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【5】

ピンポーン

「はい」

「公安調査庁です。臨時の捜査にやってきました。」

「………」

「開けてくださーい」

タ、タ、タ、タ、タと駆けて行く音がインターホンごしにする。

しばらくすると…。

「はい、分かりました。」

そう言ってドアが開けられる。

上の者にお伺いでもたてていたのだろう。

「公安調査庁です。」

「お一人ですか?」

「外で待機しています。」

もちろんハッタリだ。

待機などしていない。

「そうですか。分かりました。」

疑っているのかいないのか分からない顔だったが入る他などないので入る。

手には台車にボックスが乗った物を押して入った。

「あの、教祖は……。」

そう、分かりやすくそちら側の用語で伝える。

「救世主様はあちらに。」

「2人きりにさせてください。」

「それは出来ません。」

「応援を呼びますが?」

これは賭けだった。本当は応援などいない。

ドックン、ドックン、ドックンと心臓が一気に跳ね上がる。

(了承しろ、了承しろ、了承しろ!)

そう、心の中で願う。

バクバクだ。

その音が外部に漏れ伝わっているんじゃないかと不安になる。

(早くしろ、早くしろ、早くしろ!)

この時間がいやに長く感じた。

そして…

「わかりました。」

「少し話をつけてきます。」

ふーと心の中で胸を撫で下ろす。

一応弾倉には十三発の弾丸があるが無差別はしたくないそう思った。

「では、どうぞ。」

そう言って救世主とやらが奥の扉を開けて出てくる。

「「「あぁ、救世主様」」」

そう言って教団員が平伏する。

「貴方が公安の方で?」

「えぇ。」

「では、どうぞこちらへ。」

入室し扉を閉める。

まずは、第一関門を突破した。

1人だったのが警戒を呼ばずに済んだようだ。

部屋は何かの儀式に使う部屋の様だ。

「本来ならこの部屋には私以外入れませんが、いつもの様にこちらもお調べになるんですよね?」

「えぇ。」

「ならば私がいる間にどうぞ。」

「では、長くなるのでお座りください。

部屋の真ん中に座る様指示する。

教祖が床に座った。

そして、自分も座…ろうとして教祖の口元を押さえて床に叩きつける。

そして銃を額に近づける。

言外に喋ったらどうなるかわかるなという目線をくれてやる。

そうすると、コクりと頷いた。

「因みに本物だからな?」

そう、耳に囁きかけ耳朶をくすぐる。

そして一発顔の左側の床に撃つ。

無論サイレンサー付きだ。

硝煙の匂いが辺りにたちこめる。

本物と分かったはずなので「分かったな?」などと野暮な事は言わず…。

「黙れよ?」

お前の命は■の手の中にあるんだ。

そう目が物語っている。

「まず、儀式をする7日間部屋に入るなと言え。」

コクコク頷く。

「私だ、扉越しに聞いてください。」

「なんでしょうか?救世主様。」

「これから儀式を始めます。7日間入室しないで頂きたいのです。」

「分かりました救世主様。」

「身代金ですか…?」

ピシュン

サイレンサーを通過した音。

後ろに血華が咲き誇る。

絶命した。

それをテキパキと体が入るボックスにつめていく。そしてその部屋を後にし幹部らしき男へ、

「儀式の手順を確認したら、そのまま続けるそうです。入室は控えて欲しいとの事です。」

「分かりました。」

反論はなかった。

確認もなかった。

素知らぬ顔で教会を後にする。

車の中で。

「はぁーふぅー、はぁーふぅー、はぁーふぅー。」

「やったぁぁ、ふぅー」

声を震わせ囁く様に。

「やったんだ……」

後は死体を運んで7日間の勝負だ!

そそくさと用意していた車へ運び込んだ。

そして車で山へと運び込んだ。

遺体をバラバラにしてあちこちに埋めた。

(これで■は楽になれるんだ!)

そう、この時まではそう思えていた。

――

「母さん、もうやめようよ。」

母親をママ呼びから母さんへ変えたのは中学生からだった。

「ただいま〜ママ。」

「お帰り。」

「夕飯は?」

「カレー」

「よっしゃ」

と小さくガッツポーズ

家で宿題をやり夕飯まで過ごす。

「ご飯出来たよー。」

「はーい。」

「今、行くー。」

そう言ってすぐにはいかない。

ちょうどきりのいいところまで、そう思って進める。

しばらくしてまた。

「さめちゃうよー。」

「はぁーい。」

「いそげ、いそげ」

そう言って自室のドアを開け階下へ降りて行く。

「うっし!いただき!。」

そう言ってご飯を食べる。

ありふれた家庭。

そんなある日。

(あれー?そう言えばあれ何処にしまったかなぁ?)

そう思って色々な所を探していると…。

なんだこれ?現金?

珍しい訳ではないが何か引っかかる。

それを取り出し数えると…。

十万円あった。

(まぁ、へそくりかなぁ?)

そう思った。

だが、ここである考えに至る。

(よし!これを話して分け前を貰おう!)

問題はどちらのへそくりか。

ママをそれとなく探ってみる。

「ねぇ、押し入れの中…」

「なに?」

「いや、何でもない。」

「何よ?なんかあんでしょ?」

「いや、だから別に…。」

「その言い方はなんかあるんでしょ?」

(ふむ、いい食いつきだな。ママか。)

「ねぇ、ママこれ…」

そう言って現金を見せる。

ビクッ、と少しだけ反応した様に見えた。

「どうやって見つけたの?」

「いや、探し物してたら。」

「どうする気なの?」

「別にーただ…」

「ただ何よ。」

「ちょっとばかし頂けると助かるかなぁーって。」

「じゃあ、いいわよ。いくら?」

「じゃあ2万で。」

「分かったわよ、じゃあはい。」

「よっしゃ!やりぃ!

ところでこれ何に使うの?」

「別にいいでしょ。」

「えー気になるなぁー。」

「じゃあそれ返して。」

「おっとそいつぁ困る。」

「じゃあこれで。」

そう言って札を掲げた。

でもこの時ほんの少し、ほんの少しだけ、使い道が気になった…。

今日は学校を休んだ。

ちょっと気分が悪かった。

しばらく自室で休んでいると母が外へ出て行った。

コンビニかなぁ?そう思った。

体調が悪くなった時、いつもコンビニ限定のプリンを食べる。

でも、今日はそんな気分じゃなかった。

だから慌てて追いかける。

しばらく向かうと見つけた。

声をかけようとしたがやめた。

コンビニに寄らなかったからだ。

(なんでだろう?)

そう思った。

そしてこっそりと跡をつけた。

たどり着いた場所はといえば…

(教会?)

怪しい。そう思い一足先に帰って押し入れを確認した。

案の定なかったのだ。現金が。

他の場所って可能性もあるけど…

(聞いてみよ)

しばし帰ってくるまでの時間妙な緊張感に襲われた。

ガチャリ

帰ってきた。

「ママ」

「何?」

「プリンは?」

「あぁ、買ってきたよ。」

「そっかー今気分じゃないんだよなー。

ヨーグルト甘いやつお願い。」

「たく、もうー。しょうがないな。分かったからおとなしくしてな。」

そう言い一度追い返した。

心の準備の時間だ。

ガチャリ

再び帰ってきた。

「ただいま〜」

「おかえりー。ありがと〜」

ヨーグルトをもらいリビングで食べ始める。

そして話を切り出す。

「ねぇ、ママ。お金どうしたの?」

「なぁに急に。また(たか)る気なの?」

「違うよ。ただたんにどうしたのかなって…。」

「願掛けしてきたのお父さん健康診断でちょっと怪しかったでしょ?だから…。

「8万円も?」

「8万もじゃないわよ。」

「じゃあいくら?」

「それは…」

「8万円納めてきたのよ教会に。」

「そうなんだ。わかったよ…」

わかってなどいなかった。

8万ってなんだよ!

そう思った。

でもこれ以上追い詰めてはいけない子どもながらにそこで思いとどまった。

父さんの病気が悪化した。

入院した。

そうすると母は教会に頻繁に通い詰める様になった。

そうすると生活はどんどん苦しくなり始めた。

しまいには■の塾代として分けていたお金が減り塾に通へなくなった。

「ねぇママやめようよ。」

そう言わずにはいられなくなった。

「父さん治るかもしれないのよ?だから、だからお願いよぉ。」

そう泣きつかれた。

(心配なんだなぁ…)

そう思った。

もちろん医療にいのいちばんに頼った。

だが、心の声までは聞いてはくれなかった。

AIが発達し公、教、医の負担は減った。

長時間労働の是正がなされ医者の役割が減り手取りも減った。

そうすると患者の心の声を聞いてくれる医者はどんどんと都市部へ優秀な者は移っていった。

そうすると心の声をあまり聞いてくれない医者は地方に増えた。

それにAIに仕事が淘汰され始めたので回転率をよくしなければいけなくなったので心の声を聞く時間が追い討ちをかける様になくなった。

だから患者は不安なのだ。

その部分を宗教へ求めた。

本来、宗教とは人が幸せに(、、、、、)なるためのもの(、、、、、、、)なのに。

それが今どうだろうか?

生活を圧迫し剰え医療費まで食い潰そうとしている。民間保険は頼りにならない…。

お金が貰えるだけで根本的治療にはなんら貢献しない。

なら自分で貯めた方がいい。

それに負担額が増したといえど高額療養費制度で支給される。

だから、頼みの綱として心の不安の治療薬として宗教にいってしまった。

(でも、もうやめよう?苦しいよ)

それでも母親を憎めなかった。

救われたいそう思うことも罪なのかなぁ?

そう、思えたから…。

だから怒りの矛先は教会へと向かった。

(殺してやるよ)

――

7日間逃おおせれば勝ちだ!

何故なら忘れられる権利が叫ばれ防犯カメラの映像は7日間しか保持してはならないと法律で決められていたから。

警察の現場は猛反発したが、他の科学技術が発達しているとメディアが世論を形成するにいたった。

メディアとしても取材映像の価値が上がるため完全に衰退し、斜陽産業になったためチャンスであった。

そのため、後押しした。

だから7日、7日間なのである。

(7日逃げれば取り敢えず■の勝ち。)

そう今日この日■の人生は決定した。

今後は兵役につく。

そうすれば罪が軽減されるからだ。

先進国とくに課題先進国である太陽国家は国防隊員が足りず魔剣士で戦略を担わせ、犯罪者で戦術を賄う。

そんな事をしてシビリアンコントロールはまかり通るのかという批判も噴出したが魔剣士による取り締まりで伏せた。

(そう、だからもし、バレたら兵役につきゃぁいい)

そして魔剣士の方が戦場では重宝されるので減刑幅も大きい。

だから■は魔剣士になる。

そう心に決め、魔剣士学校に入学した。

彼、いや彼女?の名前は―――

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