表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/49

【1】

沖縄州は全国最下位の最低賃金であり、産業も観光業と海洋軍人相手の売春等一部の者だけが潤う州になっていた。

そんな沖縄州紹介制ナイトクラブ。

店内を派手なネオンが錯綜する。

爆音に合わせて体を踊らせる。

ここは海洋軍人の憩いの場だ。

そんな中に場違い感の否めない太陽人が紛れこんでいた。

体格的にも顔つき的にもこの場に馴染んでおらず、浮いていた。

そんな場違い感から来る奇異の視線を浴びせられている、そんな中一人の男が近づいて来た。

「よぉ、兄弟。なんでこんな所にいるんだ?誰の紹介だ?」

身長差が7cmはくだらない相手が威圧まじりに聞いてくる。

それとも太陽人ならではの感じ方で海洋人は皆こう他人に接するのであろうか?

その場違いな男はとある1人の男を指さす。

『おい、お前の紹介だってよ。知ってんのか?』

何やら外国語で話し合っている様だ。

その指さされた男はそうだともそうでないともとれる間で頷いてみせた。

「なんだよ兄弟。それならそうと早く言えよ。楽しんでけよ。」

そう言って男は太陽人の尻を揉んだ。

だが、決して目が笑っていないのは気のせいではなかろう。

太陽人は紹介者の元へと歩みを進め話しかけた。

「例の取引がしたい。」

端的にそう述べた。

男はセキュリティと思しき男を指差した。

後はそいつと話せ、と言外に伝えていた。

太陽人はセキュリティに

「クスリが欲しい」と伝えた。

そのセキュリティはこの場の中で一際存在感があった。

周りの人間が軍人で占められているのにもかかわらずだ。

そんなセキュリティは「兄弟、そんなものあるわけないじゃないか」と言い素早く手を首に回し脇と腕でヘッドロックを決めてみせた。

このままでは殺される。

そう思った太陽人だが、寸でのところで解放された。

「えほッえほッ」

咳き込みその場にへたりこむ。

周囲はその様子をみて囃し立て嘲笑する。

取引は諦めるかそう思い、その場を後にしようとした時後ろからセキュリティに

楽しくなりたいんだろ(、、、、、、、、、、)?とニヤけ顔で言われ、VIPルームへ案内された。

するとそこは特有の甘い香りで満たされていた。

(チッ!なんのためにヘッドロックなんて決めやがったんだ、畜生が!)

そう思った。

しかし直ぐに意味が分かった。

口外するなよ、とのことだろう。

だがお前らには捜査の手は及ばねぇだろと思い直す。

むしろ、口外して危険なのはこちらの方だった。

「おい、兄ちゃんどうすんだ?」

そう1人の男が問いかけてきた。

「揃ってんぜ」とも。

こいつが取引相手かと認識する。

コカイン(コーラ)大麻(チョコ)ヘロイン(ダスト)LSD(ドラゴン)覚醒剤(クリスタル)MDA(ラブ・ドラッグ)、MDMA、PCP(エンジェルダスト)、マジックマッシュルーム、フェンタニル(ゾンビ)取り揃えてるぜ。」

そう言われ太陽人の男は隠語と正式名称を頭で結び直し、お目当ての物があることにほくそ笑んだ。

軍人が小遣い稼ぎで(ヤク)や武器を売っていることは知っていたがまさかここまで品揃えが豊富だとは思ってもみなかった。

フェンタニル(ゾンビ)をチョイスした。

「ゾンビ。」

「おぅやるねぇ!兄ちゃん。」

「一グラムいくらだ?」

そう尋ねた。

「一グラム十万だ。」

この額に一瞬面食らったが、すぐに取り直す。

「じゃあ、五万円分くれ。」

「OK、兄弟!楽しめよ。」

少し高い気もしたが人間として使い物にならなくなるので取れるだけ取っておこうという魂胆だろう、そう思うことにした。

騙されている、ボッタくられているのではないかそうも思ったが取引じたいがおじゃんにならない為にも黙って小袋に入ったゾンビを受け取る。

そして五万円を手渡し取引が成立する。

それから覚醒剤も一万円分購入することにした。

もし、決行の時(、、、、)躊躇ったりしない様に。

(さぁ、後は実行に移すだけだ。)

そう思い、ナイトクラブを後にする。

警察が隠れているかもしれないので用心する。

密売人は裁けなくとも使用者あるいは太陽人は裁けるからだ。

用心するにこした事はないだろう。

沖縄州から関東州へとフェリーを経てリニアで帰宅する。

北関東辺りに住んでいる。

そして決行日。

その早朝にシャーレにフィルムを乗せそこにフェンタニルを溶かした液体を塗っていく。

そしてそのフィルムを左手につけていく。

フィルムは物質を通さない様に出来ている。

だから自分にはフェンタニルによる有害事象は発生しない。

利き手では無い左手にフィルムを取り付け

いつも以上に気をつけて扉の開閉をして現場へと歩みを進めた。

◇◇◇◇◇

―2068年4月18日(水)―

関東州旧東京都衆議院議員選挙街頭演説が車両の上から内閣総理大臣の遊説行脚がここから始まった。

「えー、アジアで唯一経済成長しないこの国を立て直すために深い見識を持つ彼は必要不可欠であります。

さらに太海同盟の有効性、実効性を確保していく面でも欠かせない人材です。

また、海洋の平和利用にも尽力し経済の発展に大きく寄与しました。

そんな彼にこれからの未来をどうか託して欲しい。

さらに豊かに!より強い国家へ、そして未来の子ども達が笑顔でいられるためにどうか、どうか皆様の清き一票を彼にどうか!託して欲しい。

そんな思いであります。

ここからどうこの国を良くしていくのかそんな力が国民の皆様にはあります!

どうぞ!!よろしくお願いいたします。

そんな演説を車両の上から魔剣士による球体を上半分の半球にしたシールドに守られながら演説を終え、握手に下へと降りていく。

ここで握手のため魔剣士のシールドが一時解除された。

演説が終わり、観衆と握手をする総理。

しかし、そんな中悲劇は起こった。

総理が倒れたのだ。

どよめく観衆。

慌てふためく関係者。

駆け寄るマスコミ。

一体、何が起きたというのか。

だが今は、そんな真相よりも一刻も早い人命救助が必要だ。

総理の蘇生が開始される中何が起こったのか分からない民衆はパニックを起こし逃げ惑う。その人混みに紛れながら平然と逃げていく犯人。

そんな事件が起こった太陽国家。

残念ながら総理は亡くなった。

死因は薬物中毒だった。

場所を移して海洋国家ワシントンD.C.。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ