表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TSエルフになったので、弟子にその力を見せつけたい  作者: Yu
TSエルフになりました。よろしく
3/54

森の中からこんにちは

感想くださいな



おれは今、湖のほとりにあるログハウスから離れて森の中にいた。


衣と住を魔法の力で整えたから、最後の食を手に入れようと思う。



魔法で食を完遂すればいい?


森に入る前に試してみたが、なんの反応もなかった。


この魔法は万能っぽいが原材料がない状態だとなにもできないようだ。



無から有を生み出すことはできないという事らしい。



という訳で、森に入って食料探索である。


森に入ってから気がついたけど、裸足で足が痛いから靴を作ろう。


『靴よ来い。』


魔法により木の葉が集まり、靴が完成する。服を作ったのと、ほとんど同じ手順だ。



さて、食料探索を再開しますか。






………………。


うーん、異世界で定番の魔物がいないな~。


あれから一時間ほど探索してみたが動く影を全く見ていない。


この世界には魔物がいないのかな?仮にそうだとしても、こんな豊かな森なのに鳥のさえずりさえ聞こえないのはどういうことだろう?


もっと森の奥を探してみるという手段もあるけれど、あんまり湖から離れすぎるとログハウスに帰れなくなってしまう。



しょうがない、今日の晩飯はこいつらで我慢するとしよう。


おれ、実は数多くの木の実をゲットしていました。


この森、生き物の姿は全く見ないけど、美味しそうな木の実はゴロゴロなってます。


魔法でつくったカバンの中に採った木の実が沢山入っている。


肩の負担を少なくしようと、リュックサック型にしてみた。



ここで一つ食べようかな?毒とかないよな?ここには何故か生き物がいないから、外敵に対する毒はないと思うけど。



おれは手のひらサイズの木の実を割って、少し食べてみることにした。


匂いは特に問題なさそう。あまい香りがする。


「いただきます。」


思いきって口に入れてみた。



これはっ!少し……いや、かなり美味しい。リンゴみたいな食感であっさりとした甘さがある。


あっという間に一つ食べてしまった。


そういえば、日もだいぶ落ちてきたし、そろそろログハウスに帰ろうかな。




おや?ログハウスはどっちだ?


木に印とかは付けてなかった。というか、木の実を採ることに夢中で何も考えてない。


ログハウスでの太陽の方角は特に覚えてなかった。



空を見ると日は沈み始め、代わりに月のような星が二つ、うっすらと見えてきた。



ここってやっぱり異世界なんだなぁ。


二つの月を見ながら思わず感慨に耽ってしまう。



二つと言えば、おれは異世界に来て未知の果実を二つ手に入れたんだった。


もにゅん


柔らかい。まさか人生初おっぱいが自分のものになるとは……。これはCカップくらいあるのではなかろうか?大きすぎず小さすぎず、バランスのいい感じ。これは人間を超えてしまったか?


おれエルフだったわ。



こんなことしてる場合じゃなかった。もうすぐ日が沈みそうだ。



俺は空を見上げながら考えていたことがある。


ワンチャン空飛べんじゃね?ここは異世界。やってやれないことはないはず。



深呼吸して精神統一


イメージを明確にしながら魔法を発動する。


『飛べ!!』



「うわわぁぁぁぁぁぁ!」


俺は上空へ打ち上げられていた。



ヒュオォォォォォー


風を切る音が耳に響く。



先ほど思いきって空を飛ぶ魔法を使ってたが、ほんの少し浮くつもりだったのに、かなり上空まで打ち上げられてしまった。


空を飛ぶ魔法はまだ継続してるから、いきなり落下することはないけど………


「金髪じゃま!!」



おれが異世界に来て、TSエルフとなったことで獲得した綺麗な金髪。


それが風にあおられて、おれの視界を遮る。




数分間、自分の髪と格闘しているとだいぶコツが掴めてきた。


イメージ……イメージ


空中停止!!


無駄な右往左往がなくなり、風が止んでくる。


髪がボサボサだ。



おれは髪を整えながら周囲を見渡した。


人間落ち着くと周りの状況がよく見えてくる。


おれエルフだけど。




初めて見たこの世界は美しかった。


夕日の赤い光が木々を赤く照らし、遠くには山が見える。背景の夕日と合わさって、とても神秘的だ。


ぐるっと一回転して周りを見ると、どうやらこの森は山に囲まれているらしい。


ここは秘境なのかな?山で囲まれているってことは、この森に魔物や動物はいなさそうだ。しばらく背中にある木の実だけで過ごすしかない。


美味しいからいいんだけどね。



ログハウスを作った湖も発見した。


長い金髪と格闘していた時に、かなり離れてしまったようだ。



そして、あの湖はこの森の中心にある。



それにしても、上空はかなり冷えるな。しかも、おれはノーパンだからめちゃくちゃスースーする。


帰ろう。帰って寝よう。明日はお風呂でもつくってみるか。



おや?あれはなんだろう?


湖の向こうになんかある。


おれはこの身体になってから視力がとても上がっている。それこそ、この場所からログハウスの木目を数えられるくらいに目が良くなった。



えーと、なになに?向こうにあるアレは……。なにかの遺跡っぽい。


気になるけど、また今度にしよう。


とりあえず今は湖のログハウスに向かうことにする。



おれは魔法を操作して湖へ向かった。


今度は髪と格闘することもなく実に快適な空の旅だ。


夕日に照らされた金髪が風を受けて、後ろに流れていく。


これでホウキがあれば、とても魔女っぽい。


これから時間は沢山あるし、思い付いたことをとことんやっていこう。


そういえば、手に入れた木の実だけど、食べたときに身体から力が湧いてきたんだよね。最初、食べたときは美味しさに夢中で、あまり気にしなかったけれど、今振り返ってみて、そう感じる。


木の実を使ってジャムを作ってみようかな?そうなるとパンとか欲しくなる。


ジャムだけ作っといて、いつかパンを手に入れたら使ってみよう。



そんなことを考えながら湖に到着。


さ~て、木の実でも食べながらゴロゴロしようかな~。


……………………………。



………。






ログハウスは無残にも破壊されていた。



誤字報告でもいいのでお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ