こんなかわいいエルフは誰だ?っておれかい
感想くださいな
はて?ここはどこだろう?
おれは湖のほとりで目を覚ました。
外で寝た覚えはないし、そもそもおれの最後の記憶は確か……。
ま、そんなことどうでもいいや。
これはもしかしなくても異世界転生というやつだろう。
なぜ「転生」と言い切れるのか?
それはおれの視界をちらつく長い金髪にある。
おれは日本人だから安定の黒髪だったし、触ってみると自分の頭にしっかりと生えていることが分かる。カツラとかではないだろう。
しっかしこの金髪は綺麗だな。引っ掛かりすら覚えないサラサラな髪質。
ひとまず、髪の事はおいといて、状況を確認しようと思う。
周りを見渡すと木々が生い茂ってる。
さらに、今いるところは木々よりも低い場所だから遠くに何があるのかさっぱりわからん。
おれはとりあえず湖に写った自分の姿を確認しに行くのだった。
「こ、こ、これは!?」
思わず声を出して驚いてしまった。
それも仕方なかろう。これは紛れもなく……。
「エルフ!!」
金髪碧眼長い耳。正にエルフの定番ではないか。しかもめちゃくちゃかわいい。
かわいい?
思わず手を……。
「ない。」
あるべきモノがなく。
「ある。」
未知の果実が二つある。
「TS転生か~~!!」
本来なら身体のギャップに色々葛藤するべきなんだろが、おれはさっそく行動を開始する。
今の俺が身に付けている物はボロ切れ一枚のみ。流石にこれでは心許ない。
魔法でなんとかできないだろうか?今のおれが美少女エルフってことなら異世界は確定のはず。
さっきから身体に満ちている謎の力を放出!!
『森で目立たないような緑の服出てこぉぉぉぉぉぉい。』
木の葉が舞い、目の前で収束していく……。
おれは緑の服を手に入れた!!
やはり転生特典なるものはおれにもあったらしい。ニヤニヤが止まらねぇぜ。
そういやステータスってあんのかな?あれば楽なんだが……。
「ステータス!!」
それっぽいセリフを何回か言ってみたが反応なし。
ふむ、この異世界でもステータスはないらしい。
次は住み家でも作ろうか。雨風凌げる家があれば安心する。
ここは湖の近くだし、丁度良さそう。
さっきの服と同じ要領で……。
『家来ぉぉぉぉぉぉい。』
あちらこちらから木々が飛んでくる。それがなんやかんやで材木処理された後……
ログハウスっぽいのができた。
ふむ、謎の力の余力はまだまだあるけどさっきより疲れたな。謎の力じゃ言い回しがめんどい。異世界定番の「魔力」と名付けよう。
さっそく目の前のログハウスに入ってみる。
階段を上り、ドアを開けて……。
中何もなし。
外見はそれっぽいだけで中は地面のままだな。
どうやらこの魔力放出、きちんとイメージしなければ形にならないようだ。
よし、この魔力放出による不思議現象を「魔法」と名付けよう。
今度はきちんと内部までイメージして。
『家よ来ぉぉぉぉぉぉい。』
家が分解され、四方から再び木々が飛んでくる。
そしてあっという間に家完成。
さて、今回はどうかな?
中を確認するときちんとした床があり、椅子や机がある。奥には木のハンモック。窓は開閉式だけど3箇所くらいあるよ。
どうやら成功したようだ。やっぱり魔法にはイメージが大切なのね。
今着てる服をもう2、3着作っておこうかな?
『服よ来い。』
あれ?何も起こらないな。
魔法を中断して、家の外に出てみる。
家の周りにはさっきまでなかった木の葉が散乱している。
ははぁ、いくら魔法が万能とはいえ原材料を調達出来ない状況だと魔法は発動しないのね。
では、気を取り直してもう一回。
『服よ来い。』
再び家の周りの木の葉が集まると同じ服が3着できた。
服を入れるタンス欲しいな。
『タンスよ来い。』
タンス完成。
あっけないな。元の世界では何もできなかったおれがこの世界ではなんでもできる。
あのときにこんな力があればな。
まぁ、そんなこと今気にしても仕方がないし。これからはこの魔法の力で遊びまくろう。
………魔法だけじゃないんだよな。
おれは湖の近くに行き、水面に写った自分の顔を見る。
元の顔とは似つかない、かわいらしい顔。
魔法に夢中で忘れてたけどおれはTSエルフになったんだった。
ふふふ、いつか人に会ったら手頃な童貞どもに思わせ振りなことを言ってドギマギさせてやろうか。
……いやまあ、おれも童貞なんだが。
さてと、衣と住は揃ったんだし、食を探しに行きますか。
感想くれたらやる気がでます。




