転生上層と“再構築”の影
【地上・砂漠地帯 エルガド砂海】
ケントはゼロから託された“転生核”を手にし、砂嵐の中を進んでいた。
後を追ってくるのは、天の監獄崩壊に巻き込まれなかった“選別者”たち。
その中にいたのは――あの黒翼の少女、フィアラの影も。
だが彼女は、追跡には加わっていない。
「アイツ……何を考えてるんだ?」
ケントがそう呟いた時、突然“時空の歪み”が空に走った。
ズオォォンッ!!
天空に開かれた巨大な“目”。
そこから響くは、神に似た存在の声――
「転生管理上層より通達。
第87番・高橋ケント。
貴様の“選外行動”により、転生法則が不安定となった。
よって、貴様を再構築領域に召喚し、裁定を下す」
「何だって!?再構築だと!?」
身体が勝手に浮き上がる――!
転移陣が足元に現れ、意識が引き裂かれるような感覚がケントを包んだ。
【異空間・転生上層“再構築領域”】
そこは“神の工房”と呼ばれる場所だった。
全てが白で統一された空間、整然と浮かぶ数百の魂の球体、幾千の“選定装置”。
そして、その中央に座す三体の存在――
第一理審者:オルデア(知性の支配者)
第二理審者:ユミリス(感情を捨てた天使)
第三理審者:ギゼルグ(機械神)
彼らがケントを睨む。
「この魂、あまりに自由意志が強すぎる……予測不能」
「それはこの世界の均衡を崩す。抹消が最も合理的だ」
「だが……逆に言えば、“新たな世界の核”として機能する可能性もある。再構築候補に相応しい」
ケントは叫ぶ!
「待てよ!俺はただ、普通に生きて、普通に幸せになりたいだけだ!勝手に世界の部品にすんな!」
オルデアが目を細め、ユミリスが静かに手をかざす。
その瞬間――
転生核がケントの中で輝いた。
「……何ッ!?」
光とともにケントの胸に浮かぶ印が、形を変えていく。
“再構築者紋章”
ギゼルグの声が響く。
「この者……まさか、ゼロが最初に構築した“理外のコード”を継承したのか……」
「どーいう意味だよ、それ!?」
「お前の魂は、神の意志すら介入できない“外部コード”となった。
ゆえに、お前はもはや“転生管理下の存在”ではない」
オルデアが一言、口にする。
「危険因子。収容不能。よって――解放する」
【地上へ帰還】
ズドンッ!!!
空から落下する形で、ケントは地上へ戻った。
「いててて……なんなんだよ、あいつら……!」
だが、地上はすでに変わっていた。
空に裂け目。魔獣の咆哮。人々の悲鳴。
「世界が……崩れてきてる!?」
転生者の魂に干渉しすぎたことで、世界の“構造”が崩壊を始めていた。
その中心に――
ケント自身の存在があることを、彼はまだ知らなかった。
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