【9】
テロのあと全校集会がありそこでテロの事の顛末が語られた。
そして全校集会が終わり各自自分達のクラスに戻り席に着いておもいおもいに談笑に耽っていた。
そんな中1人の生徒がゆっくりと教壇に向かって歩き教壇の後ろ、少し段差のある部分に乗っかり話し始めた。
「皆んな聞いてくれ!」
「あんな事があっていつ死んでしまうか分からなくてだからこのクラスの皆んなで月毎のイベントは大事にしていこうと思う。
お花見をしようと思うんだけどどうかな?」
教卓に向かって座らず隣の生徒と話していたり集まって話していた生徒が首を動かし頭だけをこちらへ向けて。
「賛成ー。」
「いいじゃん、面白そう!」
「やろやろ」
「お花見かぁーいつぶりだろう?楽しみ!」
場がお花見というワードにあっというまに支配される。
「勿論参加は強制じゃないでも出来れば全員参加して欲しい!
じゃあ4月8日の日曜日でいいかな?」
「おっしゃ任せとけブルーシート持ってくぜ!」
「私は弁当作って持って行くね!」
「俺もブルーシートなら」
「私スイーツ作るねー」
「おぉ!盛り上がりそう!」
ワイのワイのとあれこれ決まっていく。
テロの後が嘘の様に緊張が弛緩していく。
皆んな大なり小なり先のテロでストレスを抱えていたのだ。
◇◇◇◇◇
―4月8日日曜日―
お花見当日
「おーい、こっちこっち。」
手招きする。
集合場所は花見で有名な公園で。
「うひょおぉぉぉぉぉぉぉー女子の私服だ眼福、眼福ぅぅぅ」
「どう?似合ってる?」
首にはスカーフをY字に巻きつけ、上は白のTシャツを下にインし下は袴パンツを履き足には赤の足袋シューズにシューズの先にリボンがついた格好をしていた。
「うん!似合ってるよ。」
「可愛い?」
「うん!可愛い!」
「でしょー」
ムフーと鼻を鳴らす。
「ちょっと私の私服も拝みなさい。
この私の私服を見れるなんて幸運ね!」
「お前のはいいわ。」
「なんですって!?」
「恥じらいがないんだよ。大事なんだよ恥じらいは。」
「あんなの作ってるに決まってるじゃない!」
ギャーギャーと姦しい。
「お花見つっても花見て飯食うだけじゃん。」
「でも、なんかいいよね」
「良い思い出になりそう!」
「先に来てるメンバーで準備しとこうぜ。」
「花見って意外とする人多いんだねー。」
「それ、私も思った。」
「ここよくね?」
「じゃあここにしよう。」
台形になっている上底にブルーシートを広げる。
台形の斜めの部分の前に桜が咲いている。
「桜綺麗〜。」
桜の木を満開の桜が桜色に彩っている。
「枝垂れ桜もあるー」
「あたし、枝垂れ桜好きー」
「さ、飯だ飯」
「男子は風情がないなぁ」
「あはははは…」
と苦笑いする一部の女子。
「おぉ、三色団子じゃん」
「手作りのもあるけど買ったやつもあるよー」
弁当には色とりどりの物が入っていて調和が取れている。
おにぎり、唐揚げ、焼きそば、焼き鳥、だし巻き卵、たこ焼き、ピザ、サンドイッチ、フランクフルト
三色団子、桜餅、フルーツサンド、柏餅、ドーナツ、さくらロールケーキ、苺大福
桜茶、紅茶、水、ハーブティー
紙皿、割り箸、紙コップ
各々自分の好きな物を取っていく。
「それじゃあ、皆んなの無事を祝して乾杯!!」
「「「「「「乾杯!!」」」」」」
飲めや騒げや大騒ぎ。
「黒也君も来れたら良かったのにね。」
「それ以外にも何名か来れていない子もいるね。」
「そうだね。」
「あんな捻くれている奴来たって楽しめないっしょ?」
「あはは……」
苦笑。
青春の1ページを刻んでいく