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TSエルフになったので、弟子にその力を見せつけたい  作者: Yu
おれはこいつに見せつける
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ラムルスの兵

感想まってます



フォレスティア森調王国、その国境は森に囲まれている。


その森の一つにフェイル森林地帯と呼ばれる森がある。


そのフェイル森林地帯に近い辺境の町、ラムルス。


魔物の出没に備えて立派な城壁に囲まれているラムルスの町は今日、騒がしかった。


多くの兵が道の往来をしている。それも普段とは違い、少し駆け足だ。


町の住民はそんな光景を見ながら日々を営んでいた。



町の広場でひげ面の男─ギルムが兵達を指揮する。



ところで、このラムルスの町の兵は屈強であると知られている。


魔物が出没する辺境で町を守るため、一人一人が高い意識を持って日々の訓練に励んでいる。


その実力は王都の騎士団にも引けを取らないほどである。


そんな猛者達だが今日の侵入者を未だ捕らえられずにいた。



「あそこだ!!逃がすな、追えーー!!」


ギルムは兵を動員するが、その侵入者は華麗な身のこなしで壁や屋根を伝い、ラムルスの兵達を上手く撒いている。


侵入者は紫色の長い髪をなびかせながら、城壁を越えて見えなくなった。



「何という身のこなし。より修練する他ないな。」


兵士部隊隊長はそう呟いた。



先程の侵入者が城壁を越える様子を目撃した住民もいたらしく、こんな声が聞こえてくる。昨日は外から越えようとしたやつがいたな……と。



────────────────────────



「ハックシ!」


うぅ、くしゃみが出た。


おれは今、魔法部隊隊長であるナターシャの部屋にいる。



『申し訳ありません。取り逃がしました。』


筋骨隆々の領主─フロンの持つ石から声が聞こえてくる。


「そうか、普段の警備に戻れ。」


『了解しました。』


あの石を使えば、電話のように会話が出来るらしい。



「どうして魔法部隊を動員しなかったの?」


おれは神秘的なエルフモードを使い、気になったので聞いてみる。


「魔法部隊の魔法は魔物対策に攻撃的なものが多いから町中で使うわけにはいかないのよ。」


黒よりの青い髪を持つナターシャが答えてくれた。


ふむ、さっきナターシャが回収した本はクローゼットに隠したようだ。今度あさってみるか。


「ふーん。」


おれは取り敢えず返事をしておく。



「それじゃあ、リーフィリア殿、アテリー君、俺はここで失礼するよ。」


フロンはやることがあるのか、部屋から出ていった。


部屋に残されたのは……


おれ


銀髪の少年─アテリー


ナターシャ


茶髪のお姉ちゃんメイド─サリア


金髪よりの茶髪を持つ小動物メイド─セリア


の5人だ。



「ひとまず朝食にしない?」


ナターシャが提案してきた。


「睡眠薬とか入ってないよね?」


「朝食の準備はサリアにやってもらうから大丈夫よ。」


ナターシャは苦笑しながら答える。


小動物メイド─セリアにやらせると、水を薬や毒に変える特異魔法が勝手に発動して、また眠らされるかもしれないからな。


眠ったら、夢のナターシャが現れそうだ。



「先にお風呂に入りたいのだけど。」


そう、この屋敷には浴場があったのだ。それもかなり大きい。


「わかったわ。食堂で待っているわね。」


ナターシャとお姉ちゃんメイド─サリアは部屋から出ていった。



「あの……。」


小動物メイド─セリアが話し掛けてきた。


「本当に申し訳ありませんでした。」


そういうと、セリアは部屋から出ていった。


口では謝っていたが、アテリーを見る目が少し殺気立っていたな。アテリーも怯えているようだ。



「お風呂いこっか。」


「はい………。」


おれはアテリーを連れて浴場へと向かった。


こいつは初めて出会ったときから、ずっとみすぼらしい格好をしている。ガリガリの浮浪児だ。取り敢えず、ある程度見られるように風呂場で整えてやろうと思う。



浴場に着いたおれはアテリーのぼろ切れをひっぺがす。


「あぅぅ。」


アテリーが情けない声を出すが気にしない。


おれも緑の服を脱いで、素っ裸になる。


下着とかは特に着けてないから楽でいい。


「うぅぅ。」


アテリーは顔を赤くして目をつぶっている。



そんな所で突っ立ってないでさっさと入るぞ。



おれはアテリーの手を引っ張って浴場へと連れていく。



とりあえず、おれは適当な椅子にアテリーを座らせた。


ガリガリな背中だ。


おれはアテリーの背をそっと撫でた。


アテリーがピクリと震える。


やはり怖いのだろうか?



おれは先に髪を切ってやることにした。


少し危ないけど風魔法でいこう。


「アテリー危ないから動かないで。」


「はぃ……。」


おれは丁度いい長さにアテリーの髪を切ってあげた。



「はい、おしまい。」


アテリーはおそるおそる目を開く。


「あ……。」


「どう?結構よくない?」


鏡に写ったアテリーの銀髪はいい感じに切り揃えられ、青い瞳も髪に隠れることなくハッキリ見える。


おれは鏡の中のアテリーと目が合った。


微笑んでやると、また顔を赤くした。こいつコロコロ変わって面白いな。



おれは床に落ちたアテリーの銀髪をアイテムボックスの指輪に回収していく。


このまま流したら詰まりそうだ。


「それって……?」


「この指輪は物を収納できるの。」


おれはさらっと答える。


「へぇ~。」


アテリーは感心したような声を出した。



おれはアテリーの髪や体を洗ってやる。


よし、こんなもんでええやろ。


おれはアテリーを先に湯船へ入れる。



次はおれの番だな。



────────────────────────



「まさか、こんなに早く気付かれるとはね。」


森の中で一人の女が呟いた。


「森の魔女、リーフィリア……ね。」


女は内心で驚いていた。


自分は魔法道具の類いを無効化する術を持っていたため、気付かれるとは思わなかったのだ。


「万一障害と成りうる事を考えて、報告する必要があるわね。」


女は紫の髪を風でなびかせながら、森の奥へと消えていった。



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