始まりの転生者——“世界を歪めた者”
【数時間後・王国の医務室】
ケントは背中に大怪我を負いながらも、かろうじて意識を取り戻していた。
「……あの黒い手……一体、何だったんだ?」
ジュンペイが、唇を噛みしめながら言う。
「イズミの言葉だと、“第三の神の使徒”。
でもおかしいよな……神域は崩壊して、魔王も消滅したはずだろ?」
イズミが目を伏せる。
「……実は、神域の奥——【原初の祭壇】に、最後の“転生者”が封印されているらしい」
「その者は、“最初の転生者”と呼ばれている。
この世界を最初に歪め、魔王を生んだ元凶——だ」
ケントとジュンペイは、言葉を失う。
「最初の……転生者……?」
「そう。しかもそいつの正体は——」
イズミが言いかけたその時、部屋の天井が突然破壊される!!!
⚡️ドガアアアアアアアン!!!!⚡️
瓦礫の中から、漆黒のローブをまとった存在が現れる。
その目は真っ赤に光り、空間がねじれるような重圧を放っていた。
「ふむ……ようやく目覚めたか、“鍵”たちよ」
「誰だお前は……!」
ローブの男はフッと笑う。
「我の名は、アマミヤ・リョウ——」
「そしてこの世界“最初の転生者”にして、かつての日本の英雄だ」
「……!」
「お前……日本人なのか!?」
アマミヤは無表情のまま、静かに答える。
「そうだ。俺は17年前、最初にこの世界に来た。そして気づいた。
この世界は“選ばれし者”に都合よく設計されている。
だったら——俺がこの世界の設計者になればいい」
「……どういう意味だ」
「お前たちはまだ気づいていない。
転生とは、神の選定ではない。“誰かが操作している”んだ」
「この世界に来た転生者の行動、能力、記憶、すべては……俺が設計したシナリオだよ、ケント」
「……ッ!!!」
ケントの拳が震える。
「じゃあ……お前がイズミの妹を……!!」
「そうだ。だが、彼女は弱すぎた。俺の理想世界には不要だった」
⚡️バキィッ!!!!⚡️
「黙れェェェエエエ!!!!!!」
ケントの拳がアマミヤに叩きつけられる!!
だが——
「……浅いな」
ボゴォォォッ!!!!
逆に吹き飛ばされ、壁を突き破ってケントが倒れる。
「“覚醒者”でもこの程度か。残念だな……。だが、計画は進む」
「“神の鍵”は残り2つ。お前らはその一つにすぎない」
「次に目覚める“転生者”を止めなければ、この世界は完全に消えるだろうな」
アマミヤは黒き霧とともに姿を消す——
…………
【深夜・城壁の上】
包帯を巻いたケントが、静かに空を見上げていた。
「くそっ……またかよ……。
世界ってやつは、なんでいつも俺の前に理不尽を置くんだよ……」
だがその背に、足音が近づく。
「ならさ、今度こそぶっ壊そうぜ」
ジュンペイとイズミが並び立つ。
「この歪んだ世界を。“最初の転生者”のシナリオなんかに、俺たちの人生を渡してたまるかよ」
ケントは笑った。
「……おう。俺たちはもう、“ただの転生者”じゃねぇ」
「選ばれなかった奴の意地、見せてやろうぜ!」
見てくれてありがとう
次回もお楽しみに




