なんでもいいよ(何も考えてない)
書き途中だった文章が消えました。
心がおれそうになりました。
感想ください。
翌朝、おれと銀髪の少年─アテリーは屋敷の庭に来ていた。
昨日ぶっ通しで魔法の練習をしていたアテリーだが、一晩寝て元気いっぱいのようだ。遊びたがりの年頃なのだろう。
今回、おれは空気にならないためにも簡単には真似出来ないような魔法を使おうと思う。簡単な魔法をアテリーに見せれば、一人で魔法の練習を始めてしまう。その結果、おれは空気になるのだ。
「アテリー、昨日やったことを見せて。」
おれは神秘的なエルフモードでアテリーに言う。
「分かりました、先生。」
おれの先生呼びは定着してしまったようだ。魔法を教えるとは言ったけど、弟子にするとはまだ言ってなかったような気がする。
アテリーは手のひらから水の玉を生み出すと屋敷の庭に備え付けてある金属製のカカシに向けて放った。
バン!!
おれの水の玉と比べると威力はかなり弱いが、それでも昨日魔法を始めた事を考えると凄まじい成長スピードだと思う。
アテリーは池の水を使わずに魔法を使っている。これが本当の水魔法なら、おれの水魔法はパチもんということになるのだろうか……。まぁ、いいや。
「今日はその魔法を動きながら使ってもらう。」
おれは池の水を操る。
「うわぁぁぁ!」
アテリーが驚いた声を出した。
う~ん。こんな感じかなぁ。
おれは記憶にある恐竜をイメージしながら水を操った。
目の前に巨大な水のティラノサウルスが現れる。
なんか少し違う気がする。ティラノサウルスというより、なんちゃってティラノだな。
「アテリー、見てて。」
なんちゃってティラノの口の中に水が収束していく。
収束した水は深い色を放つ水の玉となった。
ズギューーーン!!
なんちゃってティラノの口から空に向けて、水のレーザーが発射される。
水のレーザーは空の上にある雲を切り裂いた。
「く、雲が切れてますよ……。」
アテリーが腰を抜かしながら、呟いた。
おれはこの半年でかなり魔法の制御ができるようになった。あの湖にいた水龍のブレスを参考にこんなことも出来るのだ。
いつか、このなんちゃってティラノをあの水龍と戦わせて見よう。どっちのブレスが強いか勝負じゃ!!
「どうだった?」
凄かった?カッコいい?
おれは腰を抜かしているアテリーに聞いてみた。
「す、スゴすぎ……です………。」
どうやら、今回は空気にならなかったようだ。
「今日はどんな精神状態でも魔法が使えるように練習しよう。」
おれはアテリーの手を掴んで立たせた。
「はい。」
「具体的には、このなんちゃってティラノと追いかけっこよ。」
「………え?」
「うわぁぁぁ!」
アテリーがなんちゃってティラノに追いかけられている。
あのなんちゃってティラノは大型トラック並みにデカイから、それに追いかけられているアテリーは大変だなぁ。
「アテリー、攻撃よ。なんちゃってティラノに魔法で攻撃するの。」
「そ、そんなこといわれても……うわぁぁぁ!」
おれはなんちゃってティラノに追いかけられているアテリーを見ながら思った。
これ結構いい特訓になるのでは?走りながら身体を鍛えられるし、動く敵に魔法を当てる練習にもなる。
アテリーはなんちゃってティラノの隙を見つけて水魔法を放った。
しかし、なんちゃってティラノに効果はないようだ。
「ひぃぃぃぃ!!」
う~ん。これじゃあアテリーに勝ち目がないなぁ。
おれは屋敷の台所から拝借してきたクッキーを魔法で飛ばす。
飛んでいったクッキーはなんちゃってティラノの眉間にくっついた。
「アテリー、なんちゃってティラノの眉間にあるクッキーを割ったらアテリーの勝ちよー。」
「く、クッキー?」
あれならアテリーの魔法で十分に割れるだろう。当たればね。
なんちゃってティラノがアテリーに突進を仕掛ける。
アテリーは横に飛んで突進を回避した。
さっきから見てるけど、アテリーは運動神経がいいな。子供とは思えない俊敏さがある。
アテリーは手のひらから水の玉を生み出して、なんちゃってティラノの眉間にあるクッキーを攻撃する。
甘いわ!!
おれはなんちゃってティラノの口から水のブレスを放出する。
雲を切り裂くような威力ではなく、水鉄砲レベルだ。それでも、なんちゃってティラノの大きな口から放たれたブレスは水鉄砲レベルでも中々の威力がある。
アテリーの水魔法は呆気なく、なんちゃってティラノの水鉄砲ブレスに飲み込まれた。
そして、水鉄砲ブレスはそのままアテリーへと向かう。
その水鉄砲ブレスはアテリーの足元に着弾する。
アテリーは着弾の余波で吹き飛ばされてしまった。
やべ、やりすぎたか?。
おれは急いでアテリーに駆け寄る。
「だ、大丈夫?」
おれは蹲るアテリーに声をかけた。
「ごめんね。流石にちょっとやり過ぎたよね。」
おれはアテリーの背中をさすりながら話し掛ける。
「もう少し安全な方法で練習しようか。」
「ううん。このまま続けたい。」
アテリーは涙目になりながらも、おれを見てくる。
「僕、もっと強くなって先生みたいな魔法使いになりたいんだ。」
「アテリー。」
「それに、先生が見てくれてるのに投げ出すなんて出来ないよ。」
そう言うと、アテリーは立ち上がった。
アテリーは男の意地を貫くようだ。うぅ、泣いてばかりのこの子が立派になって……。
「わかった。でも、危なくなったらすぐに止めるからね。」
おれはアテリーから離れて、なんちゃってティラノを操った。
なんちゃってティラノの尻尾攻撃がアテリーに襲いかかる。
アテリーはそれをしゃがんで回避すると、なんちゃってティラノの足元に転がり込んだ。
確かに足元ならなんちゃってティラノの死角になる。でも、そいつはおれが操ってるんだよなぁ。
なんちゃってティラノは腹でアテリーを押し潰そうとする。
それをアテリーはなんちゃってティラノの前に走ることで回避した。
眉間のクッキーはもう目の前だ!!
アテリーは水魔法でなんちゃってティラノのクッキーを狙う。
だが、それでは水鉄砲ブレスの餌食になるぞ。
アテリーはなんちゃってティラノが口を開く前に、口の上に飛び乗ってジャンプする。
「はぁぁぁぁ!!」
アテリーの手のひらに生み出された水の玉がなんちゃってティラノの眉間にあるクッキーを砕いた。
「グォォォォォォ!!」
なんちゃってティラノはそれっぽい雄叫びを上げながら、崩れていった。
中々いい演出だったのでは?
なんちゃってティラノが崩壊したのを見届けたアテリーは庭に寝転がった。
「お疲れ様。」
おれは肩で息をしているアテリーに話し掛けた。
「少し簡単過ぎたかな?クッキーを5枚くらいにした方がよかった?」
「か、勘弁してくださぃ。」
そう言うアテリーはやり遂げた顔をしている。
「なんちゃってティラノを倒したんだから、何かご褒美でもあげようかな?何がいい?」
「ご褒美ですか?」
アテリーは少し考え込んだ。
「どんなことならいいんですか?」
「別になんでもいいよ。」
おれは何も考えずに答えた。
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「フェイル神龍湖の制圧が終わったようだ。」
グランディア聖盾騎士帝国軍の指揮を取る男─アルバードの補佐を務める男が言った。
「新開発された兵器は凄まじい性能だったな。このフェイル神龍湖に入り込んだ魔物でさえも一般兵士が倒せるようになるとは。」
そう言葉を漏らしたのはグランディア聖盾騎士帝国軍の指揮を取る男─アルバードだ。
新兵器を使うという判断を下して以降、フェイル神龍湖に入り込んでいた魔物の数は目に見えて減っていった。
湖のほとりに拠点を設けることができるくらいの安全を確保することに成功している。
「一つ気になることがあるな。」
補佐の男が話し始めた。
「湖のほとりで魔物がバラバラに切り刻まれた肉片が発見された。このフェイル神龍湖に入り込んだ魔物で風魔法の類いを使う魔物は確認できていない。」
グランディア聖盾騎士帝国軍が拠点を設置する前、安全を確かめるために湖の周辺の調査を行ったのだ。そこで発見されたバラバラ死骸。
「恐らくだが、俺達がここに到着するよりも前に、この森に住んでいた者がいたのだろう。」
「こんな魔境に住むなんて、とんだ物好きだねぇ。」
アルバードが軽く答える。
「未だ、龍の存在は確認できていない。龍の行方不明にそいつが関わっている可能性がある。」
「そうだな。まぁ、今はフェイル神龍湖の調査を進めるだけでいいだろう。」
「全く、本当にそんなやつがいるのなら龍以上の脅威に………」
「失礼します。」
この仮説テントの中に一人の兵士が報告しに来た。
「どうした?」
アルバードがその兵士に問い掛ける。
「フェイル神龍湖にて、古代遺跡が発見されました。」
「へぇ。」
アルバードはニヤリと笑った。
感想待ってます




