「天の監獄と最古の選別者」
【空中都市・天の監獄】
地上から見上げることすら不可能な遥か上空に浮かぶ、黒鉄の牢獄。
そこは“転生の秘密”が封じられた場所。
そして、最古の転生者――**“ゼロ番”**が眠る場所でもあった。
ケントは連行される形でそこに到着した。だがその顔には、恐れはなかった。
「ようやくか……ここが俺の物語の核心ってわけだな」
「高橋ケント……お前、本当に行くのか?」
同行していた尋問官の青年・ロウガが問う。
「行くさ。たとえ何が待ってても、引く理由がねぇんだ」
ロウガはそれ以上何も言わず、無言で扉を開けた。
【監獄内部・第零階層】
その空間は“時間が止まったような”冷たさだった。
金属と石の匂い。
闇。
無数の呪印が床と天井を這い回る。
その中央――檻の中に、一人の男が座っていた。
白髪、虚ろな目、ぼろ布のようなローブ。
だがその存在感は、ケントすら無意識に後ずさるほどだった。
「ようこそ……後発の転生者よ」
その男は笑った。
「俺の名は、“ゼロ”。この世界最初の転生者にして、すべての鍵を知る者だ」
ケントは檻に近づき、真正面から見据えた。
「なら教えてくれ。“転生”ってのは……いったい何なんだ?」
ゼロはしばらく沈黙し、そして口を開く。
「転生とは、“選別”だ。神は言った。
"不完全な世界を正すため、他の世界から魂を引き抜く”と」
「俺たち転生者は……この世界を再構築するための、“素材”だ」
ケントは息を呑んだ。
「素材……ってことは、神は最初から“犠牲”を前提にしてるってことか」
「そうだ。
だから俺は拒んだ。
だから俺は……この“監獄”に封じられた」
「なぜあんたは黙っている?あんたほどの力があれば、抜け出せただろう!」
「……俺はな、“転生”を終わらせたいんだ。誰ももう……奪われない世界にしたい」
その時だった。
天井が爆ぜ、強烈な魔力が監獄を貫いた。
「誰かが……この場所を狙ってる!?」
ケントとゼロの会話が遮られる。
外から飛び込んできたのは――黒き羽根を持つ少女。
「ようやく見つけた……“ケント”!」
「誰だ、お前は!?」
「私は“第十三使徒”フィアラ。転生システムの守護者――
そして、“お前の処理者”だ」
その瞬間、世界が揺れた。
天の監獄が、戦場に変わろうとしていた。
見てくれてありがとう
次回もお楽しみに




