【01】
僕は物心ついたころから
“なぜ生まれ”
“なぜ生きているのかわからなかった”
そんな何故、自分が生きているかわからない少年にとって目の前の苦痛はただの苦痛に他ならなかった。
禍福得喪《不幸や幸せ、成功や失敗があること》が常である人生において生きることを前提とした長期的視点が彼(僕)には存在しなかった。
だから、その苦痛という問いに対して死にたいという早計な結論を出してしまうほどに。
そんな中テレビでとある大会を目にする。
国際魔剣士親善人権亢進大会
通称:国際魔剣士大会の熱い戦闘シーンが映っていた。
その戦いをいつの間にか目で追う様になり
いつの間にかテレビの前に腰掛けていた。
今日の試合放送を見終えた僕の心は少しばかりへんだった。
それを形容するのならドキドキ、ハラハラ、ワクワクしていた。
何だこの胸の高鳴りは。
何だこの滾った熱さは。
僕は心に昂揚感を覚え今ここでその高鳴りを滾りを表現の仕様のない熱い想いを体を使って表現出来ないもどかしさに駆られていた。
あぁ、もしかしたらここに、ここに行けば何かを得られるのかもしれない。
そしてもしかしたら生きる意味を。
しかし瞬く間に不安に駆られる。
でもその後はどうなるのだろう?
そんな不安に。
でも今はこれしかない。
ここしかないんだ。
そして僕はその日そこをその舞台を目指す事を心に決めた。