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命の水の満つる夜に  作者: 中川聖茗
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第十八章

 李と再会するまでには、信恵にも波乱にとんだ経過があった。

 信恵の家族の崩壊については前に述べた。

 しかし、実は崩壊してから、さらなる地獄が待っていたのである。

 父は息子を軽蔑し妻を非難する、息子は父と母を憎悪する、母、つまり信恵は両者からの暴言、暴力にひたすら耐える、そんな地獄の毎日は、ある日、父が息子に包丁を持って切り付けるという事件を起こすに至って、完全に崩壊した。

  幸い怪我はなかったものの、警察が当然介入した。ところが、信恵の夫が「子供を殺せ、殺せと命令する声が頭の中でした」と供述したことで、保健所が介入し、精神科病院へ措置入院となったのである。

 夫は精神を病んでいたのか!なぜ、自分は医師としてそのことに気が付かなかったのだろう。ー信恵はひどく自分を責めた。

 どん底に落ちいった信恵をさらに鞭打つ出来事が襲った。彼の両親が信恵を執拗に責め立てたのである。ー無理もない面もある。息子が危うく殺人犯になりかけたのである。義理の両親から激しく責め立てられ、最後には離婚を迫られた。子供も渡せないと言って、子供は祖父母宅へ引き取られた。信恵は黙って事態を横で眺めているしかなかった。

 彼女は失意のうちに、気が付くとうつ状態となり、ある日、うつ病と診断され、精神病院へ入院を勧められ、一年間の療養生活を送った。

 結果的には、信恵はそこで人生の転機を迎えることになる…。

「あの時、あの主治医の先生と出会っていなければ、今の私はなかった…」


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