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【2】

グルーミングそれは………

グルーミング(性犯罪)

性犯罪

性犯罪・性的虐待の文脈におけるグルーミング、チャイルド・グルーミング(英:child grooming)とは、性交や猥褻行為などの性的虐待をすることを目的に、未成年の子どもと親しくなり、信頼など感情的なつながりを築き、手なずけ、時にはその家族とも感情的なつながりを築き、子どもの性的虐待への抵抗・妨害を低下させる行為である。

性的グルーミング、性的手なずけとも。

アットWiki

それはギャンブルにも言えることだった。

これはある男を追ったノンフィクションだ。

元会社役員56歳男性を取材した。

「今日はよろしくお願いします。」

「あ、どうもこちらこそよろしくお願いします。」

男はそう言い朗らかに笑った。

この男は会社のお金でギャブルに興じた特別背任罪で逮捕され懲役刑が確定し服役し終えてのタイミングでの取材となる。

「今回はギャンブル依存症というテーマですけど、如何ですか?」

「ですから私が呼ばれたんですよね?」

「はい、そうなりますね。」

「ギャンブル大国、太陽国家でギャンブル依存症という問題は根深い問題ですが如何お考えですか?」

「他人の人生それもある一つの事にそこまで干渉する必要ないんじゃないですかね?」

そう言って男は少し眉を顰めながら好きなギャンブルが否定される事に嫌悪感を示した。

―映像がさし変わり―

今度はカジノを運営している男に話を聞いた。

「ギャンブルをしてお客が勝って帰ることがありますよね?それはお店にとってマイナスですか?」

「あぁ、大丈夫ですよ。ギャンブルで儲かったお金はまたギャンブルに使うので。」

そう言って男はニヤけた。

◇◇◇◇◇

「やめてぇぇぇッッッッッ!あなた!

やめてよ!あなた子どもに当たらないで!」

そう言って子どもを包む様に庇う。

「うるせぇ!酒はどうした!酒は!どうしたんだよ。どうせお前が隠したんだろう?早く出せ!」

「もう家にはないのッッッ!」

「だったら買ってこいッッッ!今すぐだ!」

「でも、あなたお医者さんがあなたの体を……」

「うるせぇッ!どうでもいいんだよ!!!」

「もういい俺が行ってくる。」

そうして玄関へ向かい扉を開け酒を買いに行った。

玄関の扉がゆっくり閉まる音が虚しく響いた。

―――――

お父さんは会社に呼び出されるたび、残業で遅くなるたびに酒をあおる量が増えていった。

―――――

男は酒を買いにコンビニへと向かった。

トボトボと歩くその背中はどこか寂しそうで哀愁を誘う。

コンビニに入店し店内をウロウロと酒を探す。

(俺、何やってるんだろうなぁー)

自分でも自分が情けなくてしょうがなかった。

「何度言ったら分かるんだッッッ!

何回ミスすれば気が済むんだ?

あぁぁん?」

「すみません。」

そう力なく応えるのが精一杯で………

睡眠不足が祟って頭がまともな思考を紡がない。

点と点が結ばれて線にならない。

視界がボヤけ耳は遠くなり意識も希薄になっていく。

最初の頃は心の中で悪態をついていたが今はその気力さえ残っていない。

酒を見つけ、つまみを幾つか手に取りレジへ向かう。

レジで商品を自分でスキャンしていると…。

「あれ?お疲れですか?大丈夫ですか?」

そう声をかけられた気がした。

しかし後に並ぶ人の存在で幻だと理解する。

男は心の何処かで望んでいたのかもしれない。

労いを。

(いよいよ…なのかな?)

店を出て車のタイヤ止めに腰掛ける。

酒をプシュッと開けあおる。

薄い…

つまみをあけつまむ。

ソフトさきいかだ。

美味い。

至福の時間だ。

今は…

次に焼酎のビンの蓋を開ける。

さっきよりすこし濃い。

美味い。

一通り食べ終えるとその足でパチンコに向かう。

パチンコ店は今や唯一になった喫煙場所だ。

扉が自動で開閉し空気換気を行っている。

空調設備に乏しいのでそうせざる負えない。

そんな開閉する扉からタバコの香りが漏れ出て来てニコチンが体を刺激する。

(あぁ来たんだなぁ。今日はあの台だ。)

そう思ってニコチンと熱気の海へ消えて行った。

◇◇◇◇◇

母は泣いていた。

どうすればいいのか分からない私。

これが私の日常だ。

辛いのだろうか?

分からない…

これは異常な光景なのだろうか?

分からない…

だって私にとってこれが当たり前、普通だからだ。

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