【20】
母が自殺した。
介護に疲れたらしい旨遺書に書かれていた。
父は私によく暴力を振るっていた。
「別れて。」
そう、母にいわれ水を得た魚の様に
「お前にそう言われるのを待ってたんだ。
お前が切り出したんだから養育費はやんねぇからな。」
最後にそう言い捨てて出ていった。
そうして父と仲の良かった仲間を失った。
デカい車に皆んなで乗って、ガソリン代を割り勘することも野菜、肉、魚を貰ったり、安く買うコミュニティとは疎遠になった。
そんな母は自分を売って私を育てる事にしたらしい。
でも、母はどうやら風俗店には勤めていないらしい。
散発的に仕事に行っていたのでそこからどうやら出会い系サイトで自分を自分で売り込んでいたらしい。
後になって分かった。
その仕事帰りに自信を喪失したらしくリストカットする日もあった。
風俗で通用する容姿ではなかった。
だから出会い系で求めた。
が、しかし、そんな母が出会い系で体を売ったとしてもあるのは冷やかし、よくそんな顔、体で売ろうと思ったなぁッ!という罵倒と殴る蹴る突き飛ばすなどの暴力、悲痛なまでに残酷な現実だった。
そんな母に残されたのは介護の必要な母親、母方の祖母と私だけだった。
母はよく頑張れない人間なんてのは甘えてるだけ。
生活保護なんて受けたら娘は差別、虐めの対象になる。
そう言っていたし、思っていた。
だが、母の介護が必要になり父とは離婚。
心の病気になり友達も1人2人と失っていった。
以前自分もそちら側に行くまいと虚勢を張って自己責任と攻撃することで自分を保っていた。
そうしたら、いざ自分が助けが必要な時に、自分から助けてと言えない体になっていた。
しかしこれは彼女だけの責任だろうか?
社会全土で自己責任という風潮があるのではなかろうか?
そう、形成された社会はいとも容易く助けが必要な人のマインドを助けてそういえないマインドへと変えてしまうのではなかろうか?
そうして自殺した。自殺してしまった。
そんな母の遺書の最後に
[母としては失格だったかもしれないけど]
[最後まであなたに手をあげなかったのは]
[私の誇り。 ]
そう書いてあった。
母は私の世代で暴力を断ち切り剰え愛情も注いでくれた。
私に残されたのは母方の祖母の介護と母の愛情だけ。
正直、どうせ死ぬなら母方の祖母も一緒に殺して欲しかった。
でも、その優しさが今の私を形作った。
そんな私は立派に育ちました。
そう、天国に轟かせるために魔剣士の道を志した。




