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TSエルフになったので、弟子にその力を見せつけたい  作者: Yu
おれはこいつに見せつける
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くるしゅうない



がっはっは、がっはっは。


この国は素晴らしい。


エルフというだけで王様みたいにちやほやされる。


「リーフィリアさん。お飲み物をご用意しました。最高級のぶどう酒です。」


うむ。くるしゅうない。


「そこに置いといてください。」


酒かぁ。ジュースがよかったな。


おれはぶどう酒片手に椅子にひじを付く。


「アテリー。もう少し強めにお願い。」


「はい。分かりました!!」


銀髪に青い瞳の少年─アテリーがうちわで風を扇いでくれている。


アテリーはあの1件以来、ますますおれを崇めてくれるようになった。



「もうすぐ王都に到着しますよ。」


さあ、おれの物語を始めるとしようか。





フォレスティア森調王国、王都セレモニア。


その都市は木でつくられている。都市の中には自然が数多く残っており、建物は自然と調和するような造りが多い。


やはり、ここでは魔物が出没する可能性があるため城壁はある。それも当然木でできている。ラムルスの町の城壁と比べて、勝るとも劣らない大きさだ。


木でできてるといっても人工の物じゃない。太い丸太のような木が幾重にも複雑に絡み合ってできている。


門は流石に人工の物だ。見張りの兵士がいる。


おれの乗っている馬車は何事もなく門を通過したようだ。ラムルスの町で貰った身分証とかは特に見せてない。



「本当にありがとうございました。」


おれとアテリーは馬車から降りて、礼を言うおじさんと向かい合う。このおじさんは商人のおじさん。魔物に襲われている所を助けたのだ。



「いやぁ、マジで助かったぜ。」


「私たちだけだったら全滅だったわよ。本当にありがとうね。」


この男女は商人のおじさんの付き添い、というか護衛。男は人間で、女はなんとエルフだ。初エルフ。



「何かあったら私たちを頼ってね。」


そう言うと、商人のおじさん、よろしくやってるっぽい男と女は去っていった。あーあ爆発しねぇかな。


おれとアテリーは商人のおじさんに紹介された宿へ向かうことにした。なんでもこのカードを見せると安くしてもらえるらしい。



「先生………好き………。」


アテリーがおれの腕に抱き着いてくる。


アテリーはあれ以来こうなってしまったのだ………。



────────────────────────



「アテリー待って!!」


おれは赤い月の夜に町を走っていた。


舗装されている道に足を付けるとタンタンと小気味良い音がなる。


おれは屋敷から出ていったアテリーを追いかけた。


冷たい空気が肺を刺激する。


アテリーは路地裏へと入っていった。


逃げるアテリー、追いかけるおれ。


石造りの壁が続いている。


とうとう行き止まりになり、アテリーを追い詰めた。


「アテリー………。」


おれはゆっくりとアテリーに近づく。


「ぼ、僕は………。」


アテリーは怯えながら後退りした。


「どうしたの?」


「先生にもあんなこと言われたら……。」


アテリーは後ろの壁に手をついた。




ガコン。


「「え?」」


足場が開いて、おれとアテリーは真っ逆さま。


「「うわぁぁぁぁぁ!!」」


なす術なく落ちていった。




ヒュオオオオー


冷たい風が顔に当たる。


下は滑り台のようになっていた。


おれはアテリーを抱き締めながら、滑り落ちる。


「先生。どうして?」


アテリーが上目遣いで聞いてくる。


「あの子になに言われたか知らないけど、あの子はあの子。私は私だから。」


「先生……。」


「それに………。」


「?」


「さっきの赤いやつ、私はカッコいいと思うよ。」


「うぅ……。せんせぇ………。」




ドボン!!


おわっ!!水の中に落ちたようだ。


おれは必死で水面を目指す。


「ぷはっ!!」


水面に出れたようだ。


「ケホッケホッ。アテリー大丈夫。」


「は、はい……。」


おれはアテリーを連れて岸に上がった。


びしょ濡れだ。めちゃ寒い。



「先生。僕はどうしたらいいんでしょうか?」


「なにが?」


おれは髪を絞りながら答える。


「さっき言われたんです。この町から出てけって……。」


「………そうなの。」


「僕はどこにいっても疎まれたまま。」


アテリーはうつむいて涙声になった。


「え?」


おれはアテリーを抱き締めた。


「あの子にいじめられたんだね。よしよし。」


ついでに頭を撫でてやる。


「私は何があってもアテリーを嫌ったりしないから大丈夫だよ。」


「うわぁぁん!!」


アテリーはおれの胸で泣いた。おれの美乳に顔を押し付けている。流石にわざとじゃないよな……。


「そうだ。アテリーにいいものあげる。」


アテリーを胸から離して、ある物をアイテムボックスの指輪から取り出す。


「これからどんなに苦しいことがあっても、アテリーは一人じゃない事を覚えていて。」


おれはアテリーにそれを手渡した。


「これって?」


「とある遺跡で拾ったの。」


アテリーの手には不思議な模様が描かれているメダルがあった。



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