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英雄化計画始動

太陽国家は超少子高齢化のため労働力人口確保のため移民を呼び込むことにした。

法人税は国際的に引き下げ限度が設けられ各国にそれほど違いがないので、治安の良さ、物価安、寄付による減税の触れ込みで移民を呼び寄せる様になった。

移民庁も設置された。

技能実習制度という形で移民受け入れは以前からあったが移民の地位を確立するための法整備が進められた。

だが、大々的に政府が移民受け入れを公言したため右翼は猛反発した。

「移民など必要ない」と…

が、しかしそれは技能実習という形で移民を受け入れ、支えてもらわざるを得ない窮地だったことからの現実逃避に他ならないのだが…。

確かに移民には賃金への下方修正圧力があるがそれ以上に学位ある移民は仕事を創造してくれる。

そんな政府の移民政策に反発した右翼が各地でテロを起こしていた。

そして検察の取り調べを受ける彼もまた例外ではなかった。

「何故、こんな事をしたんだ?」

「この国の腐った政治を打倒するためだ。」

コン、コン

ガチャリ

「失礼します異世界庁長官がお見えです。」

「取り調べ中だと伝えてくれ。」

「それが…」

二藍(ふたあい)検事、彼の取り調べは我々が行うことになった身柄をひきとらせてもらうよ。」

「しかし…」

そう言いかけて言葉を呑んだ。

「了解です。では後はよろしくお願いします。」

「うん。任せてよ。」

―異世界庁地下取り調べ室―

「それじゃあ始めようか。」

「ふむふむ調書に拠ると移民反対なんだねぇ?」

「犯罪者を呼び込んでどうする?」

「移民=犯罪者かぁ…」

「犯罪者ねぇ。確かに移民が起こす事件の凶悪性はニュースで目立つねぇ。

でもそれって移民そのもの自体が犯罪を引き起こしてるのかねぇ?

教育や就労の機会が先住民と平等じゃなかったりして失うものや守るべきものがない者が犯罪に走ったり。

これは自国民でも失業率が高ければ犯罪率が高いのと同じじゃないかねぇ?

それに低所得者が生活が苦しくて社会に不満を持って犯罪に走るのも差別や疎外感を感じて犯罪に走るのもどの社会集団にも起こり得るんじゃないかねぇ?

本当に移民だけが原因かねぇ?」

「奴らはこの国の治安を乱している。

この間の事件も不法移民が引き起こした。」

「あれは確かに移民ではあるけれど不法移民ではないよ彼らはこの国で産まれ育った国民だ。

だから納税したり労働力としてこの国に貢献してくれた存在だよ?」

「それに在留資格がないことは犯罪じゃないから不法じゃなくて無登録移民だよ。」

「けっ。言葉をあげつらっただけじゃねぇか。」

「本物かぁ…」

この本物かぁとは事実が偽情報()を信じるために湾曲してしまっているなぁと言う意味だ。

(よし、合格だ。)

―ニチャア―

「すまなかった。辛かったろう?」

「は?」

「右翼、左翼なんて呼ばれて少数派として追いやられるのは苦痛だったろう?

いつだって多数派におもねって蹂躙されて悔しかったろう?

政治は少数派を顧みようとしない。」

「何が言いたい?」

「共に復讐しようじゃないか

俺も不満なんだ

国会で発言する度にお前はわかっていないと笑われるんだ。

分かってないのはお前らだろうってね。」

「それがどうした?」

「だから俺は証明したいんだ自分の主張、意見を。そのためには上に登り詰めなきゃならない。

それを君に手伝って欲しいんだ。

君は自分の意見主義主張それを曲げないでいてくれればそれでいい。

協力してくれないかなぁ?

今まで生き辛かったろう?そんな社会に復讐できるんだ。

またとない機会じゃないか

俺の方が正しいんだただそれを貫き通すだけでいいんだ

そして君は暴力を以って照明すればいい。

そのための力が必要だろう?

手助けしてあげるよ。」

「そんなことしてお前は平気なのかよ。」

「そのために上に行くんじゃないか。

それで全て揉み消すさ。」

「ふっ、面白い奴もいるじゃねぇか。」

「手伝ってくれるね?」

「勘違いすんな俺は俺のやりたい様にやるだけだ。」

「わかったよ。」

(さぁ、英雄化計画の始まりだ)

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