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TSエルフになったので、弟子にその力を見せつけたい  作者: Yu
TSエルフになりました。よろしく
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旅立ち

感想もらいました

4人目です。

やる気が出ます。



魔方陣に乗った瞬間、おれの視界は真っ白になった。



遺跡の中で橋が崩れてしまったため、魔法で空を飛んで降りてきた階段側の崖に戻るか、突如現れた魔方陣に乗るか、で悩んだ結果。おれは魔方陣に乗ることを選んだ。



真っ白な視界が徐々に晴れてくる。


おれは洞窟の中にいた。真っ暗でほとんど何も見えない。


おれは遺跡の壁に取り付けられていた光る鉱石を左手のアイテムボックスの指輪から取り出す。何個かくすねておいたのだ。



真っ暗な洞窟が、光る鉱石によって淡い黄色へと染まっていく。


おれは鉱石の黄色い光を頼りに状況を確認した。



魔方陣は既に消えている。


おれは魔方陣を使ったからここに魔方陣があると分かるが、初めてここに来たら只の行き止まりにしか見えないな。



おや、ここにも手形がある。スフィンクスの間の扉や魔方陣の近くにあったのと同じ手形が洞窟の壁にある。


これに魔力を流すとどうなるのだろうか?


おれは手形に右手を合わせて魔力を流し込んでみた。



ブォォォォォン


魔方陣が復活した。



この魔方陣に何回か乗って、行ったり来たりを繰り返したが、どうやらこの魔方陣は一方通行ではなく相互通行のようだ。



魔方陣を堪能したおれは洞窟を進みながら出口を探した。



いきなり違う場所に現れるのってなんか新鮮だった。ここはやはり異世界なんだなぁ。



お!光が見えてきた。出口が近いらしい。


おれは光に向かって歩いていった。





どうやら無事に洞窟から出られたみたいだ。あの魔方陣が隠してある行き止まりからここまで一本道だったから迷わなくてよかった。


おれは手に持っていた光る鉱石をアイテムボックスに収納する。



「おぉ!!」


そこからは、綺麗な夕日が見えた。夕日は森の中心にある、湖にも写っており、二つの夕日が空や山を赤く染めている。



ここは山の中腹のようだ。ログハウスを建てた湖が見えるから、湖と森を囲んでいる山の一つだと思う。


湖の方向が分かっているなら魔法を使わなくても歩いて帰れる。最強を目指して身体を鍛えますか!!






……………。おれは魔法で空を飛んでいた。


途中までは、頑張ったんだ。頑張って歩いたけど、この森はなかなか広いし、少しずつ道に迷ったりし出したから仕方なかったんだ。


それに、遺跡を探索して疲れたから早く寝たいし。


今のところ魔法が消えて落下するようなことも起きてないから、大丈夫だろう。


あと、力があるのに使わないのは贅沢な気がする。



最強を目指すのは明日からにしよう。



森を歩いて分かったけど、万能木の実─黄緑神実は湖に近い森にしか実っていないらしい。湖から遠く山に近い森では全くといっていいほど見かけない。


キノコとかはちらほら生えてはいたけど、毒があるかもしれないから触りたくない。それにおれキノコ嫌いだし。



ん?黄緑神実を実らせている木々がちらほらと現れてきた。湖に近づいて来たんだろう。


空を飛び、後ろに流れていく森を見ながら思う。




ログハウスに到着。


おれは水浴びの準備をするためにログハウスの中へと入っていく。




遺跡探索に満足したおれは、遺跡にあった分かれ道のことをすっかり忘れていた。


明日はなにしようか?






半年後、森に異変が現れた。



…………………。


…………。




おれが異世界に転生し、TSエルフとなって半年が過ぎた。



遺跡探索を終えた、おれの半年の日常はこんな感じだ。



日の出と共に起き、万能木の実─黄緑神実を朝食に食べる。


外に出て湖でひと泳ぎ。


魔法で新しい服をつくり、着替える


その後、リュックを背負い食料探索。黄緑神実を手当たり次第、アイテムボックスの指輪へと回収していく。


日が高くなってきたら、適当な木に腰かけて、採れたての黄緑神実を食べる。


そしたら湖へ行き、魔法の練習をする。


空を飛ぶ飛行魔法。


風を操る風魔法。


水を操る水魔法、ただし水を生み出すことはできなかった。


全方位を防御するバリア。


一方向を防御する一点集中バリア。


自分の身体能力を強化する身体強化魔法。ただし使用した後、筋肉痛になる。


材料から物をつくる創造魔法。これにはきちんとしたイメージがないと失敗する。


物を動かす念力のような魔法。


そして、物を団子のように押し潰して、そのまま消滅させる消滅魔法。これは使うとなかなかしんどいので乱発はしたくない。



他にも転移とか色々挑戦してみたが形にならず失敗した。



日が落ちてきたら湖で水浴びをする。


黄緑神実を食べる。


日の入りと共に寝むる。



これを半年の間、ずっと続けてきた。


最近では黄緑神実がなかなか見つからない。おれが全回収かけてしまったから、この森にはもう生えてないのかもしれない。


今はアイテムボックスの中のストックで飢えを満たしている。



そんな中、ここ半年間なかった異変が森に現れた。



あれはつい昨日のこと。おれはいつもと同じように食料探索に出掛けた。なんか森が騒がしいと思い、音のする方へ行ってみた。


すると、変な生き物がいた。顔が3つあるライオンで尻尾が蛇になっている。



あれがもしや魔物なのだろか?あの水龍と比べればだいぶ小さいが、それでも全長7mくらいはありそうだ。



おれはライオンもどきを倒すことにした。


自分の魔法の力を信じることにしたのだ。この半年、おれは前世で存在しなかった魔法というものを当たり前に感じるくらい扱ってきたし、そして何より勝算があった。



おれはそぉーっと、ライオンもどきの背後に回り、風魔法で尻尾の蛇の首を落とした。的が小さい方を先に倒すことにしたのだ。


ライオンもどきは驚いてこちらを振り向き、雷や炎を放とうとしたが、おれはそれよりも先にライオンもどきの首を風魔法で3つ同時に落としたのだ。



水龍との戦闘で学んだが生き物を殺すなら、狙うは首だ。そこを切り離せば大抵なんとかなる。



おれはライオンもどきが完全に死んでいるのを確認した後、アイテムボックスに収納する。


アイテムボックスには、既に一度着た服や黄緑神実が大量に入っているが、未だ容量を超えることはない。実にいいアイテムをゲットしたもんだ。



その日は森にたくさんの生き物がいた。


巨大な蛇


デカイ斧を持った二足歩行の牛


腕が四本ある鬼


両腕が刃となっている鳥



二足歩行してるから意志疎通ができるかも?って思ったけど、どれもこれも雄叫びを上げながら、おれに突進してきた。


雄叫びを上げて突進してくる生き物は魔物と見なして首を落とした方がよさそうだ。



出会った魔物は皆首をはねて、おれのアイテムボックスに死骸が入っている。


久しぶりに肉を食べようかなとも思ったが、火を起こせない。おれにファイアーボールは使えないようだ。



なんだあれは?火の上位魔法か?


ただのファイアーボールですが、なにか?


みたいなことはできないようだ。



おれはこの半年で随分と魔法を自分のものにしたと思う。異世界に転生してすぐは怖かったりもしたが、今では全くそんなことはない。


それにこの魔法の力がなければ、おれは水龍になすすべなくやられていただろうし。そう思えば魔法は命の恩人?でもある。



魔物が森に出たということで、この土地は住みづらくなるだろう。


おれもこの半年で鍛えた魔法を見せるのが魔物だけというのもつまらない。



だから、おれはこの森から外に出ようと思う。


あの山を越えて外の世界に行く。



そして、魔法を人に見せ付けて、おれは気持ちよくなりたいのだ。







次の日の朝、水浴びを済ませたおれは半年間お世話になったログハウスの前に立った。



このまま置いていくのもいいかなって思ったけど、アイテムボックスがあるから回収していくことにした。


「回収。」


左手の人差し指にはめられた指輪の宝石が光ったと思うと、ログハウスは指輪の中に消えていった。


アイテムボックス様々やな。これのお陰でおれの異世界生活はこれからも快適なようだ。



おれは最後に湖を見渡す。


とても広い湖だ。朝日が湖面に反射して、水がキラキラと光っている。


しばらくはもう来ないだろうな。



おれは湖から目を離して森を見た。


どっちへ向かおうか?そういえばこの森には遺跡があったな。アイテムボックスを拾った遺跡。あの遺跡を越えて、その先に行ってみよう。



おれは飛行魔法を使って空を飛ぶ。


今では、魔法は手足のように使える。魔法が使えなくなることを怖れるのは、健康な人間の手足が突然動かなくなることを怖れるくらいに意味がないことだと知った。


今のおれはエルフの魔法使いなのだから。




遺跡の上を通り過ぎた。


水龍のレーザーをくらった跡は未だに残っている。


なにか忘れてる気がするけど、まぁいっか。



おれは森を越え、山を越える。魔法を使って空を飛ぶと移動がめちゃくちゃ速い。


空を飛んでいるから魔物と戦う心配はないし、空を飛ぶ魔物がいてもかなり遠くから発見できるため、脅威にはならない。



おれはそのまま人のいる場所を探して空を飛ぶ。




おや、遠くに街道が見える。人の往来があるのだろう。町や集落が近そうだ。


ん?どこかで人の声が聞こえる。子供の声だ。



おれは声のする方へ向かってみた。




「うわぁぁぁぁぁ!」


叫び声を上げているのは薄汚れた銀色の髪を持っている少年だった。


その少年目掛けて二足歩行の犬が雄叫びを上げながら迫っている。



ふむ、雄叫びを上げながら突進するということは、あの犬は魔物らしい。




おれは風魔法で犬の魔物の首を落として、少年の前に立つ。



「大丈夫か?」


おれは美少女エルフに似つかない男口調で尻餅をついている銀髪の少年へと話し掛けた。



▲▽▲▽▲▽▲▽



「いない………。」


一人の男が山と森に囲まれた湖のほとりで呟く。


「あの人はもう移動してしまったのか?」




ブモモモモモモモ


辺りに牛の鳴き声が響く。


「マスカルミノタウロスか……。」


男にマスカルミノタウロスと呼ばれた魔物は湖の水を飲みに来たようだ。


マスカルミノタウロスは雄叫びを上げて持っていた斧を振りかぶる。



「邪魔だ。」


しかしマスカルミノタウロスの斧は男へ届く前にバラバラになった。その斧の持ち主ごと。




「どちらへ行ったんだ?追いかけなくては……。」


男はそう言い残すとその場から消えた。



湖のほとりには、元がなんだったのかも、わからない肉片が散乱し、血の臭いが漂っていた。



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