始まりの転生と、アマミヤの過去
【神域・鏡の間】
静寂に包まれた広間。
その中心、巨大な鏡の前で、アマミヤは静かに目を閉じていた。
「ようやく動き始めたか。あの男……高橋ケント」
彼の目の前には、かつての転生者たちの映像が幾重にも映し出されていた。
その中の一枚――ケントの姿だけが、異様な輝きを放っている。
「この“異質な魂”。やはり、神が動いたか。いや……」
彼はふと立ち上がり、鏡に手をかざした。
すると、鏡がゆっくりと波紋のように揺れ、過去の光景を映し始める――。
【過去回想:地球・2058年】
世界最高峰の頭脳を持った天才、天宮レン。
当時、彼は「魂の再構成理論」という、死を乗り越える研究をしていた。
だが、それは全世界の科学機関と倫理委員会から禁じられた。
「魂は神の領域だ。人間が踏み込んではならない」と。
それでも彼は、たった一人で禁忌に挑んだ。
「……なら俺が証明してみせる。人間が、神を超えられると」
そして、彼は自らの命を使って“転生装置”を起動。
世界で初めて、完全なる“異世界転生”を成し遂げた。
【神核領域】
転生した先は、現実と幻想が交わる“始まりの領域”。
その地で彼は、存在すら曖昧な“神々”と出会った。
そして、取引を持ちかけられる。
「我が力を授けよう。その代わり、“転生の門”の管理を任せる」
アマミヤはそれを受け入れ、“転生管理者”となった。
彼が望んだのは、“死を乗り越える世界”を創ること。
だが現実は残酷だった。
転生者は全員が救われるわけではない。
一部は記憶を失い、魂を濁らせ、ある者は“処理”された。
それに気づいた時――
「これは希望のシステムなんかじゃない……ただの“選別機”だ……!」
彼は変わった。
“転生をコントロールする者”から、“この世界を作り変える者”へと。
【現在・ケントの部屋】
1枚の封筒が机に置かれていた。
送り主の名は――「天宮レン」。
封筒を開けると、手紙にはこう書かれていた。
『君がなぜ選ばれたか知りたいか?
ならば、“天の監獄”まで来い。
そこで君は、転生の“真実”を知ることになる』
『選ばれたことを、喜ぶな。
お前は……“鍵”にされたのだから』
ケントは手紙を握りしめた。
「……鍵? なんなんだよ、マジで……でも、これが“始まり”ってわけか」
彼の中で、覚悟が固まった。
「わかったよアマミヤ。お前が最初の転生者ってのは認めてやる。
でもな――俺が、最後の“生き残り”になってやる」
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