えて、一方的な想いを押し付けていたようなもんなんだから。
そんな関係で告白を十回も…正直うざかったと思う。今更だがごめん。
だから──もうこれで終わりにする。
これ以上続ければ、本気で嫌われてしまうかもしれない。それが怖い。そんな気持ちがないと言えば嘘になる。
でもそれ以上に、全てを伝え切って満足したということが正直なところだろう。自分よがりな理由だと言われて致し方ないかもしれないが。
だとしてもだ!……これで自分の想いを伝えなきゃ気が済まないどうしようもないバカ男子の片想いは盛大に爆散して、ここで堂々完結!!
ほら、笑いたいやつは笑えばいい!
それにしても横にいるお前!相変わらず笑いすぎだ!
「それにしても、十回もまぁ……くくっ…」
「朝からずっと笑って、昨日の出来事なのにそんなに面白いかねえ。しかも他人の失恋がっ!てかもう放課後なんですけど?」
「いや、だってさ。十回とも同じ振られ文句だよ?大空さんも大空さんだけどさ。そ、それよりも白銀のメ、メンタルが…くふっ…ふは……」
彼女は不知火琴音。
同じクラス、そして同じ図書委員であり、友達である。まあ欲を言えば親友。
肩にかかるくらいの柔らかな明るい茶色の髪と、少し垂れた優しげな目元が印象的で、笑うと一気に距離を縮めてくるタイプの顔立ちをしている。派手さはないが、気づけば視線を引き寄せてしまう、不思議な魅力があった。
おまけに天真爛漫で明るく、故にそれなりともモテるらしい(本人曰くだが)。だからなのか、失恋なんて自分には無縁だとも言わんばかりの立場で俺をいつも笑う。
思えば、不知火は最初からそうだった。
昨日のように図書室前の廊下で俺が真白に振られて綺麗に爆散した翌日。それまで一度もまともに話したことがなかったというのに、図書委員会の席でいきなり声をかけてきて、顛末を根掘り葉掘り聞いて、腹を抱えて笑ったのだ。
それ以来、俺の告白が爆散するたびに、不知火はこうして事情聴取をしては、涙が出るほど笑う。
「おい。いつまで笑ってんだよ」
「ごめ…ごめん…っくふぅぅ」
「あー。今日も楽しそうでよかったな」
「だ、だって…白銀、あんたほんとっ……メ、メンタル強えええええ」
「あのさ。俺失恋したばかりなんだけど?」
「だからごめんって……はぁぁ…くふっ」
あーいいさ。もうとことん笑ってくれ。
「ごめんって」
不知火は目尻に残った笑い涙を人差し指で拭うと、ふぅーっと深呼吸した。
「ごほんっ…。こう見えても私、ちゃんと白銀のこと応援してんだよ?」
舌の先をちょろっと出してウインクをしながらピースされても、説得力なんてあるわけがない。
「はいはい」
「あ、信じてないなあ?」
「当たり前だろ!毎回毎回笑い転げやがって!」
「わかってないなあ。キ ミ の失恋を笑ってネタとして消化してあげてるんだよ?『彼女にしたい同学年の女子』一位のこの私がね!」
「そんな情報知らんし、要らん」
「ふんっ。ありがたさがわからないのね、童貞ゾンビが」
「やかましいっ!」
「あら。大声で否定するくらいには元気出てきたのね。今朝なんてほんとにゾンビみたいな顔してたのに。て、てかど、童貞ゾンビって……くっ…くふふふふふ」
自笑する不知火に俺はため息をつく。
しかしなぜか気持ちはすっきりしつつある。
こういうのを魔法というのだろうか。あ、彼女の場合は妖術か。
まあ素直に言えば、彼女がこうやって笑ってくれるから自分の失恋を早い段階で思い出にできているところも大きいのだろう。
認めたくはないが、確かに俺は彼女に救われているのかもしれない。笑われてだが。
「あー…腹いたあ」
ようやく笑いを収めた不知火は、また深呼吸をして呼吸を整えたと思えば、今度は片方の口角だけをつり上げた。
「ところで、十一回目はいつすんの?」
十一回目?不知火よ。残念だった。俺の、バカ男子の片想いは昨日最終回を迎えたのだよ!
俺も彼女の真似をして、片方の口角を上げ言ってやることにした。
「ふっ。不知火よ。十一回目の告白は……ないっ!俺の片想いはフィナーレを迎えたのだ!あっはっはっは!」
「え!?急にどしたん?」
「十回告白して、十回も同じ振られ文句……バカな俺でもいい加減、真白にうざがられてもおかしくないとわかる。それに…」
「それに?」
「俺はもう伝えたいだけ気持ちを伝えられたから、もう満足なんだ!」
もう過ちを繰り返すほど、俺はバカじゃないんだ。成長したんだぜ?
その証拠にどうだ!この俺のキメ顔!様になっているだろう?
「うわぁ、ださっ」
「なんでだよ!?そもそも、こんだけ粘り強く相手に気持ちを伝えるやつ、俺以外に今まで出会ったことあるか!?」
「まあ…ないけどさ…」
「だろ!?これだけでもすげえことだよ!そしてそんな俺、白銀翔は、一片の悔いなしだぜ!殿堂入りしてもいいくらいにな」
「まあ自公肯定感高いのは良いことだけどさあ。そこまで誇示しちゃったら、なんか負け犬みたいだよ」
「うるさいなあ。とにかくもういいんだよ!あと、こうも快活に不知火に笑われ続けてたらなんかどうでもよくなってきたってのもあるしなあ」
「おーい、私に原因の一端をなすりつけるのやめてくれる?てかさ、そこまで自画自賛するならやればいいんじゃん、十一回目。次は成功するかもよ?ふふっ」
「それ、励ましてるつもりで言ってる言葉なら、地味に笑ってるのは間違えてるぞ」
「そんなこと…くふっ」
「良いさ。今日で笑い納めなんだから」
「ああ、ごめんって」
不知火は俺の肩をぽんぽんと軽く叩いた。
「ま、もう一回くらい頑張りなよ。骨は拾ってやるから。それにさ、後悔が一番良くないんだぞぉ」
「また笑いたいだけだろ?」
「いや、まあ…じゅ…じゅっいちか……っくはぁぁ」
「やっぱ振られるの前提じゃねぇか」
こてっと不知火の頭を軽く叩くと彼女は目尻に残った笑い涙を拭い、相変わらずの天真爛漫な笑顔を向けてきた。
「ごめんって。もう笑わないからさ。ほら、駅前のマックでハンバーガーでも奢ってやるから」
「……じゃあダブルチーズバーガー」
「はいはい」
そう言うと不知火は三歩ほどひょっひょっとスキップし、こちらに振り向く。
夕暮れの通学路。背後から夕陽に照らされながら笑顔で俺に手を差し伸ばす彼女に──
「ほら、行こっ!」
俺はどきりとした。その笑顔、その明るい声、その優しさに。
負け主人公を励ます真のラノベヒロインさながらにも思えた。まあ確かに不知火が彼女だったら毎日楽しそうかもだけど。
……って……ん?
いやいやいやいやいやいやいやいや!ないないないないないないない!!
何を迷っているんだ!!しっかりしろ俺!!
俺たちは友達!欲を言えば親友!
俺が不知火のことを?はっ!?バカな!
でなければまるで真白にも、不知火にも気があるみたいな……矛盾!不純!!この女たらし!!!
確かにバカだけど俺はそこまで落ちぶれてはいない!たぶん!
つまりこのわけのわからない感情は心の病から来る気の迷いだ。そう、きっと俺は無意識に失恋で病んでるんだ!もう一度言っておく!病んでるだけだ!!
『翔ちゃんはずっと幼馴染としか見えないの』
思い出せ。真白に何度も言われてきたじゃないか。
はあ、あぶねー。危うく今度大事友達から同じようなセリフを吐かれるところだったぜ。
「おーい!早くーしろー!置いてくぞー!」
気がつけば数メートル先で、不知火が変わらず天真爛漫な笑顔で、大きく手を振っている。
いつも通りだ。俺の失恋を笑った後、申し訳程度に優しくなるのはいつものことじゃないか。
それに彼女が俺と一緒にいるのは俺の失恋を友達として面白がるためだ。
そんなこと分かり切っているのに、恋愛フィルターがかかるなんて。
全く俺はどうしたもんかね、あはははは。
そうだ!さっきのは一瞬の気の迷いだったんだよな?だよな!うん!
そう再確認した俺は友達として、欲を言えば親友として、彼女の元へ走った。
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そんな真白への恋を諦めたあの日からニか月が経った今日の昼休みの話だ。
例の人気のない図書室前の廊下に、なんと真白から呼び出された俺は、これまたなんと彼女から逆告白をされた。
あの日から真白への恋を諦めるために自ら彼女を避けていたので、彼女にどういう心情の変化があったのかはわからない。
突然の出来事に俺は頭が真っ白になって、結局こう答えてしまった。
「一晩でいいから、考えさせてほしい」
「そうだよね……」
真白は少しだけ寂しそうに笑って、それから小さくうなずいた。
「わかった。じゃあ明日また、返事を聞かせてね」
そう言うと彼女は「約束だよっ!」と手を振る。昼陽に照らされたベージュ色のナチュラルショートをふわりと揺らし、口元には彼女の魅力的なえくぼが浮かんでいた。
相変わらず可愛いな。可愛く手なんか振って。……なんて考える余裕はなかった。
廊下の角を曲がり、真白の姿が見えなくなった瞬間、俺は項垂れて、小さく呟いた。
「一体、何がしたいんだ俺は」
なぜあんな曖昧な言葉を選んだのか。四時間たって放課後になった今でも納得のいく理由は出てこない。
思い出せることは、逆告白された瞬間、確かに嬉しかったこと。そして同時に『断らなきゃ』と思ったこと。そしてその相反する思考が同時に出現したせいで、そこから思考回路が完全にショートしたことだ。
でも少し復旧した今ならこれだけははっきりと言える。
やっぱり俺は真白の気持ちには応えられない。
なぜなら俺は──この二か月で不知火を好きになってしまったからだ。
認めたくはないが、この色めくときめきは恋だと認めざるを得ない。
言っておくが、『不知火なら簡単に付き合えそう』みたいな、そんな最低な下心は一切ない!断じてない!
第一、そんなんで付き合えるならあいつにはとっくの昔に彼氏ができているはずだ。
それにこの二か月間で俺と不知火の関係に、劇的な進展は何一つない。むしろ、俺たちはどこまで行っても友達、欲を言えば親友なんだって思い知らされることばかりだった。
だから恋人になる未来なんて、最初から想像できない……はずなのに。はずなのにそれでも、この気持ちは消えてくれない。
『ほら、行こっ!』
二か月前、不知火が真のラノベヒロインのように見えたこのシーン。これが呪いがかったように時々フラッシュバックするようになったんだ。
どうやら失恋の病は治らなかったようだ。あぁ、思い出したらまたドキドキドキドキと……
「よっ!十一回目の告白、振られたか?」
「うわあああああああ!!」
「え?え!?」
「ししっ…不知火が急に出てくるからっ!」
「いや、白銀の横で私、靴履き変えてたよね?明らかに視界に入ってたよね?なのに、なんなんボーっとして」
言われて初めて、自分がいつの間にか靴を履き替え、外まで出てきていたことに気づく。
全くどうしちまったんだ俺。
呆然としていると、不知火がいつもの天真爛漫な笑顔でひょいと顔を覗き込んできた。
「あ!わかった!やっぱ振られたんだあ」
「な、ななななんの話だよ」
とぼけてみせるが、その笑顔を正面から浴びると、胸が妙に騒がしくなって頬まで熱を持つ。
悟られまいと俯き、足早に歩き出すが、不知火は隣から追撃するように口を開いた。
「惚けんなよ〜。昼に大空さんと二人で歩いてんの見たぜえ?てことはしたんでしょ?十一回目の告白」
「し、してないって」
「だから惚けても無駄だって〜。てか私に予告なしで告白とかさ、水臭いことすんなよな〜。ま、どうせまたダメだったんでしょ?仕方がないから、可哀想な君をまた慰めてやるとするかー」
「いや、だからっ──」
待てよ。このまま勘違いさせたままでいいんじゃないか?
「だからなにー?てか、おーい、しーろーがーねー。返事しろー」
隣を歩く彼女の声が遠く聞こえるほど、俺は悩んだ。でも本心が訴えてくるんだ。
ちゃんと本当のことを言え!そしてこの際だ、自分の正直な気持ちを伝えてしまえ……って。
ああ、わかったよ。嘘はやっぱ嫌いだ。気の迷いだとしても今日の昼みたいなのは特に。
だから今、言おう。言って…言っても大丈夫かな……ってあぁ、もう!考えない!言うんだ!
「無視すんなー」
彼女の声が絶え間なく横から聞こえる中、俺はすぅーっと深呼吸をして覚悟を決める。
そして、言った──まずは真白に告白されたことを。
「真白に……告白されたんだ」
「はいはい…って、はあああああ?!?」
思った通りのリアクションだが、今から『その告白は断る。それで俺は今から不知火に告白するから!』って言ったら、どんなリアクションをするか……。いや、それでも言うんだ!
「いや、いやいやいやいや!そんなわけない!」
「いや、そんなわけがあるんだって」
「わかった!いつも私に正直に話してバカにされてるから、今日は逆に嘘で脅かしてやろ…みたいな!?」
「だから嘘じゃないって」
「嘘だね」
いつもみたいに笑って、俺の話に聞く耳を持とうとしない。そんな不知火の肩を気付けば掴んで──
「嘘じゃないって言ってるだろ!」
夕暮れの住宅地の大通りに俺のいささか大きな声が響き渡る。はっとして辺りを見回すが幸運にも人はいなかったが、不運にも不知火の表情から今までのおどけた笑みが消え、凍りつく。
「ご、ごめん。大きな声出して」
「いや、私こそ…ごめん」
気まずい沈黙が落ちる。
不知火は視線を逸らし、足元を見つめたまま、いつもの笑顔とは、どこか硬い作り物の笑顔を浮かべる。
「な、ならさ……よ、よかったじゃん!」
「いや、不知火。実はこの話には続きがあって──」
「白銀のくせに『先にゴールしちゃってすいません』とか思ってんの?めっちゃむかつくんですけど」
「だから続きが──」
「でも、そっか…とりあえずおめでとうだね。白銀はずっと大空さんを追いかけてきたんだもんね。その努力がようやく実を結んだんだ。いやあ、よかったよかった」
まるで俺の声を拒絶するみたいに、不知火は背を向けたまま、俺を置き去りにするように歩くスピードを上げる。
「なあ、不知火!不知火ってば!待てって!」
ついに呼びかけにも応じない。不知火は俺に振り向くことなく、ただすたすたと歩いていく。警鐘が鳴り響く。不知火がいなくなってしまう。
気づけば彼女の腕を力強く握っていた
「聞いてくれっ!本当は俺…俺は……不知火のことが好きなんだ!だから──」
「あ、あのさ!」
背を向けたまま、かすかに震える不知火の声。
「わ、私は白銀とは親友だと思ってるよ? それ以下にも、それ以上にもならないって……だから……今のは、聞かなかったことにする。ね?」
そのセリフを聞いた瞬間、俺の指先から力が抜けた。
不知火は腕をするりと抜き、振り向きもせずまた歩き出す。
「私なんかより大空さんと付き合った方が白銀は幸せになれるって、親友として、保証する。それに白銀の四年間の片想いに勝てるやつなんていないって」
感情の乗らない、乾いた声。
残されたのは遠ざかる背中と、夕暮れに溶けていくその影だけだった。
俺はただ、その残像を見つめることしかできないまま、しばらくの間一歩も動けなかった。
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
不知火と別れたあとの記憶は、ほとんど霧の中だ。
どうやって家まで帰ったのかも曖昧で、ただ足だけが勝手に前へ出ていた気がする。母さんの呑気な「おかえりー」という声も、どこか遠くの世界の音みたいに聞こえた。返事をする余裕もなく、そのまま二階の自室へ直行してベッドに倒れ込んで仰向けになった。
全身から力が抜けて、天井を見つめることしかできず、頭の奥ではさっきの光景ばかりが繰り返される。
そのうち日が沈み、部屋は暗闇に包まれていた。母さんが夕飯のことを何か言っていた気もする。返事をする気力すら残っていなくて、ただぼーっと天井を見つめ続け、瞼が重くなって──
なぜか俺は学校の校門前に立っていた!
そして目の前にはまた俺から立ち去ろうとする不知火の後ろ姿が!
これが現実か夢かなんて、今は知ったことではない。
『不知火!不知火!!』
不知火が俺のことを友達としてしか見ていなくても、やっぱり俺は不知火のことがどうしようもなく好きなんだ!大好きなんだ!
その焦燥に突き動かされるまま、俺はまた彼女の腕を掴んだ。
『不知火っ!ちゃんと話を聞いてくれ!』
不知火は依然としてこちらを振り向いてはくれない。それでも俺はなんとしてもこの腕を離すまいと力を緩めずに掴み、不知火に語り続けることにした。
『不知火!!俺は…俺はっ!』
『真白さんを選ぶんでしょ?よかったじゃん。夢が叶って。おめでとう、白銀。じゃあ、私は不要だからいくね』
乾き切った失望とも言える言葉は衝撃的で、力強く掴んでいたはずなのに、また彼女の腕がするっと抜ける。そして不知火はまた背を向けて歩き始める。
はっと我に返った俺は彼女を追うが、追いかけても追いかけても、その距離は一向に縮まらない。
『待ってくれ不知火!!待ってくれええ!!』
『白銀と私はずっと友達、欲を言えば親友…だもんね?』
なんだよ、友達とか、親友とか…。
たとえ、たとえ不知火がそう思っていたとしても、俺はそれでも…それでも……不知火のことが───
「大好きなんだあああああ!!!」
「寝ぼけてる場合かああああああ!!」
ばちんっ!!と脳天に衝撃が走る。
え?え?
なんで俺自室のベッドに?あれ、不知火は?不知火は?
「昨日の夕方から!!早く降りてこいってんだあああああ!!!」
その言葉を口にされた瞬間、俺はようやく理解した。
寝起き早々、母親に告白まがいのことをしてしまった恥ずかしさと、夢の後味の悪さから飛び起きた。
その後、母さんにちくちくと小言を言われ、鬱陶しさ半分と恥ずかしさと失恋のモヤモヤ半分を手放したいがために手早く身支度を済ませていつもより一時間半くらい早く家を出た。
最寄り駅に着き、そういえばとスマホを取り出し、発車時刻をアプリで確認した。
「……げ。今出たばかりかよ。しかも次は十五分後かよ。寒いのに」
溜息を吐き、改札を抜け、ホームへ向かう。
待合室もない田舎のホームだから、冷たい風が容赦なく吹き付けてくる。
身が冷たくなれば、心も冷たくなるって中学の男友達から聞いたことがあるが、あれは本当だな。
今朝の夢のことをふと思い出すと、俺はふふっと微笑が溢れた。
「不知火のこと、好きになんのは間違ってるってお告げかねえ」
そんなどうしようもない独り言を寒き朝の澄んだ冷気に溶かしながら、かじかむ手に息を吹きかける。
ふと学ランのポケットに入って手袋が入ってるかもと思い、取り出そうとした時、二つに折られた紙切れが落ちた。
記憶のない紙切れにハテナを浮かばせながら広げると、見慣れた丸みのある字で書かれていた内容に俺は息を呑んだ。
『フラれても いつもまえむき 君の良い所 琴音のありがたい俳句 ps白銀のばか正直で前向きなところ、私は嫌いじゃないゾ!なーんてなw』
たぶん、昨日の昼休みに俺が真白と図書室に向かった際に、椅子に掛けっぱなしにしてた学ランに入れたんだろうか。
「不知火……」
目頭が熱くなると同時に心臓をぎゅっと掴まれたようなそんな気持ちになって、ようやく俺はなぜ不知火を好きになったのかわかった気がした。
その瞬間、心の中もこの朝焼けの澄み切った空のようにすっきりとした。
不知火を好きになった理由、それを話して彼女に納得してもらえるかはわからないけど…それでも伝えたい。
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
学校には一時間早く着いた。校門をくぐり、グラウンドから朝練に励む運動部の掛け声をbgmに少し考えた末、俺は教室ではなく旧校舎へと向かうことにした。
旧校舎は例の図書室がある校舎で、俺の目的地はその図書室の隣にある空き教室だ。
理由は単純。人がいないからだ。
本館から離れた場所にあるし、そもそも図書室も開くの放課後だけ。それでいて、好都合にも鍵がかかっていない教室だから、俺と不知火はよく馬鹿騒しながら昼飯を食べている場所だ。
独りになれて、馴染みのある場所。それすなわち今一番、リラックスできる場所だ。
昨日から浮き沈みが激しい心情を一旦クールダウンさせよう。まぁ心の準備というやつだな。
そんな企みを胸に、足早に空き教室へ向かう。
しかし教室の引き扉の前に立った瞬間、理由のわからない違和感が走った。
誰か、いる?
そんな気がして耳を澄ませるが、やはり何も聞こえない。
そもそも図書室が開くのは放課後だし、こんな場所に来るのは俺と不知火くらいだ。
だから気のせいだと自分に言い聞かせ、引き扉をがらりと横に滑らせ、一歩踏み込む。
次の瞬間。目に飛び込んできた光景に、俺は反射的に後ずさりし、勢いよく扉を閉めた。
「……先客、か?」
女子が二人、向かい合わせでいつも俺たちが座っている席に座っていた。
気のせいだと思うが、その二人の顔が、真白と不知火にやけに似て見えた。
いやいやいや、ないないない。
馬鹿だなあ、俺。
さ、悪夢は忘れて自分の教室に向かおう。
そう踵を返した瞬間だった。
「翔ちゃん!」
夢ではなかった。ガラガラっと開いた扉から真白が出てきて俺の腕を掴み、教室の中へ引きづり込む。
「え?え?え?え?」
わけがわからないまま教室に入ると、俺に視線を向ける真白の後ろには、向かい合わされた席にちょこんと座って、目を大きく見開きこちらを見つめる不知火がいた。
「え……白銀……なんで?」
「いや、少し野暮用があって…って!それはこっちのセリフだ!なんで二人が」
「それは……」
真白の後ろで、席に座りながらも目が泳ぐ不知火。そんな不知火を見かねた真白が一歩前に出た。
「私が誘ったの。不知火さんとお話しがしたくて」
「話って、なんの?」
「あぁ、ええとね。昨日、ほんとにたまたまなんだけど。翔ちゃんが不知火さんに……その……告白してるところ、見ちゃって」
居たのか……。
「で、その後駅のホームに上がったら、大空さんと偶然会ってね──」
告白はなかったことになったとはいえ、真白に曖昧な返事をした直後に不知火に想いを伝えたのは事実だ。言い逃れのしようがない。
「───朝早いけど、ゆっくりお話ししたいなあ……って、翔ちゃん?聞いてる?」
「え、あ、あぁ、うん。聞いてたよ」
真白の声を遠くに感じながら、俺はある決意した。
そう、とにかく謝ること!誠心誠意!
行動に移そうと頭を下げようとした瞬間、真白は小さくため息を吐き、そして俯き気味に口を開いた。
「でさ、翔ちゃんはやっぱり…不知火さんのこと好き…なんだよね?」
いきなりか!?
いや、俺は正直に白状するだけだ。ただそれで良い。
俺は咳払いをしてカラカラになった喉を潤わせると、鉛のように重くなった口を開き言った。
「……はい」
「そっか。だったら私が告白した時に言ってくれたら良かったのに…」
「ごめんっ!曖昧な返事してごめんっ!いや、すいませんでしたああああ!!」
反射的に九十度のお辞儀。
だがこんなことをしても遅すぎる謝罪だってことくらいはわかってる。
あぁビンタ飛んでくんのかなぁ。
いや、だとしてもだ。俺には誠心誠意向き合う選択肢しないのだ。
覚悟を決めろ俺。歯を食いしばれえええ!!さぁ来い!!真白!!
「翔ちゃん…」
俺の名前を呼ぶ声が静けさに消え、目をぎゅっと閉じて身構える。
しかしそんな俺の耳に届いたのは、真白の柔らかな声と微かな笑い声だった。
「ふふっ…」
「え?」
恐る恐る目を開けると、真白は目尻に涙を滲ませながら、くすっと笑っていた。怒気は、ない。
「翔ちゃんらしいね」
「はいっ!不純な愚か者で───」
「そう言うことじゃなくて──」
言葉を遮るように、温かくて、柔らかい手で真白が俺の手を取り、優しく、穏やかな彼女らしい笑みを浮かべながら握った手に視線を向けている。
「翔ちゃんは昔から真っ直ぐで、優しくて……って、そんなこと分かり切っていたはずなのに。私はそんな翔ちゃんが大好きだったはずなのに。翔ちゃんから目を逸らしてきた。勝手な思い込みで」
「思い込み?」
真白は伏目がちにこくりと頷く。
「翔ちゃんと付き合うのはきっと楽しくて、毎日がキラキラ輝いたそんな日々になるんだろうなって思ってた。だったら翔ちゃんの気持ちを受け入れるべきなんじゃないかって何度も思った」
「じゃあなんで告白を…その…断ったりしたの?」
「それが思い込みのせいなんだよね。幼馴染なら、喧嘩してもまた仲の良い幼馴染に戻れる。でも恋人になって、別れたら……もう、終わりかもしれないっていう思い込み」
「そんなこと…」
ないとは言えない。俺は真白の想いを断ち切るために実際に意図して彼女との距離をとったわけだし。
こんな時、何も言えないのは情け無い。
「翔ちゃんとはずっと仲良くいたいもん……でもね」
言葉を探しながら立ち尽くすしかない俺に、真白は目を潤わせながら声を震わせる。
「十回目の告白のあと、疎遠になって……翔ちゃんはもう私の元からいなくなっちゃったんだって気づいたら、ようやく正直な気持ちに向き合いたいって思うようになって……やっぱり私は、翔ちゃんのことが好きだった。大好きだったんだなって」
涙が窓から差し込んできた朝陽を受けて輝きながら真白の頬を伝う。
初めて見るその真白の泣き顔に、俺は言葉を失った。
「馬鹿だよね…私。翔ちゃんの幼馴染とか言って、翔ちゃんのこと全くわかってなかった。見ようとしてなかった。それなのに今更…」
そもそも馬鹿なのは俺だって同じだ。悪いのも同じ。だから何も言えない。啜り泣き、次々と涙がこぼれて、それを両手で一生懸命拭う彼女を目の前にしても、俺は何も言えない。
立ち尽くすしかない俺に、突然、背後から声が飛ぶ。
「何突っ立ってんのよ!!!!」
立ち上がり、後ろから不知火が大きな声で俺を怒鳴りつける。そして真白の元へ歩み寄り、手を取ると不知火も目を潤わせながら口を開く。
「大空さん。やっぱり白銀は大空さんと付き合うべきだよ。だって白銀は四年間も大空さんのこと想ってたんだよ?」
「不知火さん…」
「白銀。あんたは本当に大空さんのことをもう想ってないの?あんたの四年間の片想いは嘘だったの?」
「それは…」
「十回の告白が今につながってるのなら、大成功じゃん。それにさ、私なんかよりずっとずっと大空さんの方が素敵だよ。あんたのこと、ちゃんと見ようとしてるんだから」
俺は──それでも。
「……ごめん」
二人をまっすぐ見て、俺は言った。
「真白、不知火。ごめん。やっぱり俺の気持ちは変えらんないや」
「白銀…」
「不知火が俺たちの関係は親友止まりって思ってるのはわかってるし、それに真白。俺の四年間の片想いは嘘じゃなかった。本気だったよ」
だけど、だけど俺は
「それでも今は…今は不知火のことがどうしようもなく好きなんだ。大好きなんだ」
「だ、だからっ……昨日言ったじゃん…私とあんたはずっと…ずっと……」
言いかけた言葉をまるで封印するかのように唇を噛み締め、俯きながら何度も力の入ってない拳で俺の肩を叩く不知火。
「ほんと…バカだよ……白銀は…」
「あぁ。認める。俺はどうしようもないバカだ」
そんな俺たちの会話を聞いた真白は静かに笑みを浮かべる。
「不知火さん。さっきも話したけど、やっぱり翔ちゃんのこと、幸せにできるのは私なんかよりも不知火さんだと思うの」
「大空さん…わ、わたし」
「不知火さんと今朝いっぱいお話ししてわかったの。私と違って、最初から今までちゃんと翔ちゃんのこと見ていたんだって。だからこそ、翔ちゃんも本心から不知火さんを選んだんだと思う」
「大空さん…」
「翔ちゃん、不知火さんのこと大事にするんだよ」
そう言うと、真白は俺たちに背を向けて教室の入り口へと歩いていく。
「あ、翔ちゃん」
くるっとこちらに向いて彼女は涙を頬に伝わらせながら言った。
「私は昔も…今も…翔ちゃんのこと大好きだよっ!だから……これからも幼馴染として仲良くしてくださいっ!」
「俺の方こそ。またよろしくな。その…幼馴染として」
自然と口から出たそのセリフは思い詰めていたような真白の曇り空のような表情を明るくして、俺が大好きな彼女のいつもの笑顔にした。目尻残った涙は眩く、宝石の光沢のように輝かせている。
「ありがとう!!」
真白はそう言って、「じゃあ私、先に行くね」と教室を去った。
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
二人きりになった教室には妙な沈黙が流れ、そのむず痒さに耐えきれなくなったのか不知火が口を開いた。
「私さ、白銀の恋を近くで見て、応援できたらただそれだけで満足だって思ってた。……覚えてる?私が白銀と初めて話した日」
「あぁ、覚えてる。俺が高校に入って初めての告白で、真白に自信満々に告って振られたんだって言ったらさ。初めて喋るのに、大爆笑されたやつな」
「そう。その時はどんだけバカなやつなんだよーって思ってた。けど白銀は六回目こそ絶対うまくいく!俺は諦めない!ってその日の帰り道、私に熱く語ったよね」
「あぁ、そういうのもあったな」
思い出したが、ちょっと恥ずかしい。
「それからまたすぐに告白して、案の定傷心して、また立ち直って、また告白してって……そんな白銀を見てたらなんだか私…私さ…」
不知火は表情に影を残しながら俯く。
「私にもそれくらい思ってくれる人がいたら…もし白銀が大空さんじゃなくて、私にその想いを向けてくれたら……すっごく幸せなんだろうなぁって考えちゃったんだ」
「不知火…」
「でも白銀は大空さんが好きだし、大空さんも白銀をいつか好きになってほしいって……私は傍観者として白銀の恋をただ見届けるだけ………そう願うべきで、そうあるべきだってことはわかっていたのに……」
涙を次々と頬に伝わらせる不知火はそれでも俺に謝った。
「好きになっちゃいけなかったのに……白銀は大空さんとくっつく方が、白銀が幸せになれるってわかってるのに……私……白銀…ごめん…ごめんね…」
不知火は次々と溢れる涙を両手で拭いながら謝る。
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
俺の幸せ……なら不知火、今言ったことは全部───
「違う!!」
涙を残した目を大きく開きこちらを見つめる不知火。
「白銀…」
「真白も言ってただろ?不知火は最初から俺のことをちゃんと見てくれた。考えてくれた。だからいつも手を差し伸ばしてくれた。そうだろ?」
「それは……」
「だから俺は真白に十回も気持ちを伝えられた。一方的で、目障りだったかもだけど、それでも俺は満足なんだ。幸せな失恋だった。それは紛れもなく不知火のおかげだよ」
「何それ…バカじゃないの」
「ああ、全くその通りだよ。俺、バカだからさ。今朝まで気づかなかったんだけど……俺、嬉しかったんだよ!本当の自分を見てくれて、そんな自分に笑顔で手を差し伸ばしてくれることが!」
俺は伝えた。俺が不知火を好きになった理由。気づいたのは今朝だけど。
そのきっかけをくれた手紙を俺は彼女に差し出した。
「ほんっっとに嬉しかった!言葉に言い表せないくらい。どうしようもないくらいに」
「そんなの…ただの気まぐれで書いただけ…で…そんなので喜ぶなんて……さ……バカ……」
鼻を啜りながらまた涙を流す不知火を見て、俺も目頭が熱くなる。視界が滲む。
一緒に泣くなんてダサいと思うし、このままじゃ俺の方がわんわん泣いて、ダサくなって、また笑われてしまうのだろう。
だから、もっとダサくなる前に言おう。俺の気持ちをちゃんと伝えるために。
「だからさ、不知火!お…お、おれ…おれ…はっ!」
ダメだ声が詰まる。
でも、今気持ちを伝えないといけないんだ!
ありったけの気持ちを、声を───
「不知火!俺はっ──」
ふりしぼれえええええええ!!!
「お前をおおおお!!絶対に幸せにするからあああああああ!!!隣りでずっとおおおおおお!!!笑っていてくださあああああああい!!!!」
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
はっっっず!!
いやめちゃくちゃ恥ずかしい!!
今朝の出来事だってのに!もう放課後だってのに!!恥ずかしすぎる!!!
叫んで告白って、昔、某テレビ番組でやってたという屋上から主張するやつかよ!!
誰か笑い話にして消化してくれ!いや、横の彼女を除いて!
「叫んで告白って……っく……ふはははははは」
「だからやめろって!」
「馬鹿正直で、真っ直ぐすぎるのは痛いほどわかってたけど、十一回の集大成が"叫ぶ"ってさ……くふっ」
「もういいだろ!てか、何回リピートすんだよ!!」
「悪くはなかったよ?…っふふ…生涯十一回目の叫んで告白?まあ、流行るといいね……叫んでこ、こっく…ふははははは」
「だから言うなって!…くそ、めっちゃ恥ずかしいじゃねぇか」
恥ずかしさが増していく一方、不知火は目尻に笑い涙を残したまま、俺の顔を見て、「顔あっか」とまた笑う。
だから言うなっての。余計恥ずかしい。
隣りで歩く不知火の顔が視界に入らないように、正面のビル群の背面に広がる紅に染まっていく夕空を眺め、顔色をごまかそうとしようとする。しかしそれを阻止するように、不知火は口を開いた。
「てかさ、本当に私でよかったのかい?」
「だから……良いって言った。だから告った。てか琴音もさ、良かったのかよ?」
「良いって言った。だから受け入れた。しょうのまねー」
「じゃなくて、その…十一回目の告白で…」
俺が言葉を濁すと、不知火は一瞬きょとんとしたあと、「あー!」と声を上げた。
そしていつもと変わらない天真爛漫な笑顔で肩をすくめる。
「キミにとっては十一回目の告白でも、私にとっては一回目の告白でしょ?」
「まあそう言ってくれると…ありがたいが」
「それにさ、私は一回だけでいいよ」
「あ、当たり前だ。二回もあってたまるか。そうはさせるかってんだ」
「お、言うねぇ。ちなみに私、大空さんみたいにおしとやかでもないし、優しくないよお?」
「知ってる。それでも楽しくやれる自信はあるよ」
「お!?頼もしいねえ。まぁ、大空さん以上には可愛いかもってところがポイント高いからねえ」
「それはどうかな?」
「ひどっ」
「冗談だよ」
「むうぅ」
急に歩みを止めた琴音は俺の顔を覗き込む。
「なんだよ」
「ね、あっち見て」
琴音が指を指す方へ視線を向けようと顔を右へ向けた瞬間、耳元に彼女の吐息が届く。
「ありがとう。幸せだよ?」
ちゅっ───
柔らかい彼女の唇。その感触が左の頬にはっきりと伝わる。
唇の押し当てられた感触が離れると、急に熱くなって…何も考えられない。
「おーいっ!しょーーうくーーん」
俺を呼ぶ声にようやく意識が戻る。
いつの間にか琴音は少し先にいる。
そんな彼女の背後から夕陽が差し込みあの日と同じくらい神々しく照らす。
そして彼女はあの日と変わらない笑顔で俺に手を差し伸ばし言った。
「ほら、行こっ!」
まだまだ未熟者で勉強中ですので、おかしい点や不明な点、また誤植、誤字、脱字があればぜひ教えてください!
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